お笑い芸人のピストジャム、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が2日、都内にて行われた、エッセイ集『こんなにバイトして芸人つづけなあかんか』(1,430円 新潮社)刊行記念トークイベント「ピストジャム×又吉直樹『僕とシモキタ~バイト生活20年とこれから』」に登壇した。

  • 左からピース・又吉直樹、ピストジャム

極貧生活を招いた時給90円の深夜バイト、笑いが止まらない超絶ラクな自治体仕事、金髪NGを突破する裏ワザ、二度と経験したくない飛び降りの後始末、宅配ピザチェーンをかけもちしたばかりにミスを連発した話など、同作では、ピストジャムが、やむにやまれず生業としてきた数多のアルバイト遍歴がつづられている。

同作を読んだ感想として、又吉は「すごいおもしろかったです。漫談のように読めて笑えるし、文章も正確で読みやすいと思いました」と絶賛。「あとは、登場人物が社会規範にのっとった“ちゃんとした大人”というわけではなく、そこから逸脱した人物が出てくるんですけど、なんかかわいらしかったり、素敵で魅力的。バイト先でそういう人たちと出会って、いろんな影響を受けて、今日までやってきたんやなっていうのがよく分かる本でしたね」と話した。

そして、「バイトをたくさん経験したからと言って、必ずしもこれだけのエピソードが揃うかと言うと、揃わないと思うから、ピストジャムの芸歴20年がここに集約されているんじゃないのかなと思いました」と続けると、ピストジャムは「すべてその通りです」と全乗っかりして笑いを誘いながら、「自分の単独ライブをやるつもりで、この本を書かせてもらいました。舞台の平場でトークした内容が生きているのかなと思います」と自信をのぞかせた。

また、又吉は「芸人側の視点で言うと、芸人の仕事で食べられないからアルバイトをする」と前置きしながら、「若手芸人は『一刻も早くアルバイトをせずに芸人の仕事だけで生活したい』というのが、『売れたい』『面白いことをやりたい』というのと同じくらい強いエンジンになるんですけど、ピストジャムはそれを20年やってるんや、って。これは馬鹿にしてるわけじゃなくて、すごい精神力やなと」と感動。「それをずっとやり続けてるっていうのは素晴らしいことやなと思います」と感じ入っていた。

イベントの最後に、ピストジャムは「20年の芸人生活、アルバイト生活を詰め込んで書きました。なんのメッセージ性もなくて、単純に笑ってもらえたらという面白い話として書いてるんで、空いた時間に楽しく読んでいただいて、みなさんの生活の潤いにちょっとでもなったらなと思いますので、よろしくお願いします」とアピールした。