ロックダウンといえば、感染症被害拡大を防ぐための都市封鎖を連想してしまいますが、もともとは刑務所で使われていた言葉で、一時的に受刑者を独房へ閉じ込めておく意味だそう。そしてそれがiPhoneでも使われるようになったと聞くと、気になりますよね。

iOS 16.1で導入された「ロックダウンモード」は、外部からのサイバー攻撃に対する予防的な保護機能です。非常時に有効なオプションであり、ほとんどのユーザにとって縁のない機能ですが、万が一自分のiPhoneがサイバー攻撃を受けたときの数少ない防御策です。

ロックダウンモードが有効になると、外部との通信やセキュリティに関係する機能が大幅に制限されます。たとえば、メッセージアプリでは画像以外の添付ファイルを利用できなくなり、リンク先(インターネット上にある画像などのコンテンツ)のプレビューは無効になります。連絡先に登録されていない相手からのFaceTime着信はブロックされ、写真アプリの共有アルバムは削除されます。

WEBの利用も大幅に制限されます。JavaScriptで書かれたプログラムを実行前にネイティブコードへ変換する機能(JITコンパイラ)は無効化されるため、期待どおりに動作しなくなる可能性があります。

なお、電話アプリによる音声通話や、プレインテキストのメール/メッセージの送受信は、ロックダウンモードの影響を受けません。信頼できるWEBサイトを対象から外すなど、例外処理も可能です。

ロックダウンモードを有効にするには、『設定』→「プライバシーとセキュリティ」の順に画面を開き、「ロックダウンモード」をタップします。画面の指示に従い操作しパスコードを入力すると、iPhoneの再起動後にロックダウンモードが有効になります。ロックダウンモードを無効化し通常の状態へ戻すときにも、『設定』→「プライバシーとセキュリティ」から同じ操作を行います。

  • iOS 16で登場した「ロックダウンモード」とは