フジテレビで30日(16:00~ ※関東ローカル、TVer・FODで見逃し配信)に放送されたバラエティ特番『リッチマンDATE』。世の中の“社長”たちはどんなデートをしているのか…というコンセプトのもと、一流の社長=リッチマンの知られざるデートを観察する番組だ。

企画したのは、今年7月に深夜の企画開発枠『水曜NEXT!』で第1弾が放送された際、「“お金持ちとデートがしたい”という私利私欲にまみれた願望を、公共の電波を使ってかなえさせてもらう夢のような番組を作らせていただきました!」と語っていた、フジ入社7年目の片岡新己留(ニコル)ディレクター。スタジオに「デート用の勝負服」というド派手ドレス姿でMCたちにカンペを出していく個性的なスタイルを発揮しているが、今回の第2弾に懸けた思いや、バラエティ現場ではまだ少ない女性ディレクターとしての意気込みなどを語ってくれた――。

  • 『リッチマンDATE』企画・演出の片岡新己留ディレクター (C)フジテレビ

    『リッチマンDATE』企画・演出の片岡新己留ディレクター (C)フジテレビ

■ロケでかかったデート代は社長たちのガチ自腹

番組が用意したデートパートナーのために、社長に本気でデートプランを考えてもらい、その様子を観察しながら、MCのアインシュタインとマヂカルラブリーが、デートを学んでいく同番組。

片岡Dが解説するこの番組のポイントの1つは、【世間の人たちが普段見られない“リッチな景色”が見られること】。「一流の社長さんだからこそ知っているお店やデートスポットを映しだして、視聴者の方々が『日本にこんなお店があるんだ!』『あー私もいつかこんなお店行けたらなぁ』と楽しんでもらえたらと思っています。最近は、視聴者のみなさんが行きやすい“安い店”を扱う番組が増えてきたので、この番組は、その“逆”を目指しています」と狙いを語る。

もう1つのポイントは、【一流の社長さんの“人となり”を映し出すこと】。「普段、近寄りがたい、お高いイメージのある“一流企業の社長さん”たちの人間性を描き出したいと思ってます。実際に打ち合わせさせていただくと、気さくで面白い方が多く、その意外な一面を映し出せたらと思っています」といい、「昔、島田紳助さんがやっていらっしゃった『世界バリバリ★バリュー』(MBS)と、少し前にフジテレビでやっていた『人生のパイセンTV』の要素を掛け合わせたような番組にしたいと思っています」と意識した。

こうしたロケ番組において、タレントの食事代などの費用は番組側が支払うのが通例だが、社長たちのリッチなデートの費用を、昼間の関東ローカルの番組予算で賄うことができるのか。しかも、今回は海外ロケまで敢行しているが、その真相は「ロケで実際にかかったデート代は、社長さんたちのガチの自腹」という極めて異例な対応だった。

「私たちは、感謝しかありませんが、それだけ“ガチ”だということなんです。鹿児島鰻の斎藤社長が、村重杏奈ちゃんに『2カ月遅れのお誕生日プレゼント』としてサプライズでシャネルのピアスを渡すのですが、これも社長の“ガチで自腹”。シャネルのピアスなんて10万以上するんですよ!本当にすごいです。ご自身の別荘があるマレーシアへ一緒に行くデートの飛行機代(※村重とマネージャー、社長自身の分)も自腹、ロケ終わりの打ち上げまでも、斎藤社長が『スタッフさんへの感謝を込めて』と、心意気で払ってくださいました。本当に感謝しかありません。『デートパートナーをおもてなししたい!』という、社長のこの番組のロケにかける本気度には、驚きと感謝しかありません。そんな“ガチな本気度”がこの番組の見どころのひとつですね」

■アインシュタイン&マヂラブの起用は「私の独断」

社長たちのデートを学ぶアインシュタインとマヂラブの起用は、「私の独断で決めました。ずっと前から、アインシュタインさんとマヂラブさんは、『華があって本当に面白い!』と思っていて、特に、あの2組はフリートークが面白い! 間違いなく、次のお笑い界を背負う方々だと思ってます!」とブッキング。

VTR中は、社長をうらやましがったり、嫉妬したり、デートパートナーを応援したり、ツッコミを入れたりと、番組を大いに盛り上げ、「この番組の“おもしろ”をお2組が作ってくれてるので本当にありがたいです! スタジオでも、ずっと爆笑していました」と、狙いがハマった。

  • マヂカルラブリー(左)とアインシュタイン(右)に囲まれて (C)フジテレビ

■稲田直樹「新しい時代のディレクターが出てきた」

そんなMC陣に負けじと、スタジオでド派手なドレスを着て、カンペを出していく片岡D。これは「社長さんたちが、本当にスタッフにもたくさんプレゼントを下さって、その中におしゃれなドレスもあったので、せっかくなのでそれを着てやろうと。そしたら、マヂラブさんとアインシュタインさんが笑ってくれたので、『これは続けた方がいいな』と思い、今回も社長さんから頂いたドレスを着用して収録に臨みました」という理由からで、「こんなささいなことも、番組の1つの個性になると信じて、番組が続く限りやっていこうと思います」と、こだわりを見せる。

その姿に、MCたちは「あんなキラッキラのドレス着てカンペふるフロアD、初めてですよ。なんか、普通に“お姉さん座り”してベターっと座って、こっち見てる時あるから。僕らMCでやらさせてもらってますけど、番組の本当の顔はニコルなんじゃないかと。結果、ニコルに持ってかれた気がしました」(アインシュタイン・河井ゆずる)、「途中から、肝心のカンペふるのを忘れて、ただただ手を叩いて笑ってる瞬間があって。“あ、新しい時代のディレクターが出てきたな”と思いました」(アインシュタイン・稲田直樹)、「なんか、ニコルちゃん、ちょっと売れようとしてますよね…」(マヂラブ・村上)、「“フジのバラエティのディレクター”っぽくて、僕は良いと思います! テレビ界でも貴重な存在だと思います」(マヂラブ・野田クリスタル)と反応していたが、片岡Dは「本当に本当にみなさん、優しいですね。大好き! ただ、売れようとはしてないです!」と強調した。

■“片岡飛鳥を超えたい”という意気込みで

このように謙虚な姿勢を見せる片岡Dだが、「今までテレビのディレクターといえば、どうしても男性のイメージが強かったと思うのですが、女の私でも『おもろいVTRをつくれる!』というところを、少しでも見せられたらと思います」とアピール。

さらに、「『フジテレビ』の『片岡』と聞いて思いつくのは、『めちゃイケ』をつくったレジェンドディレクター・片岡飛鳥さんの名前が挙がると思うのですが、『フジテレビの片岡』といえば『片岡新己留』と言ってもらえるように。そして、いつかの日か、レジェンドディレクターの片岡飛鳥さんを超えたいです! あ、ちょっと言い過ぎですかね? でも、それくらいの意気込みで頑張ります!」と意欲を語ってくれた。

  • (C)フジテレビ