エステーは11月2日、「コロナ禍における在宅介護に関する調査」の結果を発表した。調査は10月17日~25日、現在、同居または別居しながら在宅介護を行っている20歳~69歳までの男女461名を対象にインターネットで行われた。
調査によると、コロナ禍に在宅介護の時間が「増えた(非常に+やや)」という人は53.2%と、2人に1人。理由を聞くと、「感染拡大で介護施設の利用が制限されたり、介護施設が休業したから」(57.6%)が最も多く、次いで「家にいる時間が増えて、在宅介護できるようになったから」(48.2%)と続いた。
続いて、「在宅勤務をしながら、介護を行うことがあるか」と質問したところ、「週1〜2日行っている」(20.0%)、「週3日〜4日行っている」(17.8%)、「週5日以上行っている」(12.1%)と、約半数が週1日以上在宅勤務をしながら在宅介護を行っていることが明らかに。また、コロナ禍で「介護離職をした」人は12.4%、さらに「しようと思った」人は32.1%いることが判明。
コロナ禍で在宅介護を行う中での悩みについて教えてもらったところ、「自宅にいる時間が増えて、在宅介護のストレスが増えた」(35.6%)、「自分のプライベートの時間がなく、ストレスを発散できない」(29.9%)、「面倒を見なければいけない範囲が広がり、体力的負担が増えた」(29.7%)が上位に挙がり、コロナ禍で在宅時間が増加し、介護の関わりが多くなる中で、プライベートの時間もなく、精神的にも体力的にも負担が大きくなっていることがうかがえた。
次に、在宅介護におけるニオイに関して調査を行ったところ、「在宅介護を行う中で、空間に漂うニオイや物に染み付いたニオイが「気になる(非常に+やや)」という人は71.6%。このうち、約4割が「ニオイがするから他人を家にいれたくない」(43.6%)と答え、「ニオイについて要介護者に言えない」(35.2%)、「ニオイの対処法が分からない」(33.6%)という声が。
ニオイが気になる場所については、「介護している部屋」(64.8%)、「トイレ」(62.4%)、「おむつを捨てるごみ箱」(35.5%)が上位に。一方、ニオイ対策として使用している消臭スプレーや置き型消臭剤などのアイテムにおいて、一般向けの消臭剤と比べて、「介護専用品」の使用率は低い傾向に。特に、「おむつを捨てるごみ箱」は、ニオイが気になる場所の3位に挙げられたにも関わらず、一般用、介護用ごみ箱用消臭剤とも使用率は1~2割程度にとどまり、十分な対策ができていないことがうかがえる結果となった。