24日スタートのカンテレ・フジテレビ系ドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(毎週月曜22:00~ 初回15分拡大)にレギュラー出演する川瀬莉子。同作は、スキャンダルが原因でエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)が、若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)とともに、ある連続殺人事件の真相解明に奔走する姿を描いている。

今作で川瀬は、長澤がコーナーMCを務める社内で“制作者の墓場”と揶揄される深夜情報番組『フライデーボンボン』のMCアシスタントを務める後輩アナウンサー・川上美咲役で出演。自身の経験を活かしてオーディションで勝ち取った役についてのほか、共演の長澤まさみから学んだ女優としての姿勢、「役と向き合うことで自分自身が見えてきた」という演じることへの意識の変化を語った。

  • 川瀬莉子 撮影:島本絵梨佳

■アナウンサー役のためにお風呂場で発声練習

――ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』にアナウンサーの川上美咲役でレギュラー出演が決定しました。

アナウンサー役ということで、職業として確立されていますし、アナウンサーというからにはアナウンス力をつけないと、と思いまして、テレビ局のホームぺージにアナウンサーの皆さんの音声があるので、それを参考にお風呂場で発声の練習をしました!

今回の役はオーディションだったんですが、そこでもアナウンスの原稿読みがあったんです。今回、私が演じる美咲はバラエティ番組のMCアシスタントをしているので、その原稿もバラエティの進行みたいな感じで、役のオーディションというより、アナウンサーの採用試験を受けているようでした(笑)。個人的には、現在BSフジ『冗談騎士』でMCアシスタントを実際にやらせていただいているので、その経験が活きたのかなと思っています。

――他のお仕事の経験が、女優業にも活かされたと。

正直、オーディションの手ごたえは五分五分だったので、ドキドキはしていたんですけど、今作のプロデューサー・佐野亜裕美さんは私の大好きなドラマ『カルテット』(TBS系)を手掛けた憧れの方だったので、絶対に受かりたいと思っていました。なので、受かったときはすごく嬉しかったです。

■休憩中は梶原善、長澤まさみと健康トークも

――憧れの方と一緒に作品作りができるのは、嬉しいですね。撮影現場の雰囲気はいかがですか?

錚々たる皆さんが顔をそろえているのもそうなんですが、私が演じる美咲は『フライデーボンボン』という番組に出演しているんですけど、その撮影をしているときは本当のバラエティ番組のスタッフさんがカメラを構えてくれているんです。なので、美咲という役を演じる緊張感とともに、本当にバラエティ番組に出演しているような緊張感もあって……。

でも、番組MC・海老田天丼役の梶原善さんとのシーンが多いので、休憩中は善さんとお話しして、リラックスさせていただいています。長澤まさみさんも一緒のときは3人でお話ししたりしていますね。善さんがおしゃべりな方なので楽しませてもらってます(笑)。

――休憩中はどんなお話をされているんですか?

お仕事というよりは、ここのお店がおいしいとかグルメ情報が多いですね(笑)。あとは、善さんもまさみさんもすごく健康志向なんです。お二人で健康食品について、全粒粉が~とかお話しされていて、色々と教えていただいています。そこで、お米は玄米がいいよとおすすめされてからは、白米に混ぜて食べています!

■長澤まさみの役づくりに感嘆「貴重な経験」

――早速取り入れてるんですね(笑)。今回演じる美咲との共通点は何かありますか?

アナウンサーという部分を除いて、人間的な部分で言うと“揉め事なく円滑に進めたいタイプ”という部分は共通していると思います。私も基本的に争いごとも苦手ですし、怒られたくない、嫌われたくないと思ってしまう人間なので……(笑)。芸能界で活動しているとどうしても、人と競る部分も出てくると思いますが、そこは相手がどうだからというよりは、自分がどう頑張るか、どうすべきかということを意識しています。

――ある種、自分との闘いですね。今回メガホンをとった大根仁監督は、ワンシーンをカットせずに長く撮影することで知られていますが、実際の撮影はいかがですか?

細かくカットがかからないので、私はすごくやりやすいですね。やっぱり途中から始まると、そこから気持ちを作るのはどうしても難しいと思うので、一連の流れで撮影すると感情を蓄積させていくことができるので、演じ手としては助かります。ただワンシーンが長いと、後になるほどNGは出せないので、そこはいい緊張感をもって撮影できています。

――大根監督と役についてお話しされたりもしますか?

美咲は他の登場人物とは違う感情を抱いていることが多い役なので、「川上は今、こういう感じで難しいね」と声をかけてくれたりします。あと大根監督は、撮影の前にもキャストとシーンごとにすり合わせをして下さるので、一緒に作品を作っている感があって、すごく楽しいです。

個人的には、まさみさんと大根監督がお話しされているのを間近で聞くことができたのもすごく貴重な経験でした。まさみさんは、役への理解度というか、役のビジョンをしっかり持っていらっしゃって、演技プランの相談をしてる姿を見ていて役への取り組み方を学び、私ももっと役を理解して、しっかりと自分の意見を言うことができるように勉強させていただきました。