ニキビ跡がいつまでも治らないとお悩みの方は、自分に合ったケアができていないのかもしれません。一言でニキビ跡といっても、タイプによって原因が異なり、対処法も変わってきます。
今回はニキビ跡の種類や原因、それぞれのケア方法と併せて、今すぐニキビ跡を目立たなくしたいときのメイクテクニックをご紹介します。
メイクでカバーしながら日々のケアに力を入れて、少しずつ均一な肌を目指しましょう
ニキビ跡の種類
まずは自分に合ったケア方法を見つけるために、ニキビ跡の種類を見ていきましょう。 今回は特にお悩みの方が多い、赤みタイプ、色素沈着タイプ、クレータータイプを解説していきます。
赤みタイプ
ニキビが治っても、赤みが消えずに残ってしまうのが赤みタイプです。一見、ニキビの炎症と見間違えてしまうことも。
いつまで経ってもニキビが治らないと思っている方は、そのニキビはニキビ跡の可能性があります。 赤紫のような跡も炎症の度合いの違いによるもので、このタイプに分類されます。
赤みが残る原因は、ニキビがあった部分の毛細血管が透けて見えるためです。ニキビができると、炎症を鎮めて傷を修復しようと毛細血管が拡張します。傷が治れば拡張した毛細血管も、少しずつ縮小していくのが通常です。
しかし炎症が長く続いたり、繰り返したりすることで、縮小に時間がかかることがあります。これが透けて見えるのが、赤みタイプのニキビ跡です。
色素沈着タイプ
ニキビがあった場所に、茶色や黒い跡が残るのが色素沈着タイプです。色素沈着タイプの跡が残る仕組みは、紫外線でシミができるプロセスと似ています。
ニキビができて炎症が起こったとき、活性酸素が発生します。この活性酸素は炎症を抑える働きをしますが、同時にシミのもとであるメラニン色素を作るメラノサイトを刺激してしまうのです。こうすることでニキビが治ったあともメラニンが残って、茶色や黒っぽい跡が残ってしまいます。
通常、表皮はターンオーバーによって細胞が生まれ変わります。メラニンを含んだ細胞も、ターンオーバーのおかげで自然と薄くなっていく仕組みです。
しかし、ターンオーバーが遅れたり、メラニンが過剰に放出されたりするとスムーズに排出されなくなってしまいます。こうなるとメラニンが色素沈着してしまい、自宅でのケアは効果が見られない場合があります。
クレータータイプ
ニキビが治ったあと、肌が窪んで跡が残ってしまうのがクレータータイプです。
クレーターは、ニキビの炎症が悪化し、表皮の下にある真皮層までダメージを受けてしまったことが原因で起こります。強い炎症以外にも、ニキビを自分で潰してしまってできることも。
一言でクレータータイプといっても形状や深さは異なるので、それぞれの特徴を見てみましょう。
アイスピック型 | 入り口は小さく、奥行きが深い |
ローリング型 | 楕円に近い、なだらかで大きな窪み |
ボックス型 | 輪郭がはっきりしていて、サイズはさまざま |
炎症の深さとクレーターの深さは比例します。 クレータータイプのニキビ跡を防ぐには、ニキビの炎症を悪化させないことが大切です。
タイプ別ニキビ跡のケア方法
ニキビ跡の種類でご紹介した通り、ニキビは炎症を起こすことで跡が残る可能性が高くなります。白ニキビや黒ニキビのように、毛穴に詰まっているだけで炎症が起きていない場合は、ニキビ跡が残りません。
ニキビ跡を残さないためには、強い炎症を引き起こさないことがポイントになります。 小さなニキビの段階で、皮膚科での適切な処置を受ければ、跡は目立たないことがほとんどです。
