ブラウザだけで実行が可能なベンチマークアプリは数多く存在する。インストールをしなくとも利用できるこれらのツールは、PCを買い替えたりパーツを換装した場合にどれだけパフォーマンスが向上したかをチェックしたり、ブラウザごとの速度差を比較するのに役立つ。また別の人と環境を比較するのにも最適だ。
もっともその手軽さが災いして、著名なツールでは高いスコアが出るよう対策されるなどしたせいで、近年はツールの公開を中止したり、また取り下げこそしていなくとも更新が消極的になったベンダーも少なくない。従って利用にあたっては、著名なツール一つだけを使うのではなく、複数のツールを併用してクロスチェックすることが望ましい。
今回は現在利用可能な、ブラウザだけで使えるベンチマークツール9種類をまとめて紹介する。必ずしもこれだけでPCやブラウザの性能が正しく測れるわけではないことを念頭に置いた上で、用途に合わせて活用してほしい。なおいずれのツールも、PCのほかスマホ(iPhone/Safari)で利用可能なことを確認済みだ。
Octane 2.0
「Octane 2.0」は、Google提供のJavaScriptベンチマークアプリ。17項目のチェックを行いスコアを算出する。すでに更新は終了しているが今なお定番で、ソースコードもGitHubで公開されている。
Basemark Web 3.0
「Basemark Web 3.0」は、Basemarkが提供する統合ウェブベンチマークアプリの無料版。WebGLなど20項目についてテストを行う。詳細なチェックを行うことから所要時間は数分~最大20分程度と長め。
JetStream 2.1
「JetStream 2.1」は、64にもおよぶ項目をチェックし、その総合点を表示してくれるJavaScriptおよびWebAssemblyのベンチマークツール。項目数の多さゆえチェックにかかる時間はやや長め。
Speedometer 2.0
「Speedometer 2.0」は、タスク管理ツールを模した画面にタスクの追加と削除を100回繰り返し、ブラウザの応答性をテストするツール。他のツールに比べて実環境に近いスコアが得られるのが売り。
MotionMark 1.2
「MotionMark 1.2」は、グラフィック表示のパフォーマンスをチェックするためのベンチマークツール。画面全体を使って8種類の描画テストを行う。完了までの時間はそこそこ長い。
ARES-6
「ARES-6」は、4つの項目についてテストを行い実効速度を表示するJavaScriptベンチマークアプリ。同じテストを時間を空けつつ6度繰り返して平均値を算出するため信頼性は高い。
Dromaeo
「Dromaeo」は、Mozillaが提供するJavaScriptベンチマークアプリ。6の項目について各5回のチェックが実行される。ソースコードも公開されているが、開発は数年前から停止している。
SPEED BATTLE
「SPEED BATTLE」は、3項目から行うJavaScriptテスト。ページを開き終えた時点で測定は完了しており、自分のスコアのほか他の利用者の平均スコア、ベストおよびワーストスコアも表示される。
WebGL Aquarium
「WebGL Aquarium」は、3Dの水槽内に表示できる魚の数を増やしていくことでフレームレート(fps)の変化をチェックできるベンチマークツール。回遊速度などをパラメータで調整することも可能。