安全性の高さや火力、お手入れ性の高さから、近年はキッチンにビルトインIHクッキングヒーターを選ぶ人が増えています。ニーズの高まりを受けてか、大手メーカーは高機能モデルに次々と特徴的な機能を搭載しています。
日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)のIHクッキングヒーター最上位モデル「火加減マイスター HT-N100T」(2022年10月20日発売)も、そんな製品のひとつです。プレス向けの体験試食会にて最新のIHクッキングヒーターに触れてきました。
グリル機能が大きく進化! 焼きムラを抑えて美味しく調理、さらに掃除も簡単に
各社の上位モデルに位置するIHクッキングヒーターは自動調理モードを搭載するなど、どんどん高機能化しています。この数年はIHヒーターの機能進化合戦は一段落し、グリル機能に注目が集まっています。
ここで紹介するHT-N100Tのグリルもかなり高性能で、他メーカーにはない特徴があります。たとえば、一般的なグリルは網や波形の浅皿に食材を乗せて調理しますが、HT-N100Tはグリル調理に高さのある深皿を利用。肉や魚をグリル調理すると油が跳ねてグリル庫内が汚れがちですが、深皿によって側面がガードされるため、庫内がほとんど汚れません。
一般的なグリルは調理中の食材を確認できるように透明なグリル扉ですが、日立の深皿を利用するグリルは構造上、調理中の食材確認はできません。扉の一部を透明にする必要がないため、グリル扉は最初から不透明なデザイン。これは調理後も扉表面が高温にならない「温度低減ドア」の実現につながっていて、調理後にグリルのドアに触れても火傷の心配がありません。
と、ここまでの機能は従来モデルのHT-M100Tにも搭載されていました。新モデルのHT-N100Tは、庫内でむき出しになっていた上下ヒーターが、上下の平面ヒーターに変更されました。庫内が汚れても、庫内の凹凸がほとんどなくなったので掃除が簡単です。
ヒーター管よりも密度の高い平面ヒーターを採用することで、グリル調理時の焼きムラも減りました。以前のモデルは中央部分に焼き目が集中することがありましたが、HT-N100Tは庫内全体の温度差が少なく、焼きムラを抑えながら中までしっかり火を通すように改良したそうです。日立はこの焼きムラの少ない調理を「旨美焼き」と呼んでいます。
平面ヒーターのメリットとして、高さのある食材の調理も可能になりました。従来モデルは高さが最大75mmまでの食材を調理できましたが、HT-N100Tは最大90mm(いずれもラク旨オーブン使用時)までの食材に対応します。HT-N100Tのグリルでは焼き物だけでなく、深皿を使った煮込みや蒸し料理も可能なのですが、高さのある調理ができるようになったことで料理のバリエーションが広がりますね。
複数の料理を一度に作れる「朝食セット」など便利機能を追加
新しく、取っ手が取れるタイプのフライパンを利用する「連携調理」機能も搭載されました。IHヒーターで下準備し、グリルで仕上げをする調理方法です。
会場ではこの連携調理をハンバーグでデモンストレーション。最初にIHヒーターでハンバーグに焼き目を付けて、そのフライパンをそのままグリルに入れて中までじっくり火を通します。
ライフスタイルによってはとても便利そうな新機能が、2人分の朝食をワンプレートで作れる「朝食セット」です。グリル皿に、ソーセージ、卵、食パンを2組ずつ乗せて「朝食セット」を選択。これでトーストと焼きソーセージ、目玉焼きを一度に作れます。
ただし、この機能は「食パン×2枚、卵×2個、ソーセージ×4本(ソーセージと卵はホイルカップに入れる)」と、作り方が厳密に決まっています。「今日はソーセージがないから、代わりに卵は一人2個で……」といった臨機応変な使い方ができないのはちょっと残念。
今回はグリル機能を中心にチェックしましたが、HT-N100Tは自動でふきこぼれを抑制する「麺ゆでメニュー」や、メニューにあわせて鍋の温度を自動でキープする「適温調理」など、さまざまな便利機能を引き継いでいます。メニューによっては裏返すタイミングや調理完了を知らせてくれるので、調理が苦手な人こそ使って欲しい製品です。
細かな温度調整もできるので、料理が得意な人は料理のバリエーションが増えそう。コロナ禍で自炊率が高まっている今、これを機会にキッチンのアップグレードを考えてみるのはいかがでしょうか。