講談社は11月17日、講談社現代新書の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』を発売した。著者はフリージャーナリストの小林美希氏。価格は968円。

日本社会の「本当の危機」とは?

  • 『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』表紙

平均年収443万円、「日本はこの金額では"普通"に暮らすことができない国になってしまった」。本書は、ジャーナリストである著者が、「昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5,000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5,000円節約、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配」など、日本の「厳しすぎる現実」を紹介。中間層が完全崩壊した日本社会の「本当の危機」に迫る。

主な内容は下記の通り。

第1部 平均年収でもつらいよ
●毎月10万円の赤字、何もできない「中流以下」を生きる
神奈川県・48歳・会社員・年収520万円
●「私は下のほうで生きている」コンビニは行かず、クーラーもつけない生活
東京都・35歳・自治体職員・年収348万円(世帯年収1,000万円)他

第2部 平均年収以下はもっとつらいよ
●月収9万円シングルマザー、永遠のような絶望を経験した先の「夢」
東海地方・41歳・秘書・年収120万円
●子どもに知的障がい、借金地獄……マクドナルドにも行けないヘルパーの苦境
茨城県・38歳・介護ヘルパー・年収48万円(世帯年収400万円)他

第3部 この30年、日本社会に何が起きたのか?

著者の小林美希氏は1975年茨城県生まれ。水戸第一高校、神戸大学法学部卒業後、株式新聞社、毎日新聞社「エコノミスト」編集部記者を経て、2007年よりフリーのジャーナリストとして活動。著書に『ルポ 正社員になりたい』(影書房、2007年度日本労働ペンクラブ賞受賞)などがある。