新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の機能停止の具体的なスケジュールが決定。11月17日から順次、機能停止版のCOCOA Ver.3.0.0を配信し、利用者には画面の案内に沿って、機能停止の手続きを行うよう求める。手続き後はアプリを削除しても差し支えないという。
COCOAについては、新型コロナ感染者の全数把握見直しにともない、機能を停止することを2022年9月に予告していた。機能停止版は11月17日から段階的に配布開始し、1週間程度ですべての利用者へ配信予定。
最終アップデート版となるVer.3.0.0では、接触確認のためのアプリの通信機能を削除。さらに、アプリの成果・結果や課題のとりまとめの一環として、利用者に同意を得たうえで、「接触通知が発生していた回数」の調査を実施できるようにする。アップデートして画面の案内に沿って操作すると、最後にアプリを削除するよう求める画面が出るという。
同アプリはプライバシーに最大限配慮した仕組みであるため、これまでは利用状況を把握するための情報の収集は行っておらず、利用者へ適切にリスクを伝え、注意を喚起できたかを把握できていなかった。最終版で接触通知の発生回数を把握し、今後のデジタル技術を活用した感染症対策に活かしていくという。
送信される情報はすべて匿名で、詳細は以下の通り。送信を望まない項目は回答しないことも可能だ。
- 利用者の年代
- 利用者の通勤通学の有無
- アプリ利用開始日
- 接触通知発生回数(日次)
送信しない情報は以下の通り。
- アプリを利用している個人や端末を特定可能な情報
- 接触した陽性登録者を個人として特定可能な情報
- 接触有無の詳細な照合結果(電波強度・信号受信時間・判定に用いたスコアなど)
接触通知発生回数(日次)の送信に同意すると、2022年4月7日以降に陽性登録者の接触符号を受信した日付と、各々の日付における接触判定の有無が送信される。
現行のCOCOAでは、プライバシー保護と潜伏期間等を考慮して、ユーザーの日次鍵・受信した接触符号・診断キーは14日後にスマートフォン側で無効化していた。今回の機能停止版では、通知発生回数の提供にユーザーが協力する場合、15日以上前の接触通知発生回数を、調査回答の送信時に限って有効化して送信する。
COCOAは2020年6月の提供開始以来、約2年5カ月で約4,117万ダウンロードされ、368万3,530件の陽性登録が行われたが、最終版のリリースを持って役割を終える。河野太郎デジタル大臣は2022年11月11日の記者会見動画の中で、今回の情報を取りまとめた最終報告を出す時期は「できれば2022年中」を目指していると述べている。