ソフトバンクと独ライカが共同で開発したスマートフォン「LEITZ PHONE 2」が登場しました。1型センサーを搭載し、ライカの監修を受けたカメラ機能が最大の特徴で、前モデルよりもさらに進化し、新たにライカレンズの28mm/35mm/50mmのレンズをシミュレートした撮影モードも用意しています。まずは外観を中心としたインプレッションをお届けしましょう。
デザインは前モデル同様、ライカカメラのイメージを継承
「LEITZ PHONE 2」の製品詳細はニュース記事をご覧いただくとして、最大の特徴はデザインとカメラ機能です。先代がシャープ「AQUOS R6」をベースとしていたのと同様、本機はシャープの「AQUOS R7」がベース。初代と同じく背面に円形のカメラ部を設けたカメラ風のデザインを継続しています。
「LEITZ PHONE 1」は、ディスプレイ面と裏面の両方で側面にかかる部分がカーブしたデザインでしたが、「LEITZ PHONE 2」ではディスプレイ面は完全にフラットになり、背面側のカーブも控えめになったようです。側面は従来通りアルミ削り出しでローレット加工が施されており、滑りにくく保持しやすいデザインとなっています。
背面カラーは光沢のあるホワイトで、ライカM8の特別限定カラーであるホワイトエディションにインスパイアされた色だそうです。「LEITZ PHONE 1」はつや消しのブラックだったので、かなり外観の印象は異なります。
カメラ周辺は大きな円形のデザインで、「LEITZ PHONE 1」と共通。ただ、カメラ部の出っ張りが2段階になり、測距用のカメラとLEDフラッシュが配置された部分から、さらにレンズ部が出っ張るという形になっています。
1型のセンサーの位置が、本体横幅に対して完全に中心になり、測距用カメラとLEDフラッシュがレンズを挟んで左右に分かれたというのも前モデルとの違いです。また、赤い「Leitz」ロゴは本体中心付近に位置が変更されています。
このように小さな変更は加えられていますが、全体的なデザインの方向性は変わらず、ライカカメラのトーンを継承しているという印象です。
カメラ機能は「AQUOS R7」を踏襲。1型/4,720万画素センサーを搭載し、35mm判換算19mmのレンズを採用。レンズはSUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.となっています。
LEITZ PHONE独自の機能として、ライカの色彩をシミュレーションしたLEITZ LOOKSを継続搭載していますが、新たにレンズシミュレーションが追加されました。シミュレーションされるのは「SUMMILUX 28」「SUMMILUX 35」「NOCTILUX 50」の3本です。
「レンズの個性をデジタルでシミュレーションに反映するには膨大な知見が必要」とライカ担当者は話していました。なお、実際のレンズは「SUMMILUX M f1.4/28mm ASPH.」「SUMMILUX M f1.4/35mm ASPH.」「NOCTILUX-M 50 f/1.2 ASPH.」であるところ、LEITZ LOOKSではF値を記載していないのは、物理的なレンズは19mm/F1.9で、あくまで上記のレンズによる撮影をシミュレートしているものだ、ということではないかと思います。
それでもそれぞれの画角に合わせて背景のボケを調整しているようで、ポートレートモードと同様に撮影後に処理時間が必要になります。あまり連写には向かず、じっくり構えて撮るモードとなりそうです。
スマートフォンのカメラはデジタルズームで無段階にズームし、「光学○倍」という形でカメラを切り替えてズーム倍率を表現することが多いのですが、LEITZ LOOKSでは「倍率を変える」のではなく、「レンズを交換して画角と表現を変える」という本来のレンズ交換の楽しみを再現しています。
ライカでは、「3本のレンズはライカを代表するレンズ。スポーツなどの望遠撮影ではなく、身近なものをきれいに撮る。それぞれ個性があるレンズを揃えました」とアピールします。ライカの担当者によれば、LEITZ LOOKSのレンズシミュレーションはあくまで画角と背景ボケが中心だそうですが、より「レンズの味」が出てくるオールドレンズのシミュレートにも挑戦してほしいと感じました。
LEITZ LOOKSでは、さらに従来のモノクロームに加えて、シネマクラシック、シネマコンテンポラリーという2種類の撮影モードも追加されています。またウィジェットとして「GOLDEN HOUR」が追加されており、現在地の日の出/日の入り時間(=撮影に適したゴールデンアワー)の前後を確認できるようになっています。
今回、「LEITZ PHONE 2」の展示と取り扱いを全国の主要量販店/ソフトバンクショップのうち850店舗のみでに限定したことについて、「プレミアム感を持たせるため」とソフトバンクは説明しています。ターゲット層である「ライカ憧れ層」にアピールしたい考えです。
前モデルである「LEITZ PHONE 1」も一定の支持を得られたとしており、買い替え、新規獲得ユーザーに繋げることを目指します。
実機に触れてみると、「LEITZ PHONE 1」とはまた少し個性の異なる外観ですが、カメラ性能は確実に性能アップしており、スマートフォンとしてもハイエンドなので、普段遣いとしても不満はないでしょう。