俳優の戸塚純貴が、来年1月7日にスタートするBS松竹東急のドラマ『かりあげクン』(毎週土曜23:00~)に主演することが26日、明らかになった。

  • 戸塚純貴(左)と原作書影 (C)BS松竹東急/AOI Pro. (C)植田まさし / 双葉社

『コボちゃん』『フリテン君』などの人気4コマ漫画で知られ、今年で画業51年を迎えた植田まさし氏の代表作をドラマ化する今作。連載42年の時を経て、初の実写ドラマ化となり、1話に複数のショート作品を組み合わせた本作ならではのテンポの良い痛快ドタバタコメディが、劇団ヨーロッパ企画の脚本によって繰り広げられる。

戸塚が演じるのは、空気を読まないイタズラ好き、でもなぜか周りから慕われている永遠の平社員・かりあげクンこと、かりあげ正太。原作と同様に表情を変えることなく、係長や課長、さらには社長にまでイタズラを仕掛けていく。

コメントは、以下の通り。

■戸塚純貴
――主演の話を聞いたときのお気持ちをお聞かせください。
主演という大役をいただき大変光栄に思いましたし、何よりこの長きにわたり多くの方々に愛されているかりあげクンを自分が演じられることがとても嬉しかったです。

――台本を読んだ感想をお聞かせください。
関わる人全てがかりあげクンのイタズラに翻弄されていく様が面白く描かれていて、シュールで独特の世界観に引き込まれていきました。

――かりあげ正太役を演じるにあたっての想いや実際に演じてみていかがでしたか?
誰かに嫌がらせをすることに天才的な才能がある笑わない男なので、やっていることと、ポーカーフェイスで飄々とした表情とのバランスが難しいところだと思います。悪人に見えてはいけないし、善人にみえてもいけないとも思っていて。表情と行動が読み取れない掴みどころのなさは、かりあげクンの魅力的なところでもあるので繊細に演じていきたいところです。

――戸塚さんにとって「かりあげ正太」はどんな人物ですか?また、ご自身の共通点はありますか?
パッと思い浮かんだのは、天邪鬼。人の心を見計らってイタズラを仕掛ける。逆を言えば人の気持ちをすごく読み取れる人だと思います。だからかりあげクンの周わりには人が集まって来るんだと思います。僕もお芝居の中であえて違うことをやってみて周りを困らせたい衝動に駆られることが多々あります。監督やスタッフ、お客さんを驚かすという意味ではとても精神が似ていると思います。役者としてかりあげクンの生き様は勉強になります。かりあげクンを知れば知るほど共通点がたくさんあります。

――実際に髪の毛を“かりあげ“た時のお気持ちをお聞かせください。
作品によって役を作る際に監督とイメージを話し合って作り込んでいくことが多いのですが、今回はディティールがハッキリしているので監督、プロデューサー、大勢の方に見守られながら断髪したのは新鮮でした。みんなで作り上げた渾身のかりあげに身が引き締まりました。

――ドラマの見どころ、視聴者へのメッセージをお願いします。
今回本当に素晴らしいキャストの方々に囲まれて、僕もかりあげクンも幸せです。僕が代わりに皆さんの日々のストレスを、一番目立たない感じで目立つ万年平社員のサラリーマン、かりあげクンとして少しだけでも昇華できたら嬉しく思います。働くすべての人たちへエールを送りたい、なんておこがましいですが、日常の中に遊び心を。

■長原竜也プロデューサー
バブルの最後をかじった「新人類」と呼ばれた我々のサラリーマン人生も気づけば定年が見え始めたところ。平成生まれZ世代の若手社員たちと話が合うはずもなく「最近の若い奴は…」と自分がその昔上司から言われた言葉をそのまま彼らにぶつけられないので心の中で呟く毎日です。
今回ドラマ化するにあたり膨大な原作を全て読み返しました。時代、言葉、文化は変われどその中で全くブレないかりあげクンこそ、いつの世にも存在し愛され求められてきた理想のサラリーマンかもしれません。
そして時代は令和。熱血社員、残業、飲みニケーションと廃れていくもの、ネット社会、ハラスメント、韓流ドラマ、スマホ、新たに生まれたものの間で右往左往する全世代サラリーマンたちを愛情と風刺を込めて描きます。令和版新?シン?『かりあげクン』ご期待ください。
現在絶賛撮影中。達者な俳優陣のお芝居に現場は日々笑いに包まれております。

  • (C)BS松竹東急/AOI Pro.