信託協会は11月15日、「結婚・子育て支援信託に関する受益者向けアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2022年8月2~15日、調査対象は子供のいる40~89歳の個人、有効回答は2,170人。
「結婚・子育て支援信託」、認知率19%にとどまる
子供への経済的援助経験がある人は全体の48%。内容は、「保険・医療費」が12.9%と最も多く、次いで「レジャー費」が10.8%、「結婚に関連する費用」が10.1%となった。
子供1人あたりへの援助額を調べると、「200万円~500万円未満」が26.1%、「500万円以上」が25.1%、「100万円~200万円未満」が21.4%と続き、「100万円以上」が計72.1%を占めた。
子供の結婚時援助内容について詳細をみると、「婚礼費用」が80.7%と突出し、援助のタイミングでは「結婚式日程が決まった頃」(38.3%)と「結婚式を挙げた頃」(37.1%)が上位に入った。
一方、子供の出産時援助内容については、「出産・子育て関係(出産のための費用)」(43.3%)や「出産・子育て関係(幼稚園・保育園・ベビーシッター等費用)」(28.9%)が多く、タイミングでは「出産後」(42.9%)が最多となった。
子供や孫に1,000万円まで贈与税非課税で援助できる「結婚・子育て支援信託」の認知率は19%。年代別では、40~50代は1割~1割半ばにとどまり、70~80代は2割半ばとなった。
同制度の利用経験を聞くと、制度の詳細を知っている人では1割半ばの14.4%が「利用経験がある」と回答した。
同制度の平均利用額は472万円、中央値は300万円。利用理由については、1位「複雑な都度の贈与をせずに、一括贈与ができるから」(50.1%)、2位「子供、もしくは孫の結婚・妊娠・出産・子育てに寄与するから」(39.3%)、3位「非課税措置の適用期限が間近になり、廃止の可能性があると思ったから」(20.2%)となった。