俳優の伊藤健太郎が、ニッポン放送とストーリーレーベル「ノーミーツ」共同制作の舞台『背信者』(2023年3月3日〜3月8日、東京・本多劇場)で主演を務めることが18日、発表された。

  • 伊藤健太郎

同作はノーミーツ初のリアルでの舞台作品の上演で、作・演出は第65回岸田國士戯曲賞ノミネートの小御門優一郎氏(ノー ミーツ)、プロデューサーは石井玄氏(ニッポン放送)が担当。2人は2022年3月にニッポン放送で上演した生配信舞台演劇ドラマ『あの夜を覚えてる』に続くタッグとなる。

物語のテーマは、300年後の雑誌編集部『CAESAR』を舞台にした「真実と虚構」。何が真実か、何が虚構なのか曖昧になった世界で、真実を追い求める編集者を伊藤健太郎が演じる。

また、モデル・女優・監督など多方面で活躍する田中真琴、『あの夜を覚えてる』での演技が話題となった相田周二(三四郎)、『レ・ミゼラブル』『ミス・サ イゴン』などにも出演する青山郁代、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)での演技が話題を呼ぶ新田桃子、電線愛好家・文筆家としても活躍する石山蓮華、演劇集団キャラメルボックス所属の鍛治本大樹、『シン ・ウルトラマン』(22)、『あなたの番です』(日本テレビ系)など多くの作品に出演する和田聰宏、さらにサブキャストとしてオツハタ、上谷圭吾が出演する。

チケットは、伊藤健太郎オフィシャルFC「GOLONDRINAS」、青山郁代ファンクラブコミニティ「Ikuyo_plus」、三四郎のオールナイトニッポン公式FC「バチボコプレミアムリスナー」のFC先行が11月25日12時〜12月4日23時59分、最速先行は12月9日10時〜12月18日23時59分。 

■小御門優一郎氏/ノーミーツ(作・演出)コメント
演劇を映像で配信するようになって、 「フレームによって切り取られる物語」というもの強く意識するようになりました。カメラの画角から外れたすべての領域が舞台袖であり、奈落で、楽屋でもある。 つまり物語に登場しないバックヤード。 カメラの画角内という可視領域、「舞台」に適切に人物と物を登場させることで、 そこに物語があると観ている人たちに信じてもらうという行為が、配信演劇という訳です。

物語そのものも、事象を切り取るフレームと言えます。 一連の出来事のうち、見せたい事象を適切に切り抜き、編集することで 作り手が意図した流れ、波を恣意的に受け取り手に体感させるのが物語です。ここ3年ほど、いろんなことがありました。 私の関わる物語が、「演劇」から「配信演劇」に切り替わったこと。 パンデミックによって、世界の見え方が変わったこと。 「配信演劇」をやっている時、「演劇」に対してどことない後ろめたさを感じていたこと。 フレーム内に意図しないものが写り込むと物語の受け取られ方は微妙に変容するが、 それはそれで面白いこと。私はずっと、面白い物語が作りたいということ。 それらいくつかの要素が結びついた瞬間に生まれたのが、 今作『背信者』の物語でございます。

幸いなことに本多劇場という素晴らしい劇場で上演させていただく機会に恵まれました。 劇場の客席で、または配信映像が映し出されたディスプレイの前で、 どちらの視点からでも構いません。 皆様にお目見得できますこと、楽しみにしております。

■石井玄氏/ニッポン放送(プロデュース)
本格的な舞台演劇のプロデュースは初めてのことですが、ノーミーツと一緒なら、 面白いことが出来そうだとこの企画に参加させていただきました。演劇を、一年に数本しか見ない人間が舞台演劇のプロデュースをするとどうなるのか、 という興味も自分自身にあります。 演劇に詳しくない私がスタッフにいるからこそ、演劇を観たことがない方にも演劇を体験していただけ るような作品にしていきたいと考えています。 脚本・演出が演劇大好き、演劇をやりたくてしょうがない小御門くんなので、私は違う視点から作品を俯瞰で見ながら、色んなアイデアをだしていきたいです。

今回、配信という別の視点をもった作品になるからこそ、 私の役割もある程度意味のあるものになると考えております。コロナ禍になり、演劇を配信するようになってからいくつかの作品を見ましたが、 配信で見ることによって劇場で感じられる演劇の魅力を半減させているのでは? と思うこともありました。 ただ単純にカメラで撮影して配信をしても、演劇においては十分ではないと感じました。そこで今回「劇場で観ても面白い」「配信で視ても面白い」「両方を見るとさらに面白い」ものを創ろうと皆でアイデアを出しあっています。うまく行くかは、まだ分からないですが、どこに真実があるのか、どこに虚構があるのか、観客の視点 で変化するような仕掛けを思案しています。是非、劇場で、配信で、体験していただきたいです。