大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は16日、車いす利用者を対象に、御堂筋線長居駅で顔認証改札機の実証実験を12月1日から実施すると発表した。

  • 御堂筋線長居駅に設置予定の幅広型顔認証改札機(イメージ)

顔認証改札機の実証実験は、これまで同社社員を対象に行ってきた。今回は車いす利用者の顔の高さで顔認証精度を検証するため、近隣に障がい者向けスポーツ施設がある御堂筋線長居駅の北改札口に幅広型の顔認証改札機を新たに設置し、ミライロによる協力の下、募集した車いす利用者にモニターとして顔認証改札機を利用してもらう。

実証実験では、顔認証改札機の本体に付属した顔認証用カメラの他に、顔認証改札機の利用状況を俯瞰的に記録するカメラを設置する。顔認証用カメラは、顔認証改札機を利用する対象者の顔を検知・認識した時点で特徴点データに変換し、認証サーバとの照合確認に使用。俯瞰撮影用カメラは顔認証改札機の上部に設置し、顔認証改札機を利用する対象者の歩行スピードや動向を録画し、認証精度向上の検証と分析に使用する。

  • 俯瞰撮影用カメラ撮影範囲

  • システムネットワーク概要図

12月1日から実証実験を開始し、実施期間は2023年2月17日まで。実施期間の終了後も、同社社員を対象とした実証実験は引き続き実施する。大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は、2024年度中に全駅で顔認証によるチケットレス改札の導入をめざし、実用化に向けた課題抽出や検討基礎データの取得を行うとしている。