デロイト トーマツ グループは10月27日、「役員報酬サーベイ(2022年度版)」の結果を発表した。同調査では、日本企業における役員報酬の水準、株式報酬制度等の導入状況などを調べた。
社長・CEOの報酬総額、3年ぶり増
売上高1兆円以上の企業における社長・CEOの報酬総額水準は、中央値で1億1,224万円。前年(9,860万円)比で13.8%増と、3年ぶりに増加した。同調査では、「近年、社長・CEOのインセンティブ報酬割合が増加しており、特に今期はインセンティブ関連指標のROEの上昇にもみられるよう、企業の好業績、堅調な株価の推移などが報酬水準上昇の一因となった」と分析している。
株式関連報酬(長期インセンティブ報酬)を導入している企業は前年比1.5ポイント増の75.5%。今後、導入予定がある企業(12.1%)も合わせると87.6%(前年比2.4ポイント増)に上った。
株式関連報酬を導入していない会社、および既に何らかの株式関連報酬を導入している会社ともに、今後導入を予定している報酬の種類は「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」が最も多かった。
上場企業において、全取締役に占める社外取締役の人数割合を3分の1以上確保している企業は同13ポイント増の77.3%。プライム上場企業における社外取締役の報酬総額水準は中央値で840万円となり、東証1部時代を含めると5年連続で上昇傾向にある。
取締役として、女性取締役または外国籍取締役を登用している企業は同9.5ポイント増の61.6%。女性取締役のみ1人以上存在する企業は同10.0ポイント増の54.3%、外国籍取締役のみ1人以上存在する企業は同1.1ポイント減の2.0%、女性取締役と外国籍取締役の両方が存在している企業は同0.7ポイント増の5.3%となった。
同調査は、デロイト トーマツ コンサルティングと三井住友信託銀行が2022年6~7月に共同で調査を実施し、プライム上場企業を中心とした1,123社から有効回答を得た。