Ankerは、“同社史上最⾼傑作”の完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 4」を発表した。価格は14,990円。カラーは4色で、ミッドナイトブラック、クラウドホワイトを10月27日に発売。ワインレッド、スカイブルーは2023年春に発売予定だ。
「シリーズ最⾼の⾳質」、「3Dオーディオ」、「Anker独⾃技術のウルトラノイズキャンセリング2.0」、「ヘルスモニタリング」、「快適なつけ⼼地」といった“欲しい機能”をすべて盛り込んだ完全ワイヤレス(TWS)イヤホン。
音質面では、2つのダイナミックドライバーを1つのモジュールに統合して、同軸上に配置した独自の音響構造「A.C.A.A(同軸音響構造)」を3.0へ進化させて搭載しているのが特徴。これにより、「高音は繊細ながらもマイルド」、「低音は力強くてリッチながら明瞭」で、すべての音域でバランスの取れた音質を目指した。
高音質コーデックのLDACをサポートし、対応するAndroidスマートフォンなどと組み合わせると、ワイヤレスでハイレゾ相当の音楽再生が可能だ。日本オーディオ協会が定めたハイレゾオーディオワイヤレスの認証も取得。Bluetooth 5.3に準拠し、コーデックはLDACのほかにSBCとAACにも対応する。同時に2台の機器に接続するマルチポイント機能も備えている。
3Dオーディオ機能は、イヤホンを装着した状態で頭を動かすと、音が特定の方向から聞こえてくる「ヘッドトラッキング」に対応。音楽モードとムービーモードが選べる。独自のアルゴリズムでリアルタイムに音源を処理し、さらにジャイロセンサーで頭部の動きも検知。これによってライブ会場や映画館にいるような、音楽に囲まれた感覚を体験できるとする。
報道陣向けの新製品発表会が行われた会場では、短時間ながら実機を体験できた。パッと見はスティック状のパーツを備えた普通の完全ワイヤレスイヤホンで、外観も価格なりの品位ではある。だが装着感は上々で、3Dオーディオやヘッドトラッキングの効果も非常に分かりやすい。
一般的なTWSイヤホンであれば、聞いている楽曲の音像や音の方向がある程度固定されて頭の中で響く感じになる。Soundcore Liberty 4では、専用アプリ「Soundcore」でヘッドトラッキングをオンにすると、たとえば顔の向きを90度右に向けていくと正面にあった音が左耳のほうから大きく聴こえてくるようになり、また顔の向きを元に戻していくと正面から聴こえてくるようになる……といったかたちで、頭の動きに追従して音の方向感がスムーズに変わっていくのを実感できた。
ヘッドトラッキング自体は、AirPodsなど一部のオーディオ機器で既に実現しているもので、珍しい機能ではない。だがその体験が、1.5万円を切る“手に届きやすい価格帯”で、誰もが知るAnkerブランドの製品で楽しめるのは、ある意味で衝撃的ともいえる。
Anker独自の「ウルトラノイズキャンセリング2.0」も搭載。ノイズキャンセリング(NC)をオンにすると耳穴にやや強めの閉塞感を感じるが、そのぶん音楽に没入できる感じがする。外部音響に合わせてアクティブノイズキャンセリングの強度を自動で調整できるが、会場の試用機では試せなかったので、後日改めてレビューしたい。
心拍モニタリングやストレスチェック、姿勢リマインダー、ワークアウト機能といった、ヘルスモニタリング機能を新搭載しているのも大きな特徴。Soundcoreアプリと組み合わせて使える機能で、この機能のためにイヤホンにLEDを内蔵。充電ケースを空けるとここが発光・点滅するため、半透明のイヤーピース部分が光って見える。
ただし説明員によると、ユーザーから取得したヘルスケアデータはクラウド上にアップロードしてアカウントに紐付けはされるものの、たとえば同じヘルスケア機能を備えた新しい製品に買い替えた場合、これまで取得したデータを引き継ぐことはできないとのこと。
イヤーピースにもこだわっており、独自の2層構造「CloudComfortイヤーチップ」が付属。モチモチとした柔らかいイヤーピースで、つけ心地の良さが上がっている。
イヤホン単体では、標準モードで最大9時間音楽を聴ける。NCオン時は最大7時間、LDAC使用時では最大5.5時間となる。充電ケースと組み合わせると、順に最大28時間/24時間/16.5時間使用可能だ。
重さはイヤホン本体が約5.8g、充電ケース込みで約55g。ケースはワイヤレス充電に対応し、約3時間で充電可能。USB-C充電の場合は約2時間となる。イヤホンの充電時間は約1時間。4サイズのイヤーピースやUSB充電ケーブルなどが付属する。