女優の井上真央が28日、都内で開催中の「第35回東京国際映画祭」(TIFF)内で行われた映画『わたしのお母さん』(11月11日公開)の舞台挨拶に、杉田真一監督とともに登壇した。

  • 井上真央

本作は、母との関係が苦しい娘と、悪気なく娘を追いこんでしまう母という、“親子のリアル”を描いた物語。主人公・夕子を井上真央、母・寛子を石田えりが演じた。

井上は、最初に脚本を読んだときの感想を「母と娘の物語と聞いて、激烈な親子のドラマやドラマチックな何かがあるのかなと思っていたんですけど、そうではなくて夕子の気持ちもお母さんの気持ちもなかなか見えづらいなと思いました。心の底に抱えているようなものをゆっくり紐解いていく静けさがあってとてもいい本だなと思いました」と語った。

そして、夕子役について「難しかったですね」と言い、「夕子としてふっと立っている、役としてただ存在しているだけということがこんなに難しいんだと感じましたし、この映画を通して改めて役との向き合い方をもう一度考えさせられた気がしています」と話した。

自身の母との一番の思い出を聞かれると、「特に旅行に頻繁に行くとかはなかったんですけど、神奈川にいて、東京でお仕事や用事があると、よく母と2人で電車に乗っていて、だいたい1時間半くらい片道かかるんですけど、電車を乗り継いで、そのときに構内の売店で母がよくお菓子を、キャンディーとかキャラメルとかグミを買ってくれて、そのお菓子を見るといまだにそのときのことを思い出します」と言い、司会者から「懐かしい味?」と言われると、「そうですね」とほほ笑んだ。