毛穴の詰まりから発展し、赤ニキビや黄ニキビにならないよう、普段から肌をチェックしておきましょう。
それでも今できているニキビ跡が気になるという方のために、ここではタイプ別におすすめのケア方法をご紹介します。 時間をかけて向き合うことで、ニキビ跡の目立たない肌を手に入れましょう。
赤みタイプは炎症を鎮めるケア
ニキビの炎症が続いて毛細血管が拡張している赤みタイプ。セルフケアでは、毛細血管を収縮させるために肌の炎症を抑えましょう。抗炎症成分の入ったスキンケアを使用し、肌のダメージを増やさないよう保湿を心がけたケアがおすすめです。
市販のスキンケアでよく使われている抗炎症成分は、アラントイン、グリチルリチン酸2Kなどがあります。
摩擦も炎症の原因となるので、お手入れの際は手のひらで顔を包み込むようにやさしくなじませましょう。
赤みタイプのニキビ跡は、数ヶ月の時間をかけてターンオーバーとともに、ゆっくり目立たなくなっていきます。半年以上経ってもなくならない場合は、ニキビのダメージによって皮膚が薄くなっていることも。その際は自宅でのケアだけでなく、レーザー治療の併用がおすすめです。
色素沈着タイプはメラニンを抑えるケア
ニキビの炎症により茶色や黒い跡が残っている場合は、メラニン色素を抑えるケアがおすすめです。メラニン色素の発生を抑え、ターンオーバーで自然に排出するのを待つことで、ニキビ跡を少しずつ目立たなくしていきます。
医薬部外品の有効成分として認められており、よく使われている成分は以下のようなものがあります。
ビタミンC | メラニン生成を抑制、ターンオーバーを促す |
トラネキサム酸 | メラニン生成を抑制、肌荒れを防ぐ |
アルブチン | メラニン生成を抑制、抗酸化作用 |
色素沈着タイプも赤みタイプ同様、数ヶ月の時間をかけて目立たなくなっていくニキビ跡です。ケアをしながら様子を見ても改善されないようであれば、レーザー治療も視野に入れましょう。真皮にまでメラニンが色素沈着していると、自宅でのケアだけで改善は難しい場合があります。
クレータータイプは外と中からアプローチ
クレータータイプは、強い炎症によって肌の深くにダメージを負っているため、クリニックでのケアがおすすめです。費用はかかりますが、自由診療の美容クリニックであれば治療の幅も広く、自分の肌状態に合わせた施術が受けられます。
また、クリニックでのケアに併せて、肌が持っている機能を高める工夫をしていきましょう。食事や運動などの生活習慣、正しいスキンケアは肌の代謝を高めます。
せっかくケアをしていても繰り返しニキビができていると、新しいニキビ跡が増えて治療が長引きかねません。ニキビを増やないよう、肌の機能を高めることで、クリニックでの治療効果も実感しやすくなります。
治らないニキビ跡をカバーするメイクテクニック
ケアを続けていても、お出かけやイベントなどの特別な日には、ニキビ跡を今すぐ目立たなくしたいですよね。そんなときはベースメイクにコンシーラーを取り入れましょう。
コンシーラーはピンポイントで肌トラブルをカバーできるので、ニキビ跡を瞬時に目立たなくします。
また、ベースメイクの質感によっては、ニキビ跡を悪目立ちさせてしまうことがあります。綺麗な肌に仕上げるために、ベースメイクの選び方や使い方をマスターしましょう。
綿棒を使ってピンポイントでカバー
コンシーラーを使いこなせない方に多いのが、ぼかしすぎて色が消えてしまう、なじまなくて悪目立ちしてしまう、というお悩みです。これらはコンシーラーを触りすぎたり、境目を綺麗にぼかせていなかったりすることが原因で起こります。
