「サクマ式ドロップス」を製造販売する佐久間製菓が、来年1月20日で廃業することがわかった。サクマ式ドロップスと言えば、スタジオジブリ制作のアニメ映画「火垂るの墓」の主人公・清太の妹である節子が大切に持っていた甘い菓子としても有名だろう。100年以上の歴史をもつ超ロングセラー商品だ。

  • 「サクマ式ドロップス」の佐久間製菓が廃業 「サクマドロップス」と混乱も、ネット「火垂るの墓を思い出す」

    「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が廃業へ。「火垂るの墓」での印象が強い

佐久間製菓は1908年(明治41年)創業の老舗菓子メーカー。同社の主力商品である「サクマ式ドロップス」は、創業時から続く114年の歴史を誇るロングセラー商品だ。今回の廃業は、新型コロナの影響による販売減や、原材料の高騰、人員確保の問題などが理由だとしている。同社は、安価製品の競合や、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減の影響で、2021年9月期に1億5,173万円の最終赤字を計上していた。

ちなみに、同社の廃業に注目が集まる中、名前も見た目もよく似た「サクマドロップス」を販売するサクマ製菓と混同する人が続出。サクマ製菓の公式Twitterは「この度は、佐久間製菓様の廃業について、多くのお問合せを頂いておりますが、弊社の営業や生産は従来通り続けてまいります。社名や商品名が似ているため、お客様に混乱を与えてしまっているかと思いますが、引き続き精進して参りますので、何卒変わらぬお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます」とツイートしている。

佐久間製菓、サクマ製菓の両社はともに1908年創業の佐久間惣次郎商店が前身。佐久間惣次郎商店は、1920年に社名を佐久間製菓と改めた。しかし、1944年に第二次世界大戦中の企業整備令によりいったんは廃業。現在の佐久間製菓は、前身会社で番頭的な立場にあった東京南多摩郡出身の実業家、横倉信之助氏により1948年に再興。一方で、サクマ製菓は前身会社の社長・山田弘隆氏の三男・隆重氏が興した会社だ。サクマ製菓では「サクマドロップス」のほかに「いちごみるく」などのヒット商品を販売している。なお、佐久間製菓の販売する「サクマ式ドロップス」は赤色の缶、サクマ製菓の販売する「サクマドロップス」は緑色の缶が使われることが多い。

ネット上では「時代の波とこのご時世とはいえ、また一つ懐かしの味が消えるのは寂しいな…」「昭和が また遠くなりにけり…」「火垂るの墓を思い出す」などの声が寄せられた。