テクノロジーの次は、プロセスとカルチャーの変革を
さらに、岡氏は企業が変革に取り組むにあたって、テクノロジーの準備ができたら、プロセスとカルチャーの変革が必要と訴えかけた。これらを支援するため、同社は、Open Innovation Labsによる顧客伴走型支援コンサルティングを提供している。
「Open Innovation Labs」は集中的な常駐形式の環境で、レッドハットのコンサルタント、エンジニア、対象分野の専門家と密接に連携し、顧客企業におけるビジネス課題を共に解決するサービスだ。
プロセスとカルチャーの変革における協業としては、富士通が紹介された。今年3月、両社はDXビジネス強化に向けて協業を発表している。
ステージに登壇した富士通 執行役員常務の大西俊介氏は、「われわれもアジャイル開発に取り組んでいたが、要件定義に1年かかっているなどの実情があり、『これはアジャイルではない』と感じていた。そんな時、レッドハットの取り組みを見て、本物のアジャイルを持っていると感じ、富士通がDX企業になるために協業したいと思った」と語った。
Open Hybrid Cloudで顧客の成功を支援
Red Hat 製品統括 シニアバイスプレジデントのAshesh Badani氏からは、Open Hybrid Cloud戦略の紹介が行われた。同氏は、Red Hatのハイブリッドクラウド・ポートフォリオを統括している。
Badani氏は、「2025年にはクラウドネイティブプラットフォームでデジタル作業が行われるようになると予測されており、どの企業もデジタルファーストに移行している。ここにチャンスあると思っている。マーク・アンドリーセン氏は『ソフトウェアが世界を飲み込んでいる』といったが、これを修正する必要がある。今は、ソフトウェアが世界を駆け巡っている」と語った。
現在、サービスや数時間、数分でアップデートを行えるようになっており、「企業はマインドセットを変えることが重要、DevOpsによって変えていくことが大切」と、Badani氏は述べた。
Badani氏はデジタルファーストな世界で求められていることとして、以下の5点を挙げた。
- フレキシブルと俊敏性
- シームレスなワークロードの移行
- 開発者のエクスピリエンスの向上
- 安全性、耐障害性、拡張性
- データグラビティへのアクセス
このようなデジタルファーストな世界に対し、レッドハットはOpen Hybrid Cloudというアプローチをとっている。Badani氏は、「われわれは、Open Hybrid Cloudによってオープンソースベースで顧客が成功できるように提供していく。また、コグニティブロードを下げていき、デベロッパーに対し、シンプル化して体験を提供していく」と語った。