EcoFlowが発表したポータブル電源「RIVER 2」、過剰な機能を省いたり簡略化して本体の軽量化を図りつつ、安全性や使いやすさの向上、充電時間の短縮、長寿命化などを改善した。消費者が重視する低価格化も図った。かつて、価格の高さや重さ、扱いの難しさからごく一部の人しか使っていなかったデジタル一眼レフカメラを一般層に広めてブームを巻き起こしたキヤノンの「EOS Kiss DIGITAL」(キスデジ)と似た印象を感じさせ、ポータブル電源普及の起爆剤になる可能性がある。
デザイン一新で軽量化、急速充電も搭載
EcoFlowは10月25日、ポータブル電源の新製品「RIVER 2」シリーズを発表した。シリーズで初めてリン酸鉄リチウムバッテリーを搭載して最長10年使える長寿命化や安全性の向上を図ったほか、過剰な機能や装備を省いて本体の軽量化や低価格化も図った。約60分でフル充電できる急速充電機能も備え、使い勝手も高めた。旺盛なキャンプなどのアウトドアレジャー需要を追い風に、価格重視で初めてのポータブル電源の購入を考える人を中心に訴求する。
シリーズは「RIVER 2」「RIVER 2 Max」「RIVER 2 Pro」の3機種をラインナップする。おもなスペックと希望小売価格は以下の通り。発売はいずれも10月25日。
製品名 | バッテリー容量 | X-Boost最大出力 | 重さ | 希望小売価格 |
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RIVER 2 | 256Wh | 450W | 3.5kg | 29,900円 |
RIVER 2 Max | 512Wh | 750W | 6kg | 64,900円 |
RIVER 2 Pro | 768Wh | 1,000W | 7.5kg | 88,000円 |
2020年2月に発売した「RIVER」シリーズの後継モデル。キャンプなどのアウトドア需要や防災用途などで注目が高まるポータブル電源だが、「価格重視で1,000Wh以下の製品の需要が増えている。多くの人が手に取りやすい価格、1時間以内で充電できる急速充電機能、安心・安全性の高いリン酸鉄リチウムバッテリーの採用、10年使える長寿命など、多くの人が手に取りやすい製品に仕上げた」(EcoFlow担当者)とし、ポータブル電源市場を広げる意欲作と位置づける。
本体はデザインを一新。これまで上部に搭載していた堅牢なハンドルをやめて後部にシンプルな持ち手を設け、天板をフラットにしてスマートフォンなど充電中の利きが置けるようにした。従来モデルでは前面と側面に分散していたAC100VコンセントやUSB端子などの出力端子はすべて前面に、充電用の入力端子はすべて背面に配置し、使い勝手や分かりやすさを高めた。
重量は従来モデルの約5kgから約3.5kgに大幅に軽量化した。外装や内部構造の工夫、一部機能や装備の簡略化で軽量化を果たしたという。従来のRIVERシリーズと比べて簡略された点は、エクストラバッテリーの増設機能を省いたほか、出力を一時的に高めるX-Boost時の最大出力を抑えたことなど。
バッテリーは、従来のリチウムイオンバッテリーからリン酸鉄リチウムバッテリーに変更した。充電サイクル回数は従来の約800回から約3,000回へと大幅に長寿命化し、1日1回の使用で約10年使えるようにした。メーカー保証も5年と長い(従来モデルは2年)。リン酸鉄リチウムバッテリーは安定性が高く、発熱や発火などの危険性も少ない。
急速充電機能のX-Streamも搭載した。RIVER 2とRIVER 2 Maxは約60分、RIVER 2 Proでも約70分でフル充電が可能。
Wi-FiとBluetooth機能も内蔵し、専用のスマホアプリを使えばバッテリーの残量確認や出力のオンオフ制御、充電速度の調整などが可能。また、RIVER 2シリーズは万が一の停電時も30ミリ秒以下でバッテリー給電に自動で切り替える「EPS」機能を備えており、パソコン利用時のデータ消失を防げる可能性が高まる。
蜷川実花さんデザイン、華やかな外装の特別モデルも!
写真家でありアーティストでもある蜷川実花さんが外装をデザインした特別モデルも数量限定で販売する。これまでのポータブル電電にはない華やかなデザインで、キャンプなどのアウトドアレジャーでは注目を集めそうだ。販売価格や数量は後日発表する。