メルカリグループのメルペイは11月8日、同社初のクレジットカード「メルカード」の提供を開始した。カードブランドはJCB、年会費は永年無料。フリマアプリ「メルカリ」内で順次申込可能となる。
メルカリの利用実績に基づく“独自与信”をクレジットカードでも
メルペイではこれまでに、メルカリの利用実績に基づく独自与信による決済サービスを提供してきた。メルカリ内での購入時の後払いに留まらず、同じ与信枠で街中での非接触決済(iD)やネットショッピング用のバーチャルプリペイドカード(Mastercard)も利用できる。
今回の「メルカード」ではもう一歩進み、得意とする独自与信を活用してクレジットカードを発行する。利用限度額は最大50万円。ユーザーの年齢や職業、年収などの属性情報によらず、メルカリやメルペイの利用実績などに応じて蓄積されたデータを基にAIが判定する。
なお、メルペイは認定包括信用購入あっせん業者であり、所定の審査時に参照する情報には指定信用情報機関のデータも含まれている。とはいえ、詳細な審査内容は開示されてはいないが、基本理念としては従来のメルペイの各機能と同様に間口の広いサービスを目指しており、CICなどの一般的な属性情報を考慮しないわけではないが、たとえばメルカリ内で丁寧な取引を積み重ねているユーザーなどには、独自基準の信用で加点するという方向性になる。
メルカリでの還元率は最大4%、アプリ完結の手続きやナンバーレス仕様も特徴
近年は効率的なポイント獲得を求めてクレジットカードを選ぶユーザーも多い。メルカードのスペックとしては、通常のポイント還元率はメルカリ内では1~4%、メルカリ以外での決済時は1%だ。1~4%という幅を持たせている部分に関しては、メルカリの利用実績などからユーザーごとにスタート地点が決まる。また、毎月8日には還元率が8%加算される(上限300ポイント)。
UXにもこだわり、本人確認(eKYC)を完了しているメルカリユーザーであれば最短1分で申し込める。申込だけでなく、利用開始手続きや履歴の参照、精算などすべての手続きがメルカリアプリで完結する。カード番号は券面に記載せずアプリ内のみで確認できるナンバーレス仕様となり、タッチ決済(NFC)にも対応する。
精算は翌月払い(手数料無料)または定額払い(年率15.0%のリボ払い)となり、銀行口座からの自動引き落としのほか、コンビニ/ATMでの支払い、メルカリでの売上金の充当などさまざまな精算方法を用意する。
カードデザインは、生活に寄り添うべく配色や文字情報をそぎ落とした白基調のシンプルなものとしつつ、多様性をイメージしたホログラム仕様のメルカリロゴをあしらう。また、リユースの場として物や資源を大切にしてきたメルカリらしさを表現するため、再生素材使用率85.5%と環境負荷にも配慮した材質のカードを採用した。