帝国データバンクは11月15日、「コストの高騰による企業への影響」に関する調査結果を発表した。同調査は11月4日~9日、1,452社を対象に、インターネットで実施した。
さまざまなコストの高騰を受け、主要な事業についてどのような状況か尋ねたところ、33.4%が「影響はあるが、現時点では余裕がある」と回答した。しかし、54.3%は内部留保の取り崩しやコストの削減などで対応し、「厳しいが事業の継続は可能」と答えている。
6.5%は「すでに限界」と答えている。その内訳をみると、「すでに限界のため、別の仕入先を検討中」(2.5%)、「すでに限界のため、主力部門以外の強化・主力部門の縮小/撤退、または業態転換を検討中」(1.5%)のように、対策を打とうとしている企業もみられたが、2.5%の企業が「すでに限界であり、企業の存続危機に陥っている」と答えた。
「すでに限界」の企業を規模別にみると、「大企業」では2.1%と全体(6.5%)を4.4ポイント下回った。しかし、「中小企業」では7.2%、うち「小規模企業」は11.4%となり、企業規模が小さいほどすでに限界に達した企業の割合が高まっていることがわかった。
企業からは、「弱小企業においては価格転嫁も思うようにいかないなか、国からも賃金アップの要請があり、苦しい状況である」(塗料製造)といった声があがっている。
「すでに限界」とした主な業種別をみると、「建材・家具、窯業・土石製品製造」が12.5%と全体(6.5%)を6.0ポイント上回った。「化学品製造」は12.2%、「不動産」および「飲食料品・飼料製造」はいずれも9.4%だった。
「すでに限界」と「厳しいが事業の継続は可能」を合計すると、「飲食料品・飼料製造」(81.1%)は8割を超え、多くの企業で厳しい状況であることがわかった。「建材・家具、窯業・土石製品製造」(78.1%)も8割近くに及び、企業からは「すでに限界に達しているが、価格転嫁できるよう努めている」(乳製品製造)といった声もあった。