米Mozillaは、10月15日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 107」をリリースした。

Firefox 106から4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 106では、2022年10月22日にマイナーバージョンアップの106.0.1、2022年10月26日にマイナーバージョンアップの106.0.2、2022年10月31日にマイナーバージョンアップの106.0.3、2022年11月3日にマイナーバージョンアップの106.0.4、2022年11月4日にマイナーバージョンアップの106.0.5がリリースされている。106.0.1では、以下の修正が行われた。

  • AMDの第1世代Zenアーキテクチャーのプロセッサー環境でクラッシュが頻発する問題に対処

106.0.2では、以下の修正が行われた。

  • フォームが欠落した一部のPDFでのコンテンツの修正
  • Proxmox Web UI などの一部のサイトでアクセシビリティを有効にすると、ブラウザがフリーズする問題の修正
  • ページのリロードしてもFirefox Viewが機能せず、同期すべきデータが更新されない問題の修正
  • Windows StoreからFirefoxをインストールした場合にブラウザが開かない問題の修正

106.0.3では、以下の修正が行われた。

  • Windowsの一部の環境でのスタートアップ時にクラッシュする問題の修正
  • Windows 11 22H2の新機能であるSuggested Actions機能との非互換性が修正され、Webページ上のテキストをコピーするときにハングする問題の修正

106.0.4では、以下の修正が行われた。

  • DRM(デジタル著作権管理)ビデオの再生に関する問題の修正
  • データタイプを変更すると日時入力などの表示やレイアウトが崩れる問題の修正
  • Direct3Dデバイスのリセット時にFirefoxがハングアップする問題の修正

106.0.5では、以下の修正が行われた。

  • Intel製のGemini Lake CPUを使用している環境でクラッシュする問題の対処

バージョン106においては、頻回にマイナーバージョンアップが行われた。いずれも起動に関するもので、必須であったのだろう。いずれのマイナーバージョンアップでも。セキュリティアップデートは行われなかった。したがって、今回は、106.0.5からのアップデートとなる。

Firefox 107のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

  • 「Firefox 107」を試す - Windows版でパフォーマンスの改善などが行われる

図1 Firefox 107へのアップデート

アップデート後のFirefox 107は、図2のようになる。

図2 バージョン107にアップデート直後のFirefox

新規に、Firefox 107をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

図3 Firefoxのダウンロードページ

[今すぐダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

図4 Firefox 107のインストール

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。

Firefox 107の新機能

続いて、新機能であるが、以下のとおりである。

  • Microsoft IMEとDefenderがWindows 11バージョン22H2でフォーカスされたドキュメントのURLを取得するときのインスタンスのパフォーマンスの改善
  • Webブラウザーで記録されたパフォーマンスデータを視覚化する電力プロファイリング機能が、Windows 11とApple Silicon以外にも、Intel CPUを搭載したLinuxとMacでもサポート

セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で19件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が8件、4段階で上から3番目の「Moderate」が9件、もっとも低い「Low」が2件となっている。

「High」では、

  • Service Workerで、クロスオリジンメディアファイルのサイズを取得した危険性の修正
  • 全画面通知におけるバイパス問題
  • InputStreamの実装でのメモリ解放後使用
  • JavaScriptレルムでのメモリ解放後使用
  • ワーカーでのフォントの読み込みがスレッドセーフではなかった問題
  • windowNameにおけるフルスクリーン通知のバイパス問題
  • ガベージコレクションでの解放後使用
  • Firefox 107、Firefox ESR 102.5で修正されたメモリ安全性の問題

などが対応された。新機能については、それほど目新しいアップデートはなかったが、セキュリティアップデートが数が多い。早めのアップデートをすべきであろう。