ファーウェイ・ジャパンの新型スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3 SE」が登場しました。大型ディスプレイと軽量ボディで、使いやすさを高めたスマートウォッチとなっています。今回、製品を試用する機会を得たのでファーストインプレッションをお届けします。
約27,280円、カジュアルに使える大画面スマートウォッチ
HUAWEI WATCH GT 3 SEは、同社のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3」シリーズのスタンダードモデルです。上位モデルのHUAWEI WATCH GT 3 Proや無印のHUAWEI WATCH GT 3もありますが、機能を押さえて価格を下げたモデルとなります。
HUAWEI WATCH GT 3シリーズ | ||
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HUAWEI WATCH GT 3 Pro | ダイビング機能を備えた本格アウトドア向けスマートウォッチ(47,080円~76,780円) | |
HUAWEI WATCH GT 3 | ワークアウトや健康管理機能が強化されたスマートウォッチ(30,580円~33,880円) | |
【New】HUAWEI WATCH GT 3 SE | 機能と価格を抑えたカジュアル利用できるスマートウォッチ(27,280円) |
そのため、他のモデルに対する新機能としては特にありませんが、よりカジュアルな利用に最適なモデルとなっています。ビジネス向けラインナップとして「カジュアルビジネス」という位置づけですが、デザイン性と標準のバンドを考えると、スポーツ、アウトドアシーンでより安心して使えるモデルと感じました。
特に今回、試用機のカラーが「ワイルドネスグリーン」だったので余計にそう感じました。カラーバリエーションはもう1つ「グラファイトブラック」があり、こちらはビジネス色をもう少し強く感じさせます。
ディスプレイは1.43型AMOLEDで466×466と大型高解像度。フラットなケースに秒数が表記された固定ベゼルを配置し、重さはWATCH GT 3 Proの54gに対して35.6gと軽量化しました。ケースの高級感は落ちますが、スポーティな印象が強まっています。価格も27,280円前後と手ごろ感が増しているのがメリットです。
アウトドア向け設計、バッテリーは最大14日間
厚みは11mmで、WATCH GT 3 Proの10.9mmとほぼ同等。邪魔にならないレベルの薄さに収まっています。軽量さと合わさって、装着していても違和感は少なく、長時間の装着でも苦にならない印象です。私は時計の装着にもともと違和感がない人間ですが、それにしても軽いので気になりません。
それでいながら、5ATMの防水機能を備えているので水泳時にも利用可能。加えて、WATCH GT 3シリーズで共通した14日間というロングバッテリーライフも健在です。24時間電源オン、心拍数モニタリング、睡眠計測のTruSleep有効、毎週平均90分間のワークアウト(GPS使用)など、実利用を考慮した計測で14日間ということで、実際に使っていても十分な持続時間です。
WATCH GT 3シリーズのバッテリー持ちは、他の機種でもすでに実績があるので、WATCH GT 3 SEでも間違いないでしょう。やはり毎日充電する手間がないだけで利便性は向上します。充電が一般的なQi充電をサポートする点も嬉しいところ。
ちなみに、最近登場したPixel Watchもワイヤレス充電ですが、こちらはマグネットの極がApple WatchやWATCH GT 3 SEと異なっているようで、Pixel Watch用の充電器にWATCH GT 3 SEを近づけても反発してしまいました(強引に近づけたら充電自体はできるようでした)。
スマートフォンと接触させてワイヤレス充電を行う、リバース充電などの機能でも充電できます。未検証ですが、恐らくWATCH GT 3 SEはApple Watch用ワイヤレス充電気でも充電できそうです。
血中酸素レベル、ストレス、心拍数、睡眠計測などが可能
側面にはリューズとボタンの2つを搭載。リューズを押し込むと画面オンやアプリ一覧の表示、下ボタンではワークアウトアプリの起動。下ボタンはカスタマイズで任意のアプリを設定できます。
リューズは回転もするのですが、手元では回転に特に機能が割り当てられず、スクロールなどの操作もできませんでした。
裏面にはセンサーを搭載。血中酸素レベル、ストレス、心拍数、睡眠といった健康管理に役立つ測定が可能です。睡眠モニタリングのHUAWEI TruSleepはスマホアプリと連動して詳細な睡眠分析をしてくれます。バッテリーの持ちがいいのと軽量なので、睡眠時に装着しっぱなしでも安心して利用できます。
アプリ連携で睡眠時の寝言やいびきを記録
さらに、寝るときにスマホも枕元に置いて「HUAWEIヘルスケア」アプリを使うと、睡眠時の寝言やいびきを録音してくれる機能もあります。録音された寝言、いびきを聞き返せるので、自分の睡眠の様子を確認できます。
自分の録音を聞き返してみると、少し大きめな寝息をいびきとして、咳き込んでいたのを寝言として記録していたようで、あまりひどい状況ではなかったので少し安心しました。
ワークアウトの対応は幅広く、100種類以上のモードを内蔵しているそうです。ランニング、ウォーキング、サイクリング、トライアスロン、縄跳びなど。スキーやスノボ、クロスカントリーなどのウィンタースポーツもサポートし、滑走ルート、滑走回数、滑走距離、最大速度、最大勾配など、ワークアウトに応じた内容を記録してくれるようです。
衛星測位はシングルバンドながら精度を改善
シングルバンドながら高精度な衛星測位が可能ということで、屋外測位の精度と安定性を改善しているそうです。GPSでランニングやハイキングのルートを記録し、来た道を戻れるルートバック機能も搭載。GPS信号が弱いとユーザーに通知する失踪アラートも搭載しています。ワークアウトをリアルタイムで共有することもできるそうです。
TruSportによるランニングに特化した分析機能、アプリにおけるAIランニングコーチ機能などもあるようで、興味のある人には良さそうです。何しろバッテリーの持ちがいいので、ワークアウトのたびに充電するといったこともありません。
1時間ごとの天気、週間天気、紫外線情報、日の出日の入り、潮汐、月相までも分かる天気情報も魅力。気圧計も搭載しています。他に、Bluetooth通話にも対応し、接続したスマートフォンの着信を時計側で対応することが可能です。
ワークアウト重視、基本機能を備えたスマートウォッチ
最大の難点は、やはりアプリのラインナップでしょう。GoogleのWear OS搭載スマートウォッチもアプリは決して多くはないのですが、HuaweiのApp Galleryはやはりアプリが少なく、標準アプリ以外だとなかなか拡張しづらいのが課題です。
個人的にはGoogleマップ、カレンダー、メール、LINEなど、生活に使うアプリがあるといいのですが、通知とそれに対する返信はできるものの、過去のメッセージを遡るといったことはできません。スマートウォッチとしては大画面で使い勝手が良さそうですが、まだ活かしにくい点が残念なところ。
個人的にはGoogle Fitとの連携機能や決済機能も欲しかったところですが、アプリを含めて現状ではいろいろと難しいところでしょう。基本的なスペックとしては問題なく、特にワークアウトを重視したい人にとっては、長時間バッテリーを含めてメリットが高い製品です。