MM総研は11月15日、2022年度上期(4月〜9月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。

  • 左:22年度上期の国内携帯電話総出荷台数、右:22年度通期スマートフォン出荷予測(出典:MM総研)

携帯電話端末の総出荷台数は前年度上期を下回り、1,475.3万台(前年度同期比8.5%減)と、2000年度以降の上期出荷統計としては3番目に少ない台数となった。

内訳はスマートフォンが1,395.1万台(5.2%減)、フィーチャーフォンは80.2万台(42.3%減)となった。

5Gスマートフォンは1,346.3万台(73.8%増)、スマートフォン出荷に占める5G対応比率は96.5%。フィーチャーフォンはauの3Gサービスが2022年3月末に終了したため、前年度の4G対応フィーチャーフォンへの買い替え特需がなくなった影響で減少傾向に拍車がかかり、過去最低を更新した。

また、2022年度上期のメーカー別総出荷台数シェア1位はアップルで、上期実績としては11期連続で1位を獲得。総出荷台数は 606.6万台(前年度同期比 8.5%減)でシェアは41.1%(増減なし)。スマートフォン のみの出荷台数シェアではシェア43.5%(1.5ポイント減)となった。

上期出荷台数が減少した要因について、MM総研は2021年度の過熱したiPhone値引き販売の反動で、値上げの影響は小さいと分析。値上げによるユーザーの反応は下期になると想定される。

総出荷台数シェア2位はシャープで190.7万台(6.0%増)/シェア12.9%(1.7ポイント増)。3位はFCNTで179.9万台(66.3%増)/シェア12.2%(5.5ポイント増)、4位はソニーで156.1万台(0.6% 減)/シェア10.6%(0.9ポイント増)、5位はサムスン電子で123.1万台(17.2%減)/シェア8.3%(0.9ポイント減)、6位は京セラで73.2万台(56.3%減)/シェア5.0%(5.4ポイント減)となり、上位6メーカーで約90%を占める。

2021年度上期では3位にランクインしていた京セラは今回6位。KDDI向けフィーチャーフォン需要が減少した影響で台数・シェアが減少した。

  • 左:2022年度上期メーカー別 総出荷台数シェア、右:2022年度上期メーカー別 スマートフォン出荷台数シェア(出典:MM総研)

スマートフォン出荷台数2位はシャープで172.4万台(12.1%増)/シェア 12.4%(2ポイント増)、3位はソニーで156.1万台(0.6%減)/シェア11.2%(0.5ポイント増)、4位はFCNTで143.3万台(63.6%増)/シェア10.3%(4.4ポイント増)、5位はサムスン電子で123.1万台(17.2%減)/シェア8.8%(1.3ポイント減)となり、上位5メーカーで約86%を占める。

キャリア別では、ドコモが580.4万台(シェア41.6%)、KDDIが319.7万台(22.9%)、ソフトバンクが 323.3万台(23.2%)、楽天モバイルが53.6万台(3.8%)、4社合計で91.5%を占めた。オープン市場(MVNO、家電量販店・ECサイト・メーカー直販で販売されるSIMフリースマートフォン)は118.1万台(前年度同期比22.1%増9でシェア8.5%(1.6 ポイント増)に拡大した。

  • 左:2022 年度上期携帯キャリア別 スマートフォン出荷台数シェア、右:2022 年度上期オープン市場スマートフォン出荷台数シェア(出典:MM総研)

オープン市場に限定すると、同市場でもアップルが68.5万台(シェア58.0%)でトップ。楽天モバイルやMVNOサービスなどとの親和性が高く、同市場におけるiPhone販売は今後も増えていくとMM総研はみている。2位はシャオミで17万台(14.4%)、3位はオッポブランドを展開するオウガとシャープが同率で9.9万台(8.4%)、5位はモトローラで5.7万台(4.8%)の順となった。

2022年度通期の総出荷台数は3,041万台(17%減)で、そのうちスマートフォン出荷台数は2,888万台と前年度比14.7%減を見込む。また、5Gスマートフォンの出荷台数は2022年度通期で2,808万台、スマートフォン出荷に占める比率は97.2%とMM総研は予測した。

前回予測時(2022年5月)の3,247万台から大幅に下方修正したが、その要因として、上期スマートフォン出荷台数が販売状況に反して減少しておらず、携帯キャリアの在庫が増加していること、加えて円安や物価上昇の影響で携帯電話サービスへの支出を抑える傾向が顕著になると予測するためとしている。

  • 国内携帯電話端末の出荷台数予測(出典:MM総研)