米Intelが10月27日(現地時間)に発表した同社2022年度第3四半期(2022年7月〜9月)決算は減収減益だったが、売上高・利益とも市場の予想平均を上回った。また、景気減速に伴うコンピューター需要低迷の長期化に対応するため、経費削減をさらに強化する方針を示し、時間外取引で同社の株価は上昇した。

7〜9月期のGAAPベースの売上高は153億ドル(前年同期比20%減)、純利益は10億ドル(同85%減)で、1株あたり利益は0.25ドル。非GAAPだと、売上高153億(同15%減)、純利益24億ドル(同59%減)、1株利益0.59ドル。アナリストの予想(非GAAP)は、売上高152億5000万ドル、1株利益0.32ドルだった。以下は事業グループ別の売上高。

  • クライアントコンピューティング・グループ:売上高81億ドル(前年同期比17%減)。コンシューマ向けと教育向けを中心にPC需要が減少。OEMが在庫削減を進める。
  • データセンター&AI:売上高42億ドル(前年同期比27%減)。サーバー台数の減少と顧客の在庫削減が影響。
  • ネットワーク&Edge:売上高23億ドル(前年同期比14%増)
  • Accelerated Computing Systems and Graphics Group:売上高1億8500万ドル(前年同期比8%増)
  • Mobileye:売上高4億5000万ドル(前年同期比38%増)
  • Intelファウンドリサービス:売上高1億7100万ドル(前年同期比2%減)

10日にGartnerが発表した2022年7〜9月期の世界PC出荷台数(推定値)は6799万台で前年同期比19.5%減、過去20年で最大の減少である。PC需要の軟化によって、Intelのクライアントコンピューティング・グループも売上高81億ドル(前年同期比17%減)に減速した。だが、アナリストの予想(76億ドル)は上回っており、厳しい経済環境の中で改革の成果もあらわれ始めている。

CEOのPat Gelsinger氏はコスト削減について「このビジネスサイクルに対応するために積極的にコストを見直し、事業全体で効率化を進め、デジタルの未来に向けてIDM2.0のフライホイールを加速させる」と説明した。Intelは7月に、雇用を抑制して設備投資を減額する方針を明らかにした。そして今回、2023年に30億ドル規模の節減を行うと発表。さらに2025年まで段階的に進めていき、年間80億~100億ドル規模に拡大する方針を示した。