ファーウェイ・ジャパンの新型スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3 SE」が登場しました。大型ディスプレイと軽量ボディで、使いやすさを高めたスマートウォッチとなっています。今回、製品を試用する機会を得たのでファーストインプレッションをお届けします。

  • 新型スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3 SE」。11月18日に発売し、価格はオープン。想定売価は27,280円前後

約27,280円、カジュアルに使える大画面スマートウォッチ

HUAWEI WATCH GT 3 SEは、同社のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3」シリーズのスタンダードモデルです。上位モデルのHUAWEI WATCH GT 3 Proや無印のHUAWEI WATCH GT 3もありますが、機能を押さえて価格を下げたモデルとなります。

  • 普通の時計にも見えるデザイン

HUAWEI WATCH GT 3シリーズ
HUAWEI WATCH GT 3 Pro ダイビング機能を備えた本格アウトドア向けスマートウォッチ(47,080円~76,780円)
HUAWEI WATCH GT 3 ワークアウトや健康管理機能が強化されたスマートウォッチ(30,580円~33,880円)
【New】HUAWEI WATCH GT 3 SE 機能と価格を抑えたカジュアル利用できるスマートウォッチ(27,280円)

そのため、他のモデルに対する新機能としては特にありませんが、よりカジュアルな利用に最適なモデルとなっています。ビジネス向けラインナップとして「カジュアルビジネス」という位置づけですが、デザイン性と標準のバンドを考えると、スポーツ、アウトドアシーンでより安心して使えるモデルと感じました。

  • バンドの高級感はあまりありませんが、スポーツシーンでも安心して使えそう。バンド交換はバネ棒なので簡単です

特に今回、試用機のカラーが「ワイルドネスグリーン」だったので余計にそう感じました。カラーバリエーションはもう1つ「グラファイトブラック」があり、こちらはビジネス色をもう少し強く感じさせます。

ディスプレイは1.43型AMOLEDで466×466と大型高解像度。フラットなケースに秒数が表記された固定ベゼルを配置し、重さはWATCH GT 3 Proの54gに対して35.6gと軽量化しました。ケースの高級感は落ちますが、スポーティな印象が強まっています。価格も27,280円前後と手ごろ感が増しているのがメリットです。

  • ディスプレイサイズは大型。腕の細い人にはちょっと不釣り合いかもしれませんが、スマートフォンと同じで大きな画面は使いやすいものです

アウトドア向け設計、バッテリーは最大14日間

厚みは11mmで、WATCH GT 3 Proの10.9mmとほぼ同等。邪魔にならないレベルの薄さに収まっています。軽量さと合わさって、装着していても違和感は少なく、長時間の装着でも苦にならない印象です。私は時計の装着にもともと違和感がない人間ですが、それにしても軽いので気になりません。

  • 薄く、通常の時計としても違和感のないサイズ感です

それでいながら、5ATMの防水機能を備えているので水泳時にも利用可能。加えて、WATCH GT 3シリーズで共通した14日間というロングバッテリーライフも健在です。24時間電源オン、心拍数モニタリング、睡眠計測のTruSleep有効、毎週平均90分間のワークアウト(GPS使用)など、実利用を考慮した計測で14日間ということで、実際に使っていても十分な持続時間です。

  • 裏面に各種センサーを搭載

WATCH GT 3シリーズのバッテリー持ちは、他の機種でもすでに実績があるので、WATCH GT 3 SEでも間違いないでしょう。やはり毎日充電する手間がないだけで利便性は向上します。充電が一般的なQi充電をサポートする点も嬉しいところ。

  • Qi充電に対応し、充電機能絵に置くだけで充電が開始されます。マグネットも内蔵するようで、対応する充電器であればピタッと吸い付きます

ちなみに、最近登場したPixel Watchもワイヤレス充電ですが、こちらはマグネットの極がApple WatchやWATCH GT 3 SEと異なっているようで、Pixel Watch用の充電器にWATCH GT 3 SEを近づけても反発してしまいました(強引に近づけたら充電自体はできるようでした)。

スマートフォンと接触させてワイヤレス充電を行う、リバース充電などの機能でも充電できます。未検証ですが、恐らくWATCH GT 3 SEはApple Watch用ワイヤレス充電気でも充電できそうです。