ニキビ跡のように小さな点をカバーするには、指やブラシだとなじませづらい場合があります。そんなときは綿棒を活用してみましょう。綿棒を使うとピンポイントで色をのせやすく、境目もぼかしやすくなります。
まずはテーブルなどの硬くて平らな場所にティッシュを敷きます。そのティッシュの上に綿棒を垂直に当て、押しつぶして先端を平らにして使いやすくしましょう。
手の甲にコンシーラーを出したら、平らにした綿棒に少量とります。気になるニキビ跡にスタンプを押すように、綿棒のコンシーラーをトントンのせていきます。
このとき、ニキビ跡より少し大きめに塗るのがポイントです。すぐになじませず、1分ほど時間をおくと、コンシーラーが乾いて肌にフィットします。ここで綿棒の反対側を使い、コンシーラーの境目を外側に広げるように軽く叩きましょう。
この工程をお好みのカバー力が出るまで繰り返すと、コンシーラーが自然になじんで綺麗なベースメイクに仕上がります。
ベースメイクはマットに仕上げる
ニキビ跡の凹凸が気になる方は、ベースメイクをマットからセミマットな質感に仕上げましょう。
下地やファンデーションに限らず、フェイスパウダーやチークにもパールが含まれている商品が数多く販売されています。肌にツヤを与えてくれるので、愛用されている方も多いのではないでしょうか。
パール自体は肌を艶やかに見せてくれますが、ニキビ跡の凹凸をかえって悪目立ちさせてしまうこともあります。通常パールは当たった光を反射させることでツヤを演出します。 しかし、毛穴やニキビ跡のような小さな窪みにはパールがのりづらく、その部分だけ光が反射しません。周辺の肌が光っているのに窪み部分だけ光らないことで、ニキビ跡を目立たせてしまうことがあるのです。
なんとなくメイクをするとニキビ跡が目立ってしまうと感じている方は、手持ちのアイテムにパールが入っているか確認してみましょう。チークやハイライトは特にパール感が強いので、塗る場所を変えてみたり、マットなアイテムに切り替えてみたりするのがおすすめです。
ツヤ肌に仕上げたい場合は、目頭や唇の山など、ピンポイントでツヤを出すメイクを試してみましょう。
繰り返すニキビの発生を防ぐには?
新しいニキビが次から次へと出てくると、せっかくのケアもキリがなくなってしまいます。ニキビ跡に合ったケアも重要ですが、新しいニキビができないよう、肌の状態を整えることも重要です。
ここではニキビができる原因とケア方法を見ていきましょう。
ニキビは毛穴が詰まることから始まる
ニキビができてしまうのは、なんらかの原因によって毛穴が塞がってしまうからです。 毛穴を塞いでいるのは、角質・皮脂・メイク汚れが主なので、これらを詰まらせないようにしましょう。
メイク汚れが原因の場合は、クレンジングや洗顔方法を見直し、落としやすいベースメイクを使用するのが良いでしょう。角質や皮脂が詰まっている場合は、生活習慣に根本的な原因が潜んでいることも。
乾燥やホルモンバランス、紫外線など、肌のサイクルを乱してしまう要因は生活の中にたくさんあります。
丁寧なスキンケア
肌の乾燥は、ターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌の原因になります。不要な角質が毛穴に詰まるのは、このターンオーバーの乱れが大きく関わっています。
また、スキンケアをすると毛穴が詰まってしまいそうで、保湿を避けていませんか?
