世界中で目にする、あの「M」のロゴ。

マクドナルドといえば赤と黄色の看板でおなじみですが、世界にはおなじみのデザインとはかけ離れたマックの看板が存在します。今回Twitterで注目を集めたのは、オーストリアにある“エレガントすぎるマックの看板”でした。

  • (@harubobo_nikkiより引用)

オーストリア・ザルツブルクでみつけたマックの看板

これほどまでにエレガントな「マックの看板」が、ほかにあるだろうか…
(@harubobo_nikkiより引用)

凝った装飾とユーモラスな表情のライオンが印象的な鉄細工の看板。これがマックの看板なのです。

くちばしがくわえているリースの中央には、見慣れた「M」のマークが燦然と輝いています。おなじみのマークですが、ここではいつもの派手な黄色ではなく、格調高いゴールドになっていますね。

ファストフードというよりは、まるでミシュラン星付きの高級レストランのよう。見れば見るほど芸術的でうっとりとしてしまいます……。

この投稿に対しリプライでは、「世界一美しいですね」「芸術」「ギルドに加盟している感がスゴい」といった称賛の声が寄せられました。

なぜマックの看板がこんなデザインに?

今回ツイートで注目を集めた“エレガントすぎるマックの看板”。見慣れたマックの看板とはあまりにもかけ離れていますが、いったいどうしてこんなデザインになったのでしょうか。

この看板があるのは、オーストリア東部の町・ザルツブルクにある歩行者専用通り「ゲトライデガッセ(Getreidegasse)」。世界遺産にも登録されている旧市街の一角にあります。

この通りはザルツブルク歴史的市街地保全法による景観保護の対象となっていることから、マクドナルドのような世界的チェーンでも、看板を出す際は市の許可が必要になります。原色の派手な看板やネオン看板は掲げることができないため、通りにある看板は伝統的な鉄細工で統一されているのです。

ゲトライデガッセの鉄細工の看板は、もともと中世の時代、文字が読めない人もひと目でどんな店かがわかるようにデザインされたのがはじまりだといわれています。

ほかにも素敵な看板がたくさん

「ザルツブルクで最も有名な通り」といっても過言ではないゲトライデガッセには、ほかにも素敵な看板がたくさん。

レストランに

鍵屋さん、

スーツケースで有名な「RIMOWA」もあります。

個人経営の店はもちろん、世界的チェーンやブランドであっても、ゲトライデガッセでは過剰に自社のブランドカラーやロゴを主張することなく、周囲の景観に溶け込んでいるのです。

世界遺産の町・ザルツブルクってどんなところ?

ザルツブルクはオーストリアでも屈指の観光都市。かのモーツァルトが生まれた「音楽の都」として知られ、名作ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』のロケ地としても親しまれています。

淡いパステルカラーの建物が並ぶ美しい町並みには、音楽ファンならずとも心躍ること請け合い。堅固なホーエンザルツブルク城塞や心洗われる大聖堂など、格調高い町並みに多くのの見どころが詰まっています。

あのマックの看板でさえ芸術品にしてしまうザルツブルク。この町を訪れたら、きっと「景観」へのこだわりや誇りを感じずにはいられません。