映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2019年に公開された、アメリカのコミック・レーベル「マーベル・コミック」に登場する人気キャラクター、スパイダーマンの映画作品です。
本作はマーベル・ヒーローたちの活躍を同一の世界観で描いた「マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe = MCU)」の23作目で、フェーズ3に入る作品となっています。
この記事では「アベンジャーズ」シリーズを楽しむためにも知っておきたい、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のあらすじや登場人物、見どころを紹介します。
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の作品情報
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出典:amazon
公開年/2019年
監督/ジョン・ワッツ
脚本/クリス・マッケナ
出演/トム・ホランド、サミュエル・L・ジャクソン、ジェイク・ギレンホール、ゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン
スパイダーマンはマーベル・コミックの中でも屈指の人気を誇るキャラクターです。これまでにトビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドがスパイダーマンを演じたシリーズも制作されていますが、それらはスパイダーマンしかヒーローが登場しない単独作品であり、長らくMCUには組み込まれてきませんでした。しかし前作『スパイダーマン:ホームカミング』よりMCU作品として制作されるようになり、MCUでおなじみの人気キャラクターとも共演するようになりました。
現代っ子のヤンチャなヒーローという新鮮な切り口でスパイダーマンをリブート(再シリーズ化)させ、世界中で大ヒットを記録した『スパイダーマン:ホームカミング』から2年。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は前作を上回る多彩な登場人物たちが繰り広げる、スケールアップした戦いが見どころの作品です。
本作でスパイダーマンはホームグラウンドであるニューヨークを飛び出し、ヨーロッパの風光明媚な観光地を舞台に転戦していく内容となっています。
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のあらすじ
ピーター・パーカーにとってアイアンマンことトニー・スタークは、憧れのヒーローでありスパイダーマンとしての自分を発掘してくれた恩人でもあった。しかしそんなトニーがヒーロー集団「アベンジャーズ」のリーダーとして、世界を守る戦いで命を落としてはや数カ月。
ピーターが通う高校ではヨーロッパ研修旅行が間近に迫り、学生たちはそれぞれ期待に胸を膨らませていた。クラスメイトのMJに思いを寄せるピーターは、今回のヨーロッパ研修旅行中に彼女に告白することを決意する。そんなとき、ピーターの元にアベンジャーズの指揮官であったニック・フューリーから連絡が入る。しかし旅行の準備で忙しいピーターは、フューリーを無視したままヨーロッパに出発してしまう。実は、謎の侵略者エレメンタルズが地球を襲撃し、世界は新たな危機を迎えようとしていたのだった。
水の都ヴェネツィアに到着したピーターたち研修旅行の一団は、そこでエレメンタルズのひとりである水の巨人の襲撃を受ける。スパイダースーツがないため変身できずにいたピーターの前に、空を飛び魔法を操るヒーロー「ミステリオ」が現れ怪物を倒して窮地を救う。
ニック・フューリーと合流したピーターはミステリオを紹介される。彼はクエンティン・ベックと名乗り、自分が「アース833」と呼ばれる異世界から来たことを明かす。強大な能力を持ちつつも謙虚で、ピーターの悩みにも気軽に相談に乗ってくれるクエンティン。そんな彼に大人としての魅力を感じ、ピーターは次第に信頼を寄せるようになるのだが……。
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の主な登場人物
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の主な登場人物を紹介します。
ピーター・パーカー
ピーター・パーカーは本作の主人公である、スーパーヒーローのスパイダーマンに変身する高校生です。理想のヒーローとして背中を追っていたアイアンマンを失い、さらに彼が開発した防衛システムE.D.I.T.H.(イーディス)の管理を託され、喪失感と重圧に悩む毎日を送っています。
ピーター・パーカーを演じるのはトム・ホランドです。母国のイギリスで俳優活動をしていたところ、人気ヒーローのスパイダーマン役に選ばれ、世界的に人気を集める俳優へと大躍進しました。本作出演後もさまざまな映画に出演している将来有望な俳優です。
ニック・フューリー
