Microsoftが現地時間2022年10月28日に発表した年次報告書によれば、Windows 10およびWindows 11の月間アクティブデバイス数は14億台を突破。消費者向けMicrosoft 365は約6000万の契約数を数える。Microsoft by the Numbersでは13億台と示しているものの、今回の発表が最新の情報となるようだ。
ところで我々はいつまでWindowsを使い続けるのだろうか。振り返れば2015年に登場したWindows 10は、当初こそ良否を分けた意見が多かったものの、その後の更新プログラムで機能強化や改善が加わり、使えるOSになっていった。
リリース時は「最後のWindows」となるはずだったWindows 10だが、2021年に突如Windows 11が登場。基本的にはリブランディングと、さまざまな技術を実装するためのベースとなるOSとして生まれ変わった。だが、システム要件の強化でアップグレードできるPCに制限がある。さらにタスクバーもゼロから作り直して、Windows 10まであった機能も使えなくなり、ユーザーの不評を買ったのも事実だ。
いまWindows 11は過渡期にある。バージョン22H2でMoment 11は完成の域に達し、Windows 11 Insider PreviewでMoment 2に取り組んでいるタイミングだ。Windows 11 Insider Previewの更新頻度は高いものの、現時点で目立った新機能は見当たらない。開発中のライブラリーを取り込んで安定性を優先するのか、何か隠し球を用意しているのか不明だが、タブ付きエクスプローラー級の新機能は期待したい。
個人的にはローカルPCのWindowsをカスタマイズするのは楽しいのだが、心身が疲れているときは少々しんどく感じる。いっそのこと、PCを起動して設定ファイルやドライバーを読み込み、作業を終えてシャットダウンしたら初期状態に戻るOS環境が好ましく思えてきた。これなら不要なトラブルも回避できるだろう。一つの選択肢としてクラウドOSであるWindows 365を思い出すが、日本語設定を終えたカスタムイメージをクラウドに格納しなければならないので対象外。それ以前に一般ユーザーがWindows 365を常用するのはコスト的にも厳しいだろう。現時点で筆者が望む環境は得られない。Windows 11がさらにクラウドに近づけばいいのだが……。
昨今はデジタルワークスペースとして、Microsoft 365やGoogle Workspaceを使用する企業も少なくない。いずれもWebブラウザーとネットワーク環境があれば使えるため、OSの存在は希薄化する。ローカルPCで使えるWindows 11、よりクラウド化したWindows 11、両者を望むのはわがままだろうか。