ソフトバンクロボティクスは11月17日、ソフトバンク表参道にて小学生を対象にした「Pepperプログラミング教室」を実施。ゲストとして優木まおみさんが参加し、来場した子どもたちと一緒にプログラミングを楽しんだ。Pepperプログラミング教室は11月より順次、全国約100店舗のソフトバンクショップでも期間限定で開講していく予定だ。

  • ソフトバンクショップで「Pepperプログラミング教室」開講へ

「STREAM教育」とは?

「Pepperプログラミング教室」は全国のソフトバンクショップにて開催するプログラミング教室。同社の開発したツール「Robo Blocks(ロボブロックス)」を使うことでプログラミングの知識を学べるだけでなく、作った作品をPepperで試すことで、子どもの創造力、表現力、自分で考える力を養うことができる。

  • ソフトバンク表参道

小学校3・4年生、および5・6年生向けのコースを用意した。2022年11月下旬から全国の対象店舗において無料体験講座(40分×1コマ)を開講、2023年1月からは3か月間の有料短期講座(60分×6コマ、教材費込19,800円)を開講する。

  • Pepperプログラミング教室の概要。オンラインと店頭の両方で11月14日より申し込み受付を開始した

開催に先立ち、メディア向けの説明会に登壇したソフトバンクロボティクスの蓮実一隆氏は「いまSTEAM(スティーム)教育ということが言われています。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字ですが、これに私たちはRobotics(ロボティクス)を加えたSTREAM教育を掲げたい。このIT時代にどうやって良い人材を育てるか、ということで2020年4月から小学校のカリキュラムでもプログラミングが必修化されています。全国のご家庭でも、いまプログラミング教育は『なんとかして子どもに習わせないといけない科目』ということで注目度が高まっていますね。ただ、まだ近所に学べる場所が少ないんです」と説明する。

  • ソフトバンクロボティクス 取締役 兼 CMOの蓮実一隆氏

そこでソフトバンクロボティクスでは、全国に拠点があるソフトバンクショップのスペースを有効活用して「より効果的で満足度の高い」プログラミング教室を運営していきたい考え。ITリテラシーがあり接客のプロでもあるソフトバンクショップのスタッフが講師を務める。まずは約100店舗でテスト的にはじめ、順次、全国に拡大していくという。

  • 講座申し込みの流れ

「いまお届けできるPepperプログラミング教室は、まだ基礎編です。この先、さらに充実した"長期講座"みたいなものも実現できたらと思っています」と蓮実氏。なお、ソフトバンクロボティクスでは先行して教育機関向けの学習サービス「Pepper for Education」も展開中。こちらはすでに、のべ1,300校、約50,000回の授業を実施した。Pepperプログラミング教室とともに今後も拡大していきたい、とのことだった。

優木まおみさんと子どもたちが挑戦

ここで、上の子が小学2年生、下の子が幼稚園という、2児の母でもある優木まおみさんがゲストで登壇。「うちの子もプログラミングに興味を持ち始めたようです。今日はソフトバンクショップでもおなじみのPepperくんがプログラミングで動かせるということで、私も楽しみにして来ました」と笑顔を見せる。

  • ゲストの優木まおみさん

教室には5名の子どもが集まった。和やかな雰囲気のなか、まずは自己紹介からスタートする。この日の最終目標は「Pepperとじゃんけんをすること」。そのため、まずは「Pepperを喋らせる」ことから始める。Robo Blocksの画面の見方、そしてブロックの効果について丁寧に説明する講師。それをもとに、子どもたちはiPadを使い、各々のプログラミングを進めていった。

  • ブロックの説明

  • プログラミングに集中する子どもをPepperが見守る

「ブロックパレットにある、ハットブロックの『頭がさわられたとき』を、隣りのスクリプトエリアにドラッグしてみましょう。そのあとで、青色の『はいをしゃべる 高さ100 速さ100』のスタックブロックを探して合体させてみます。それができたら、バーチャルブロックのPepperの頭を触ってみてください。喋りましたか?」という講師の問いかけに、子どもたち全員が勢いよく手を挙げる。はたから見ている大人たちの想像をはるかに超えるスピードで、子どもたちはプログラミングを理解しはじめているようだ。

  • 講師が丁寧にサポート

  • 着々とプログラミングを完成させていく

このあと「Pepperの音ブロックを使う」という課題に取り組む。教室のあちこちから聞こえてきたのは、動物の鳴き声、自転車のベルの音、ドラムロールなどの効果音。子どもたちは、プログラミングしては実際にうまくいくか試し、また改良を加えていく、という作業を楽しみながら繰り返していった。こうしてプログラミング技術も成長していくのだろう。そして「ディスプレイにグーチョキパーを表示させる」という最終段階に。

  • 健闘する優木さん

  • 子どもたちも、楽しみながらプログラミングを進めていた

完成したプログラムはPepperに送られ、最後に1人ずつ発表の場がもうけられた。Pepperに何を喋らせて、じゃんけんでは何を出し、そのあとでどんなリアクションをとらせるか――。ここに子どもたちの創意工夫があふれる。Pepperに「負けたー」と喋らせたり、にぎやかな効果音を鳴らしたり、バンザイさせたりしょんぼりさせたりとそれぞれ芸が細かく、観覧した保護者も笑顔になっていた。

  • じゃんけんに勝って喜びを表現するPepper

Pepperプログラミング教室を体験して、優木さんは「面白かったです。時間が足りなかったくらい。試したいことがたくさんありました。頭のなかで想像したPepperくんの動きとプログラミングがうまく連動できなくて、でも隣りの席の子どもたちはどんどん先に進んでいて。だから私も遅れないように、必死についていきました」と充実の表情。

  • 満足そうな優木さん

ちなみに子どもの学校ではiPadが支給されており、長女はそれを使って動画を編集したり、絵を描いてアニメーションさせたりして、優木さんを驚かせているという。「いまの小学生は生まれたときからデジタルに触れているので、すぐに使いこなしてしまうんですね。本当に時代が変わっているのを感じます」(優木さん)。今後も、子どもの閃きや才能を伸ばしていけるような経験をたくさんさせていきたい、と話していた。