元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏がMCを務める音楽イベント『オールナイトニッポン55周年記念 佐久間宣行のオールナイトニッポン0 presents ドリームエンターテインメントライブ in 横浜アリーナ』が29日、神奈川・横浜アリーナにて開催された。

  • 佐久間宣行氏 =ニッポン放送提供

2019年4月の『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』放送開始以来、あらゆる夢を実現させてきた佐久間氏。昨年11月に東京国際フォーラム・ホールAでの番組イベントを実現させてから約1年、今度は横浜アリーナで音楽ライブを開催。5,000人もキャパが増加し、1万人規模の横浜アリーナで夢のライブを行うこととなった。

会場が暗転し時報音が流れると、スクリーンには「オールナイトニッポン55周年」の文字とともにニッポン放送の過去のイベントの映像が映し出される。そして今回出演するゲストのラインナップが紹介され、会場に「ビタースウィート・サンバ」が流れると同時に、佐久間氏がステージ中央に登場。イベントグッズ「チュロスペンライト」で黄色に染まる会場を目の当たりにし、「うわ……! すげえ! まじかよ」と感嘆の声をあげ、「番組開始4年目でこの光景が見られるのは、皆さんのおかげ。本当にありがとうございます!」と感謝を伝えた。

今回のイベントは、“佐久間氏が今見たいアーティスト”が集結。「早くアーティストが見たいですよね!」と佐久間氏のオープニングトークもほどほどに、さっそくトップバッター・花澤香菜のライブへ。「ラジオの匂いに惹かれてやってきた虫です!」と自己紹介した花澤は、自他共に認めるラジオ好きで有名。黄緑地に赤い花があしらわれた可憐な着物姿で「駆け引き はポーカーフェイス」「Moonlight Magic」「SHINOBI-NAI」「恋愛サーキュレーション」の4曲を披露し、キュートな歌声を会場に響かせた。

佐久間氏は花澤の自己紹介を振り返り「変態とか言ってましたけど……あれ(花澤)は蝶です! 素晴らしいライブでした」と感想を。しかし2人揃ってのトークでは、花澤がラジオマニアっぷりを発揮。「(会場には)ラジオ好きしかいなんだよね?(客席に)飛び込みた〜い!」とリスナーと一緒にイベントを楽しみたいと話すなど、ラジオトークに花を咲かせていた。

ここからは、芸人アーティストが立て続けに登場。黒沢かずこはスパンコール煌めく衣装を着用し、大胆なアレンジを加えた「キューティーハニー」をオリジナリティーたっぷりに披露。歌唱中に佐久間氏にからんだり、歌わずに気絶したフリをしたり、クレイジーすぎるパフォーマンスに佐久間氏は「いかれてんな黒沢!」「見てて怖くなった」と笑いながら感想を語っていた。

女装した金田哲は、ギャルダンサーを背負って「Onaraはずかしくないよ」を歌唱。これは10年ほど前に佐久間氏がプロデューサーを担当していた番組『ピラメキーノ』で生まれた曲で、 「懐かしいな〜」としみじみ。そしてしゅーじまんは、自身が作詞作曲を担当した「Standby」で会場をしっとりとした空気に包み込んだ。

佐久間氏と3人は「オールナイトニッポン55周年記念 番組イベントクイズ!!」も実施。これまでに数々のイベントを行ってきたオールナイトニッポンに関して、過去行われた番組イベントからクイズが出題され、マニアックすぎる問題が続いたのだが、これまでのイベントで大爆笑をさらった数々の伝説が明らかになり、佐久間氏らだけでなくリスナーからも驚きの声が上がる場面が見られた。

佐久間氏が「面白パート」と呼んだ3人の出番が終わり、続いてはRHYMESTERが登場。「Future Is Born」 「Back&Forth」「梯子酒」「初恋の悪魔-Dance With The Devil-」「The Choice Is Yours」の5曲を歌い上げた。堂々としたステージだったが、「緊張した〜」と話す宇多丸。通常の音楽フェスではないため、「どんな顔をして出れば良いかわからなかった」と言う。そんな宇多丸は、佐久間氏にとって“エンタメラジオの師匠”。TBSラジオで宇多丸がパーソナリティを務めている番組のすごさを佐久間が語ったほか、宇多丸からも裏話が明かされた。

続いて、前回のイベントで盛り上がった「チュロ上げゲーム」のコーナーへ。このために制作されたと言っても過言ではない(?)「チュロスペンライト」を使い、旗上げゲームの要領で佐久間氏がマスターとなって観客と対決することに。さらに挑戦者として花澤と宇多丸も参戦し、実際のチュロスを持って上げたり食べたりというシュールな絵面に、会場は大いに沸いた。

そしてイベントの大トリは、佐久間氏が監督を務めた映画『ゴッドタン キス我慢選手権THE MOVIE』 (13)で主題歌を担当したサンボマスター。昨年のイベント『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)リスナー大感謝祭2021〜freedom fanfare〜』にも出演が予定されていたがかなわず、今回がリベンジの機会となった。

サンボマスターは「ヒューマニティ!」「孤独とランデブー」「できっこないを やらなくちゃ」「花束」の4曲を披露。会場を最高潮に盛り上げたところに、佐久間氏を呼び込み「世界をかえさせておくれよ」をコラボして熱唱。歌いながら花道を駆ける佐久間氏を、リスナーはチュロスペンライトを振って応援。曲の終わりに佐久間氏が 「ラジオ最高!」と叫ぶと、イベントはこの日一番の盛り上がりを見せた。

エンディングでは、本日の出演者全員がステージに勢ぞろい。それぞれに感想を聞き、客席をバックに記念撮影を行ってアーティストたちと別れた後は、佐久間氏がトロッコに乗って会場を一周。ペンライトを振ったり、カンペにメッセージを書いたり、スモークが出るガトリングを放ったりとリスナーにファンサを送って束の間の交流を堪能。

そして番組恒例の「野郎ども! 港に別れを告げろ! ヨーソロー!」という挨拶とともにキャノン砲を発射し、一夜限りの夢のエンターテインメントライブは幕を下ろした。

なお同イベントのアーカイブ配信は11月13日23時59分まで視聴可能。配信チケットの詳細はニッポン放送のイベントホームページに記載されている。