みずほリサーチ&テクノロジーズは11月10日、「2022年冬季ボーナス予測」を発表した。それによると、2022年冬の民間企業の1人当たりボーナスは前年比1.2%増の38万5,538円と予想している。同調査では、冬ボーナスは2年連続で増加するも、「コロナ前の水準を取り戻すには至らない見通し」と分析している。

企業収益改善と足元の労働需給が押し上げに寄与

  • 冬季ボーナスの見通し(出典:みずほリサーチ&テクノロジーズWebサイト)

民間企業のボーナス支給額は、一般的に1カ月当たりの所定内給与に支給月数を乗じて計算される。2022年冬の所定内給与(11月~翌年1月平均)については、同1.25%増と予測。同調査では、2021年度の企業収益改善と足元の労働需給が「所定内給与の押し上げに寄与する」と見込んでいる。

支給月数については、前年から横ばいの1.10カ月と予想。この結果、民間企業の1人当たりのボーナス支給額は同1.2%増となる見通しで、前年(0.1%増)に比べて増加率は大きくなるも、2020年冬の大幅減(2.6%減)を「取り戻すには至らない見通しだ」としている。

民間企業のボーナス支給総額(ボーナス支給労働者数×1人当たりボーナス)は、同2.2%増の16兆6,280億円と1人当たりボーナスより増加幅が大きくなる見込み。「これは非製造業を中心とした業績改善に伴い、ボーナス支給事業所が前年対比で増加し、ボーナスを支給される労働者の増加が見込まれるためである」(同調査)。

公務員(国+地方)の1人当たりボーナス支給額は、同1.1%増の74万525円と予測。理由としては、人事院勧告で国家公務員の月例給が引き上げとなったこと、ボーナス支給月数が0.10カ月(4.30カ月→4.40カ月)引き上げられたことを挙げている。また、地方公務員についても、「国家公務員に準じて給与を決定する自治体が多いため、増加となるだろう」と予想している。

民間企業・公務員を合わせた冬季ボーナスの支給総額は、同2.1%増の18兆8,740億円となり、前年の伸び率(1.2%増)を上回る見通し。ただし、「2020年末の落ち込み(5.2%減)分は取り戻せない見込みだ」としている。