肌は乾燥を感じると皮脂をたくさん分泌して、水分を保とうとします。スキンケアでしっかり水分と油分を与えることは、不要な皮脂の分泌を抑えることに繋がるのです。
まずはスキンケアが肌に合っているか、見直してみましょう。
洗顔後の乾燥がひどい場合は、クレンジングや洗顔料の洗浄力が強すぎる可能性があります。ニキビができやすいからといって、必ずしもしっかり皮脂を落とすことで改善が見込めるというわけではありません。
オイルクレンジングで乾燥してしまう方は、油脂メインのものに切り替えたり、ミルククレンジングに変更したりするのがおすすめです。洗浄力を下げたことでメイクがきちんと落ちていないと感じるときは、ベースメイク自体を落ちやすいものにするのも良いでしょう。
また、ニキビができやすい方は、保湿ケアを化粧水だけで済ませてしまう方も多いです。乾燥が起きている肌は、化粧水をつけただけでは時間とともに更に乾いてしまう場合があります。
洗顔後のケアは、化粧水のあとに乳液やクリームを使用しましょう。油分でニキビが悪化してしまう方は、ジェルや美容液など、油分が控えめなものの方が肌に合うこともあります。
十分な運動と睡眠
運動や睡眠はホルモンバランスと深い関わりがあります。ホルモンは肌にさまざまな影響を与えるので、バランスを乱さないことは美肌への第一歩となるのです。
しかしホルモンバランスは、ストレスや生活習慣によって簡単に乱れてしまいます。日頃から規則正しい生活を意識して、バランスを整えるよう心がけましょう。
ホルモンバランスは自律神経と干渉しあっています。そのため、自律神経の調整効果がある運動は、ホルモンバランスを整えるのに効果的な習慣です。体を動かすことによる血行促進効果は、ターンオーバーに欠かせない栄養を肌に届けます。時間があるときに歩く、階段を使うなど、いつもの生活に少しずつ運動を取り入れましょう。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンも、美肌にとって重要な働きをします。成長ホルモンは代謝を助ける働きをするので、ターンオーバーはもちろん、細胞のダメージを修復できます。
たっぷり眠ることも大事ですが、睡眠の質を高めることも重要なポイント。 朝目覚めたら日光を浴びる、寝る前のスマホは控えるなど、脳が眠りのスイッチを入れられる環境を整えましょう。
食生活の見直し
栄養バランスに気をつけて、肌に必要な栄養を届けましょう。 外食や出来合いの食事は便利ですが、気をつけないと栄養素が偏ってしまうことがあります。
一方で、美肌のために自炊したいけど、時間がないという方も多いですよね。そんな忙しい方でも、栄養素を気にしながら食べるものを選ぶだけで、バランスのとれた食生活に整えることができます。
例えばコンビニで購入するときも、主食、主菜、副菜を意識するとバランスの良い食事が用意できます。
主食 | 米、パン、麺などの炭水化物 |
主菜 | 肉、魚、大豆、卵などのタンパク質 |
副菜 | 野菜、海藻などの食物繊維やビタミン、ミネラル |
毎日決まったメニューを選ぶのではなく、日によって食べるものを変えることが、よりバランス良く栄養を摂るコツです。また、偏ってしまった日があっても、翌日に調整すれば問題ありません。
ストレスを溜めずに継続していけるよう、少しずつ意識していきましょう。
紫外線対策はしっかりと
夏に日焼けを気にして日焼け止めを塗る方は多いですが、紫外線は一年中降り注いでいます。 スキンケアの最後には必ず日焼け止めを使用し、紫外線対策をしておきましょう。
紫外線の影響は日焼けだけでなく、コラーゲンにダメージを与えてたるみやシワを作ります。 また、肌の炎症を引き起こすことで、ニキビ跡の原因になることもあります。 スキンケアと日焼け止めはセットと考えて、メイクをしない日でも日焼け止めを塗りましょう。
治らないニキビ跡は長い目で見てケアしよう!
今回はニキビ跡のタイプ別ケア方法をご紹介しました。 内容をまとめながら振り返りましょう。
- ニキビ跡はタイプによって原因とケア方法が異なる
- ニキビ跡を作らないためには、ニキビができたときは皮膚科を受診する
- ニキビを増やさないためには、スキンケアと生活習慣を見直す
- ベースメイクはコンシーラーを取り入れてマット仕上げに
まずはニキビを増やさないこと、できてしまった場合はニキビ跡になる前に対処することが重要です。ニキビができたら皮膚科で正しい処置を受けましょう。
それでもニキビ跡になってしまったという方や、今あるニキビ跡をなんとかしたいという方は、ニキビ跡のタイプに合ったケアを取り入れましょう。
赤み、色素沈着、クレータータイプによって、適したケアは異なります。自宅のケアで変化が見られないときは、美容医療の力を借りてみるのもひとつの方法です。
毎日のメイクはセミマット~マットに仕上げることで、肌の凹凸が悪目立ちしません。 コンシーラーを使えば色ムラもカバーできるので、コツを掴んでメイクに取り入れてみてくださいね。