ニュースなどを見ていると、最近は残念ながらささいなことでトラブルに発展するケースも珍しくないようです。中には「注意された=ケンカを売られた」と受け取ってしまう人も多いそうですが、現在ツイッター上では“角が立たない注意方法”の模範解答が発見され、話題となっています。

  • ※画像はイメージです。

撮影地で駐停車禁止のとこに車停めてる人いたら「ここ停めちゃだめですよ」じゃなくて「さっき俺もここ停めてたらめっちゃ怒られたんであっち停めるといいですよ」って教えてあげてる。
口論にならず毎回「ありがとうねー!」で終わる。
嘘も方便。
(@shochacameraより引用)

投稿主はフォトグラファーの「星野 翔(@shochacamera)」さん。

星野さんは、景色などの良い撮影地で駐停車禁止のところに車を止めている人がいた場合、「ここ停めちゃだめですよ」と正面から注意するのではなく、「さっき俺もここ停めてたらめっちゃ怒られたんで、あっち停めるといいですよ」と、寄り添うようにしているそうです。

そうすることで揉め事に発展せず、相手からはむしろ「ありがとうねー!」と感謝されるようになったのだとか。まさに「嘘も方便」。根も葉もない作り話でも、使い方によっては誰も傷つけず、その場を丸く収められることがよくわかります。

ちなみに、星野さんはこういう場合、ちゃんとした駐車場に誘導するようにしているのだとか。ちょっと停めるだけのつもりでも、駐停車禁止になっているのには理由がありますから、やはりルールにはきちんと従うのがベスト。

星野さんもすぐに通報するのが手っ取り早いということは重々承知だそうですが、こうして上手に誘導することで丸く収められるのであれば、それはそれで素晴らしいことですよね。

この示唆に富んだツイートは多くの人の共感を呼び、1.5万件のリツイート、7万件ものいいねを獲得(10月28日時点)。たくさんのコメントも寄せられました。

「それ良いですね! それなら相手の方も変に不機嫌にはならなそう」

「発想の転換、素晴らしい」

「みんなが心地よいですよね。素敵な方便です!!」

「ほんと、言い方一つでコロッと印象変わりますね」

「真似しよー」

「めちゃくちゃ上手い言い方 こういうの憧れる」

ツイ主さんに聞いてみた

まさに見事な発想の転換ですが、星野さんはどのようにしてこの言い方の妙を思いついたのでしょうか。ご本人に少し話をうかがってみました。

ーーどのようにしてこの話法を思いついたのでしょう?

もともと自分は介護福祉士として5年間ほど介護施設で働いておりました。介護現場では、認知症など様々な症状を持つご高齢のご利用者様がいらっしゃいます。その中で「あれはダメ」「これはダメ」と頭ごなしに否定してしまうとご本人が余計に興奮してしまったりパニックに陥ってしまうことがあります。

なので、あまりご本人を刺激しないように、嘘を交えてでも"否定"からではなく、「こうだからこうした方がいいかも!」と、"肯定"の意を込めて話すのが最もスムーズに物事を伝える方法だと介護の仕事を通して身についたのだと思います。

当ツイートにある言葉に関しては以前から考えていたり、思いついたことではなく、介護現場での経験から相手を刺激せずに誘導する言葉が考えずとも自然と出てきたと思っております。

ーーこの方法にたどり着く前は、注意すると口論になってしまったりなどあったのでしょうか?

自分自身の発言としての経験としてはありません。しかし、前述にあるように介護現場にて、すぐに「ダメ!」と注意する介護士がおり、現にその注意を受けたご利用者様は更にパニックになってしまったことがあります。それを見て相手の立場に立って考えることで未然に防げるトラブルなどがあるんだと認識しました。


星野さんが介護の仕事で身につけたという、思いやりのある言い回し。交通ルールに限らず、仕事や日常で誰かに注意しなければならないときも、ぜひ参考にしたいですね。