日本語のGoogle検索に、本日から追加される新機能があることがわかった。昨年、英語版Google検索に導入された「About This Result」機能が、日本語検索にも「この結果について」機能として適用されたもので、これにより、検索結果に出てきたサイトの情報が信頼できるかどうか、ユーザーが判断しやすくする。Googleの検索リエゾンであるDanny Sullivan氏が、新機能の内容を説明した。
「この結果について」(About This Result)機能
「この結果について」(About This Result)機能が追加されたGoogle検索の検索結果には、検索された各サイトの項目に、三つの点(…)のメニューアイコンが付くようになる(メニューの位置としてはサイト項目それぞれの右上あたり)。このメニューを開くと、日本語検索では「この結果について」というパネルが開き、検索結果に関する情報の入手元など様々なコンテキストを確認できるようになる。
例えば、検索結果の情報がWikipediaに記載されていれば、最新で検証済みかつソースが特定されている情報であると、Wikipediaの情報がパネルに表示される。また、Googleがそのサイトを最初にインデックスした時期などの情報を表示したり、サイトへの接続が安全であるかどうかの情報を表示したり、そのサイトの情報の信頼性が比較的高いものなのかどうかを判断できるようにしている。
この機能は、特に健康情報や金融情報などといった重要性の高い情報を探している場合などに便利だとしており、例えば「コロナワクチン 危険」というキーワードで検索をした場合、(実際に検索してみるとわかるが)ある程度の信頼性が担保されたソースが付随しないとミスリードしかねない検索結果が並ぶこともある。そういった際に、「この結果について」のパネル情報が、ユーザーが情報の信頼性を判断する材料になる。
なお、この「この結果について」機能の日本語検索への提供開始は本日からとなるが、順次アップデート中という状況であるため、ブラウザやスマートフォンの種類によっては、利用可能になるまで時間がかかる場合もある。Sullivan氏によれば「明日(日本時間で11月2日)中までには、ほぼすべての人が利用できるようになる見通し」とのことだ。追って今後数カ月をかけて「この結果について」パネルに情報を追加していき、先行した英語版About This Resultと同等の情報量を提供することになるようだ。
流動中の検索結果への新たな通知機能も
もうひとつ、今回のアップデートでGoogle日本語検索に本日から追加される機能がある。検索結果が急速に変化している情報に関して、注意を促す通知を検索結果に表示するという新しい機能だ。
例えばニュース速報や新しいトピックなど、情報が流通しはじめた当初は、検索に対して信頼できる情報がまだオンラインにない場合がある。また、最初に公開された情報が最も信頼できるとは限らない場合もある。アップデートでは、そういった情報を検出できるようにしており、該当する情報を検索した際には、少し時間が経ってから再度検索することを推奨するといった表示を検索結果上に掲出するようにした。
Sullivan氏は「プーチン 首席エクソシスト」(これも実際に検索してみるとわかりやすい)という検索結果を例示。現在進行形で多くの多様な発信が続くため、アクセスする時期によって検索結果の信頼性が大きく変わってくる情報と見られるため、検索結果には「信頼できる提供元が情報を公開するまでに時間がかかる」というアラートが表示されるようになっていた。
信頼性を高めるアップデートを続ける
Sullivan氏は、世界中の情報を整理しようとするGoogleのミッションを実現するためには、検索で、いかに高品質で信頼できる検索結果を出せるかがとても重要だとし、検索エンジンの早期から現在まで、同社が立ち向かってきた課題だとしている。特に近年は「誤情報が増えてきており、社会の差し迫った課題になっている。我々は世界の誤情報と戦っている」と、この取り組みが社会的にも有益であることを強調している。
世界中の人々の多くは、会話や、どこかのSNS、日常の中で触れた情報を「確認」するために「検索」をしているという研究結果があるそうだ。検索数のうち15%のクエリはまったくあたらしい検索だというデータもある。増え続ける現在進行中の情報を適切に検索結果に反映するためには、当然「自動化」のアプローチが必須となる。検索エンジンが情報を自動的に評価しなければならない。
Sullivan氏は、Google検索のシステムでは、情報の評価において「専門性、権威性、ソースとクオリティのシグナルと、さらに人々がそれを信頼しているかどうかをチェックしている」という。システムの透明性のために「検索品質評価のガイドライン」を公開しており、このガイドラインに基づいてシステムをトレーニングしていると説明した。また、ここでは「コンセンサス」という考え方も重要であるとした。特に医療やファイナンスなどクリティカルな項目では、専門家のあいだでコンセンサスがあるのかという観点も大きなウェイトを占めるのだそうだ。逆にガイドラインでは、「品質の低いコンテンツ」も定義しているそうで、例えばヘイトであったり、内容が期待以下であったりするサイトがこれに該当するという。