ピエト・モンドリアンの抽象画「ニューヨークシティI」が75年以上もの間、上下逆さまに展示されていたと判明したと、英BBCが報じた。ネットでは「モンドリアンなら仕方ない!」などと注目が集まっている。
ピエト・モンドリアンは、抽象美術運動のデ・ステイルや抽象芸術を代表するオランダ出身の20世紀最大の芸術家の1人だ。モンドリアンの作品は、芸術界だけなく、建築やファッションの分にも大きな影響を与えている。水平と垂直の直線で分割された画面に、赤・青・黄の三原色のみで構成された「赤・青・黄のコンポジション」などの「コンポジション」シリーズはよく知られている。
今回この間違いに気づいたのは、学芸員のズザンネ・マイヤー=ブーシャ氏だ。今年のモンドリアンに関する企画展に向けたリサーチの途中で、長年の間違いに気づいたのそう。つまり、線画最も集まっている部分が下ではなく、上に来るのが正しいようだ。マイヤー=ブーシャ氏によると、「モンドリアンのスタジオの古い写真を見つけ、そこに写る『ニューヨークシティI』は、今とは逆になっていた。」というのだ。正しい向きに変えると、粘着テープがはがれる可能性があるため、今後も逆さまに展示される予定とのことだ。
「ニューヨークシティI」は、赤、青、黄色のテープを使い格子模様が描かれている。1941年に制作されたもので、1945年に米ニューヨーク近代美術館で初めて展示された。
ネット上では「それすらアートよ」「モンドリアンなら仕方ない!」「マティス『たまにある』、モネ『あるある』、ロスコ『稀によくある』」などの声が寄せられた。