国際平和維持組織“S.H.I.E.L.D.”の長官で、ヒーロー集団アベンジャーズの指揮官でもあったニック・フューリーは、ヒーローたちのまとめ役として活躍してきた強面のタフガイです。アベンジャーズ解散後はリタイヤ生活を送っていたのですが、謎の集団エレメンタルズの登場を受け現場に復帰しました。本作では部下のマリア・ヒルとのコンビでコミカルな面を見せていますが……。
ニック・フューリーを演じるのはサミュエル・L・ジャクソンです。SF、アクションのみならず、クライムサスペンスやシリアスなドラマなど、幅広いジャンルの作品をたくみに演じわけるオールラウンダーです。
クエンティン・ベック
クエンティン・ベックは自らを異世界からやって来た存在と語り、飛行能力と強力な光線を駆使して宿敵エレメンタルズをなぎ倒します。その活躍はメディアを通して世界中に伝わり、新たなヒーロー「ミステリオ」として大人気となっていくのですが……。
クエンティン・ベックを演じるのはジェイク・ギレンホールです。芸能一家に育ったサラブレッドで、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされる実力派。ピープル誌が選ぶ「もっとも美しい50人」にも選ばれた、国際的にも人気の高い俳優です。
ミシェル・“MJ"・ジョーンズ
ピーターが思いを寄せるヒロインが、MJことミシェル・ジョーンズです。スパイダーマンの正体がピーターであることにうすうす感づいているよう。ピーターから思いを寄せられることを少なからず喜んでおり、ネッドとともにピーターを助けて大活躍します。
MJを演じるのはゼンデイヤです。アメリカのドラマシリーズに出演して若者の間で人気を博し、本シリーズでヒロインとなるMJ役を射止めました。最近ではSF超大作『DUNE/デューン 砂の惑星』シリーズでチャニ役をつとめ、短い登場シーンながら鮮烈な印象を残しています。
ネッド
前作の『スパイダーマン:ホームカミング』から引き続き登場するネッドは、コンピューターに詳しいギーク(オタク)。親友ピーターがスパイダーマンであることも知っています。ピーターのサポート役を買って出て、スパイダーマンとしての活動をバックアップする頼りになる相棒です。
ネッドを演じるのはジェイコブ・バタロン。キャリアをスタートさせたばかりの俳優でしたが、この超大作ヒーローシリーズへの大抜擢となりました。今後の活躍が期待される期待の新人です。
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の見どころ
映画『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』の見どころをポイントにわけて紹介します。
不器用なピーターとマイペースなMJの恋の行方
前作『スパイダーマン:ホームカミング』では学校のアイドルであるリズに恋しますが、本作でピーターはクラスメイトのMJの魅力に気づき、彼女に思いを寄せるようになります。
ヨーロッパ旅行というイベントを利用してピーターはMJへの告白を試みますが、奥手な彼はなかなか素直な気持ちを伝えられません。さらに、強大な敵が出現してスパイダーマンとして戦わねばならず、MJとのすれ違いも増えてしまい……。初々しい恋模様にやきもきさせられる展開も本作の見どころとなっています。
今後MCUで重要になる「マルチバース」という概念
本作で登場するミステリオことクエンティン・ベックが、「自分はアース833という異世界から来た人間だ」と語ります。その異世界こそが私たちの生きるこの世界と、パラレル(同時並行)に存在する「マルチバース」です。なかなか簡単には理解できない考え方ではありますが、作品の中では「この世界の他にも別の世界がある」というシンプルな形で描かれています。
フェーズ4以降のMCU作品でも重要な概念ですので、MCUの世界観を理解するためには、ぜひ知っておきたい概念です。
大人たちの思惑に翻弄される純朴な少年ヒーロー
前作『スパイダーマン:ホームカミング』でも、ピーターは、トニー・スタークやその部下であるハッピー・ホーガンといった大人たちに胸の内を理解してもらえず、意気消沈していました。
本作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でも、彼は多くの大人たちの思惑に翻弄されることに。しかし、そんな状況下で悪戦苦闘しつつも、ピーターはネッドやMJたち同世代の仲間の助けを得て困難を立ち向かっていきます。
信頼していた大人に裏切られ、傷つくピーターですが、そんな痛手を乗りこえてヒーローとして成長していきます。大切な存在を守るためにどうあるべきなのか、ちょっとだけ大人に近づいていくピーター・パーカーの姿も見どころと言えるでしょう。
たくさんの見どころがぎっしり詰まった『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』。若く未熟だからこそ、伸び代しかないこのヒーローの活躍を、ぜひご覧になってみてください。
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