血中酸素レベル、ストレス、心拍数、睡眠計測などが可能

側面にはリューズとボタンの2つを搭載。リューズを押し込むと画面オンやアプリ一覧の表示、下ボタンではワークアウトアプリの起動。下ボタンはカスタマイズで任意のアプリを設定できます。

リューズは回転もするのですが、手元では回転に特に機能が割り当てられず、スクロールなどの操作もできませんでした。

  • 側面にリューズとボタン。リューズは回転するのですが、特にスクロールなどには使えないようです

裏面にはセンサーを搭載。血中酸素レベル、ストレス、心拍数、睡眠といった健康管理に役立つ測定が可能です。睡眠モニタリングのHUAWEI TruSleepはスマホアプリと連動して詳細な睡眠分析をしてくれます。バッテリーの持ちがいいのと軽量なので、睡眠時に装着しっぱなしでも安心して利用できます。

  • 心拍数や血中酸素などは常時計測できます

  • 心拍数の記録の推移

  • こちらは血中酸素濃度

  • 睡眠時間も記録してくれます

アプリ連携で睡眠時の寝言やいびきを記録

さらに、寝るときにスマホも枕元に置いて「HUAWEIヘルスケア」アプリを使うと、睡眠時の寝言やいびきを録音してくれる機能もあります。録音された寝言、いびきを聞き返せるので、自分の睡眠の様子を確認できます。

自分の録音を聞き返してみると、少し大きめな寝息をいびきとして、咳き込んでいたのを寝言として記録していたようで、あまりひどい状況ではなかったので少し安心しました。

  • HUAWEIヘルスケアアプリでいびきや寝言を記録してくれます。WATCH GT 3 SEで記録した睡眠状態と合わせて様々なアドバイスもしてくれます

ワークアウトの対応は幅広く、100種類以上のモードを内蔵しているそうです。ランニング、ウォーキング、サイクリング、トライアスロン、縄跳びなど。スキーやスノボ、クロスカントリーなどのウィンタースポーツもサポートし、滑走ルート、滑走回数、滑走距離、最大速度、最大勾配など、ワークアウトに応じた内容を記録してくれるようです。

  • さまざまなワークアウトがあるので、こういった機能が欲しい人にはいいでしょう

衛星測位はシングルバンドながら精度を改善

シングルバンドながら高精度な衛星測位が可能ということで、屋外測位の精度と安定性を改善しているそうです。GPSでランニングやハイキングのルートを記録し、来た道を戻れるルートバック機能も搭載。GPS信号が弱いとユーザーに通知する失踪アラートも搭載しています。ワークアウトをリアルタイムで共有することもできるそうです。

  • ワークアウトの地図表示。実際は車で運転したルートですが、地図表示も可能で、走行結果を動画で共有することもできます

TruSportによるランニングに特化した分析機能、アプリにおけるAIランニングコーチ機能などもあるようで、興味のある人には良さそうです。何しろバッテリーの持ちがいいので、ワークアウトのたびに充電するといったこともありません。

1時間ごとの天気、週間天気、紫外線情報、日の出日の入り、潮汐、月相までも分かる天気情報も魅力。気圧計も搭載しています。他に、Bluetooth通話にも対応し、接続したスマートフォンの着信を時計側で対応することが可能です。

  • 天気情報も充実。個人的に日の出日の入り、月相は便利そうと感じました

ワークアウト重視、基本機能を備えたスマートウォッチ

最大の難点は、やはりアプリのラインナップでしょう。GoogleのWear OS搭載スマートウォッチもアプリは決して多くはないのですが、HuaweiのApp Galleryはやはりアプリが少なく、標準アプリ以外だとなかなか拡張しづらいのが課題です。

個人的にはGoogleマップ、カレンダー、メール、LINEなど、生活に使うアプリがあるといいのですが、通知とそれに対する返信はできるものの、過去のメッセージを遡るといったことはできません。スマートウォッチとしては大画面で使い勝手が良さそうですが、まだ活かしにくい点が残念なところ。

個人的にはGoogle Fitとの連携機能や決済機能も欲しかったところですが、アプリを含めて現状ではいろいろと難しいところでしょう。基本的なスペックとしては問題なく、特にワークアウトを重視したい人にとっては、長時間バッテリーを含めてメリットが高い製品です。