東京・白金台の八芳園にて11月18日〜12月11日の期間、秋の大型イベント『TOKYO RED GARDEN AUTUMN FESTIVAL 粋2022』が開催されている。江戸時代から約400年続く歴史ある日本庭園が真っ赤にライトアップされるという、エモさ満点な光景を思いっきり体感してきた。

  • 東京・白金台の八芳園にて11月18日〜12月11日の期間、秋の大型イベント『TOKYO RED GARDEN AUTUMN FESTIVAL 粋2022』が開催

庭園が真っ赤に染まる幻想的な世界

このイベントは、今回で4年目となる八芳園の恒例行事。開催期間中は約100本のもみじが赤一色に染め上がる紅葉ライトアップが毎日実施され、東京のど真ん中にいながら美しい自然に包まれた"芸術の秋"を堪能することができる。

  • ロビーにもオシャレな装飾が登場

正門から庭園へと進む導線では、あえて赤色を使わず黄色やオレンジのライトを使うことで、季節の移り変わりを感じながら庭園へと誘われるように演出されている。正門に入ってすぐ右側にある大きな銀杏の木も、普段は行っていないライトアップが施されることで、庭園へと向かうワクワク感に一役買っている。

  • 大きな銀杏の木も、普段は行っていないライトアップが施される

洒落た赤い暖簾をくぐり、庭園を歩いていくと、徐々に赤色に染め上がったもみじが目の前に広がってくる。いきなり全面が派手な赤色にライティングされているわけではなく、場所ごとに濃淡があることでとても落ち着いた気分で鑑賞できる。

  • 洒落た赤い暖簾が目印

これは企画の段階から試行錯誤を重ねて、赤色だけでなくオレンジ色などを織り交ぜることで庭園の各所から見える光景にコントラストをつけているのだとか。

  • 赤色だけでなくオレンジ色などを織り交ぜている

池の水面を流れるスモークが幻想的で、時折飛び跳ねる鯉に驚いたりと、歴史ある日本庭園でありながら非現実感すら漂う世界観は圧巻。途中には盆栽が一列に並んだエリアもあり壮観だった。

  • 盆栽が一列に並んだエリアも

「GARDEN BAR」でほっと一息

庭園を一周すると、池のほとりにある「GARDEN BAR」でドリンクを飲んでひと休み。こちらは期間中の金・土・日曜日(計9日間)限定で営業するポップアップバーで、紅葉をモチーフにしたオリジナルカクテルや全国各地のおつまみが用意されている。

  • GARDEN BAR

今回初登場となるのがイチジクリキュールと白ワインを使い、グラスの中にもみじがあしらわれている「赤いカクテル」(1,000円)。ほんのりした甘さと中に入ったフレッシュベリーの酸味が相まって、ほっと一息つくのにちょうど良い。

  • 赤いカクテルの中には紅葉が!

「赤いレモネード」(500円)はさらにしっかり酸味がきいていて軽快な飲み心地。グラスを持ったまま庭園内を散策しても良いとのことで、最高にオシャレな気分を味わえそう。

  • 左から「赤いカクテル」(1,000円)、「赤いレモネード」(500円)

バーの近くのもみじは強めの赤色でライトアップされており、フォトスポットとして多くの人が写真を撮っていた。中には外国人の方々の姿も。

「八芳園」ならではのライトアップ

「総合プロデュース企業」として事業を展開している八芳園ならではの演出が冴えているこのライトアップイベントで先頭に立ち、手腕を振るっているのが統括支配人の関本敬祐さんだ。

歴史と伝統のある八芳園の恒例イベントだけに、「例年通り」と守りに入ってもおかしくはないが、「毎年来てくださるお客さまに、"ここが去年と違う"と感じていただけるように、毎年違う取り組みをしています」とのことで、ミーティングを何度も重ね、映りこむものも見える景色も今年ならではのものを考えて、ライトアップの場所を決めたという。

「普通にライトアップするイベントはどこにでもあると思うのですが、八芳園がやることに意味があると思っているんです。日本の紅葉狩りなどの文化をお伝えしつつ、現代風にアレンジするにはどうしたら良いかを考えて、真っ赤だけじゃなく、色を多くして季節のうつろいも表現しました。庭園のこの場所ではこういう感覚を持ってもらったり、シーンごとの違いを感じてほしいです。みどころをライトアップで感じるというよりは、どちらかというと、池への映り込みや動きなどに感じてもらえるのではないでしょうか」と話す。

既に来年はどんなイベントにしようか考え始めているという関本さん。八芳園では今後どんな展開を考えているのだろうか?

「よくうちの代表も言うのですが、"自然に戻していくこと"の方が大事だと思っています。日本庭園のあるべき本当の役割って、月が池の水面に映っていて……というような表現だと思うんです。そういう世界観に次のステップとしてトライできたら良いなと思います」。

  • 季節のうつろいも表現する八芳園のライトアップ

「昔ながらに日本人が大切にしてきた季節の感じ方を表現しつつ、そこに毎年の変化を持たせられたら」と語る関本さん。今後は、飲食などを連動させながらよりイベント開催を増やしていこうと考えているそうだ。


11月23日には、一日限りのオープニングイベントとして、約3年ぶりとなる「粋-NIGHT」が開催される。世界の音楽シーンで活躍するDJ沖野修也氏が登場して、音楽とともにドリンクを楽しめるほか、八芳園内レストラン「スラッシュカフェ」で好評を博した経産牛のハンバーガープレートもイベント会場にて用意されるとのこと。

さらに、12月9日~11日の3日間、八芳園の料亭「壺中庵」で、月をテーマにした『MOON BAR』を開催。オリジナル月見酒と季節の月見団子を味わうことができるので、こちらも要チェックだ。歴史ある風情と現代的なアート感覚が融合した『TOKYO RED GARDEN AUTUMN FESTIVAL 粋2022』で、都会の喧騒をひととき忘れ、秋の夜長を満喫してみては。