今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店に、炊飯器の売れ筋を取材しました。
炊飯器は、調理家電のなかでも通年で売れるジャンルです。コロナ禍以降の自炊ブームも手伝って、ここ数年は注目する人が安定して増えている様子です。
同店スタッフの増田敏明氏は「いま使っているものより良いものを求める人が多く、売れ筋の価格帯もかつては2万円前後だったのが4万~5万円前後に移っています。メーカーのラインナップもそこが厚くなっていますしね」と言います。
「炊飯器の売れ筋傾向の3ポイント」を踏まえ、主力の5.5号炊きモデルにおける売れ筋トップ5を追いかけていきましょう。
<炊飯器の売れ筋傾向の3ポイント>
- 予算感は割り切り志向なら2万円前後、売れ筋は4万~5万円前後、質を追求するなら10万円超。
- 割り切り志向でも「マイコンよりIH」という人が主流。5.5合で十分選べる。
- 性能重視のなら「圧力IH」、さらに上を目指す人は「釜」を見て指名買いする傾向。
※本文と写真で掲載している価格は、2022年10月13日11:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:圧力IHと土鍋コートで人気の「炊きたて JPI-T100」
一番人気となっていたのは、タイガー魔法瓶の「炊きたて JPI-T100」でした。可変W圧力IHと遠赤5層土鍋蓄熱コート釜を採用した製品で、価格は46,800円でした。
「圧力IHのもちもち感を求める方に人気があります。以前からタイガー魔法瓶の炊飯器を使っていて『一段良いものを』と指名買いされたり、価格が5万円を切ったお得感から選ばれたりして、現在は総合的に一番人気になっていますね」
同率第2位:象印で圧力IHを求める人に支持される「NW-JY10」
上位3モデルは価格の変動で順位が入れ替わるところがあり、取材時は象印マホービンの「NW-JY10」が同率2位となっていました。圧力IHと「鉄(くろがね仕込み)豪炎かまど釜」を採用しています。価格は52,800円でした。
「同じブランドのままでワングレードアップしたい、ということで選ばれるケースが多い印象です。タイガーもそうですが、象印ももともと使っている人が多く、乗り換え的なニーズも含めて底堅い人気がありますね」
同率第2位:スクウェアデザインの優等生「NJ-V10DJ」
もうひとつの同率2位は、三菱電機の「NJ-V10DJ」です。「NJ-VVC10」をベースにした同店オリジナルのIHモデルで、内釜に「備長炭コート熾火 炭炊釜」を採用しています。価格は42,800円でした。
「第一にデザインですね。5.5合炊きながらスクウェアなデザインで、キッチンでも場所を取らないし、格好良いということで安定した人気があります。旧世代の『NJ-V10CJ』(33,800円)も売れていて、あわせて同率2位です」
第4位:割り切りでもIHを求める人に人気の「極め炊き NW-H10J」
続く4位には、少し前の売れ筋といえる2万円前後の製品が入りました。象印マホービンの「極め炊き NW-H10J」で、取材時の価格は2万1800円です。「極め炊き NW-HA10」をベースにした同店オリジナルのIHモデルで、抗菌タイプの立つしゃもじなどを付けています。内釜は「プラチナ厚釜」です。
「従来と同じ価格帯で探している人によく選ばれています。ファミリー層から一人暮らしまで幅広いですね。価格重視の意識が強いなかでも、『マイコンではなくIHを』と意識される方は多く、そうしたニーズに応える存在になっています」
第5位:供給不足から復活のパナソニック製「おどり炊き SR-UNX101」
5位は、パナソニックの「おどり炊き SR-UNX101」でした。「ダイヤモンド竈釜」を内釜に採用したIHモデルで、価格は38,610円となります。
「一時期入荷が滞ったためランキングが後退したましたが、三洋電機時代からのファンが多くいて、供給が復活した後は順調に売れています」
はみ出し情報・・・最強クラスは「土鍋ご泡火炊き JPL-S100」と「炎舞炊き NW-LB10」が比肩
トップ5にハイエンドクラスは入らなかったものの、増田氏は「究極を求められる方は広がっています。若いファミリー層でも『ご飯だけは気合いを入れたい』と調理家電のなかでも予算を割くケースをよく見かけます」といいます。
ハイエンドクラスの売れ筋は、タイガー魔法瓶の「土鍋ご泡火炊き JPL-S100」と、象印マホービンの「炎舞炊き NW-LB10」の人気が抜きん出ているそうです。価格は125,000円と118,000円でした。どちらも、内釜に惚れ込んで指名買いする人が多いとのことです。