ASUS JAPANは11月2日、ハイエンドスマートフォン「ASUS Zenfone 9」を国内でも発表しました。グローバルでは夏に発表済みの製品ですが、FeliCaに対応するなど国内仕様にも対応しての登場となりました。
メモリとストレージ容量の違いで3モデルがあり、メモリ16GB/ストレージ256GBモデルが12万9,800円、8GB/256GBモデルが11万2,800円、8GB/128GBモデルが99,800円。発売は11月4日からとなっています。
コンパクトでハイパフォーマンス
ASUSは、日本で2014年の「Zenfone 5」からSIMフリースマートフォン市場に参入。SIMフリー端末の選択肢が少ない時代から、日本向けのローカライズをしてくるなど、日本市場向けに適した端末を用意してきました。
そしてフリップカメラの「Zenfone 6」など、独特の機能を備えたラインナップを揃えてきたのですが、前モデルの「Zenfone 8」では、高性能ながらコンパクトなボディというスタイルで、新モデルの「Zenfone 9」でもそれを踏襲。ハイスペックとコンパクトサイズを今回も両立させています。
本体サイズは「横幅70mmにこだわった」(同社)という、約H146.5×W68.1×D9.1mm、約169g。手のひらに収まり、画面全体に指が届きやすいサイズ感ということで、サイズ感にこだわる人に最適です。
背面は独特の手触りの新素材を採用。指紋が付きにくく、少しざらつく手触りの素材となっています。ミッドナイトブラック/ムーンホワイト/サンセットレッド/スターリーブルーという鮮やかなカラーバリエーションもセンスのいい配色です。
IP65/IP68という、水流や水没もカバーした防水防塵性能を備え、おサイフケータイにも対応しているので、日本市場のニーズもカバーしています。
コンパクトサイズのため画面サイズは5.9型と、最近のスマートフォンとしては小さめ。解像度は2,400×1,080ドットのフルHD AMOLEDディスプレイを採用。リフレッシュレートは120Hz、色差はΔE<1、sRGB比151%、DCI-P3比112%をカバーし、最大輝度1100nits、HDR10サポートなど、充実したディスプレイ性能となっています。
5.9型というディスプレイサイズや68.1mmという横幅は、例えば「iPhone 14」の6.1型/71.5mmより少し小さく、5.4型/64.2mmの「iPhone 13 mini」より少し大きいというサイズ感。「Zenfone 8」とは画面サイズが同等ながら、幅で0.4mm、高さで1.5mm小さくなっています。
パフォーマンス面では、最上位のSoCであるSnapdragon 8+ Gen 1を搭載。CPUで15%、GPUで50%などの性能向上となっており、他社モデルよりも高性能を発揮できるとしています。
これは冷却性能の高さも影響しており、新たにペイパーチャンバーを搭載したことで、放熱によるパフォーマンス低下を防いでいるそうです。
バッテリー容量は4,000mAhから4,300mAhに増加。30Wの急速充電もサポート。サイズが小さくなっても重さが前モデルと同じ169gというのは、バッテリー容量の増加が影響しているのでしょう。
ジンバル内蔵でブレに強い
カメラはメインとなる広角カメラと超広角カメラのデュアルカメラ。広角カメラは有効画素数5,000万画素のソニー製IMX766センサーを搭載。4つの画素を1画素として使うピクセルビニングによって、約1,250万画素で記録されます。ピクセルピッチは2μm。レンズのF値はF1.9。
最大の特徴が6軸のハイブリッドジンバルスタビライザーを搭載する点。ジンバルは、カメラモジュール自体を手ブレとは反対側の上下左右・回転方向に駆動させることで手ブレを抑える機構。センサー自体を動かすセンサーシフト方式、レンズの一部を動かすレンズシフト方式とは異なり、特に動画撮影時の大きな揺れを抑えるのが得意。
駆動する範囲が狭いため、外付けのジンバルに比べると効果は弱いようですが、ぬるっとした映像が撮影できます。構造的にあまり細かい手ブレには強くはないので、長時間露光の写真のようなシーンでの手ブレ補正に関しては効果が薄いかもしれません。
撮影機能としては、新たにライトトレイルモードを搭載。これは夜間の車のテールランプを流れる川のように撮影したり、滝の流れをシルクのように表現したりという撮影が可能です。撮影時間は数秒が必要ですが、手持ちでもブレのない撮影が可能なようです。
使い勝手の良い機能も搭載
使いやすさを向上させる機能として、新たに「ZenTouch」を搭載。これは側面の電源ボタン一体型指紋センサーにスワイプ機能を含めたショートカットの割り当てが可能というものです。2回押しと長押しにGoogleアシスタントの起動、特定のアプリを開くといった操作が割り当てられます。
スワイプ機能では、通知を開く、Webサイトの先頭や最後に移動する、といった機能の割り当てもできます。画面の端に指を伸ばして通知画面を開く、長いWebサイトをスワイプし続けるといった手間が省け、片手操作が楽になる機能です。
画面右端から内側にスワイプするとアプリのショートカットが現れるエッジツールや、本体背面をダブルタップすることでスクリーンショットやサウンドレコーダーで録音を開始するといった機能も搭載。使い勝手も高めているようです。
セキュリティ面では少し弱くなりますが、顔認証機能も搭載。マスクをしていても反応するとしています。
OSアップデートは最大2回を保証。発売後にAndroid 13にアップデートするので、Android 14までは保証されていることになります。発売に合わせたキャンペーンとしては、スマホアプリ「ゆるキャン△つなげるみんなのオールインワン!!」とコラボレーションした壁紙やキャンペーンを予定。iDとのキャンペーンや買い替えキャンペーンとして公式ストアASUS Storeのクーポン発行も予定されています
Zenfone 9は、コンパクトなボディでもハイエンドという点が最大の特徴で、洗練されたデザインを含めて、非常に扱いやすい端末に感じました。