MMD研究所は11月18日、通信障害によって影響があるスマートフォン利用者を対象として10月に実施した「2022年通信障害に関する意識調査」の結果を公表した。

今回の調査ではまず、予備調査として15歳~69歳の男女6,424人のうち、通信契約をしているスマートフォンを利用している6,020人を対象として、現在利用している通信会社の通信障害によって影響を受けた経験を聞いた。結果は「影響を受けたことがある」が33.5%、「影響を受けたことはない」が50.0%、「わからない」が16.4%。この「影響を受けたことがある」と回答した中から660人を抽出し、本調査を行っている。

通信障害時、7割強の人が「何かしらの対応をした」

利用しているスマートフォンの通信が繋がらなくなったとき、何か対応したかを聞いたところ、73.5%が「何かしらの対応をした」と回答している。

  • グラフ:利用しているスマートフォンの通信がつながらなかったときの反応

    利用しているスマートフォンの通信がつながらなかったときの反応

その対応の内容を複数回答で聞いた設問では、上位に「自宅のWi-Fi等でデータ通信した(音声通話・ビデオ通話以外)」36.7%、「自宅のWi-Fi等で音声通話・ビデオ電話の通話アプリを使って通話した」26.6%、「自宅の固定電話で通話した」25.2%といった回答が挙がっており、自宅にWi-Fi/固定電話などの通信手段がある人はそれを利用しているようだ。

  • グラフ:通信障害時の対応の内容

    通信障害時の対応の内容

一方で、「復旧するまでニュースで情報を得ながら待機した」という回答も34.6%で、先の設問で「特に何もせず、通信障害が復帰するまで待機した」という人も含め、全体の約半分が通信をできずに待っているしかなかったということになる。

また、「サブ端末や社用携帯などを使って、データ通信した」は15.1%、「サブ端末や社用携帯などを使って、通話した」は14.0%。2台持ちで助かったという人はあまり多くないようだ。

通信障害経験者の約半数はとくに対策を検討せず、サブ回線を契約したのは16%

通信障害の経験者に、通信障害があるリスクを踏まえて対策として検討していることを尋ねた結果が次のグラフ。47.6%と半数近くが「特にない」と回答している。

  • グラフ:通信障害のリスクを踏まえて検討していること

    通信障害のリスクを踏まえて検討していること

何らかの対策を検討していると回答した346人を対象として、「実施したこと」を尋ねた結果が次のグラフ。「メインと違う通信会社をサブ回線として契約する」を実施したと答えた人が30.6%で、これは通信障害を経験した660人の16.0%にあたる。このほか、デュアルSIM/eSIM対応端末の購入や固定電話・固定回線の契約などを行っている人も一定数いるようだ。

  • グラフ:通信障害のリスクを踏まえて実施したこと

    通信障害のリスクを踏まえて実施したこと

eSIM/デュアルSIMの認知度は半分ていど

なお、予備調査において、eSIMの利用状況/認知状況を聞いた結果が次のグラフ。利用中という人は11.3%、利用をやめたという人を含めた利用経験者は16.0%という結果。「全く知らない」が49.9%で、一般の認知度はそれほど高くないといえそうだ。年代別では20代が利用度・認知度ともに比較的高く、年齢が上がるにつれて下がっていく傾向となっている。

  • グラフ:eSIMの利用/認知状況

    eSIMの利用/認知状況

同様にデュアルSIMについて利用状況/認知状況を尋ねた結果が次のグラフ。こちらも利用中が7.4%、利用経験者が11.0%に対して、「全く知らない」が51.0%。eSIM同様、まだ認知が広がっていない状況だ。

  • グラフ:デュアルSIMの利用/認知状況

    デュアルSIMの利用/認知状況

調査概要

  • 調査名:2022年通信障害に関する意識調査
  • 調査期間:2022年10月18日~10月25日
  • 有効回答:【予備調査】6,424人(人口構成比に合わせて回収)、【本調査】660人
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:【予備調査】15歳~69歳の男女、【本調査】通信障害によって影響を受けたことがあるスマートフォン利用者
  • 設問数 :【予備調査】5問、【本調査】3問