京浜急行電鉄は24日、ダイヤ改正を2022年11月26日に実施すると発表した。日中時間帯に快特と特急を交互に10分間隔の運転に変更し、待ち合わせ駅での接続も改善するなど、23年ぶりにダイヤの大幅な見直しを行うという。
コロナ禍におけるワークスタイルの変化をはじめ、鉄道の利用シーンが大きく変わってきていることから、京急電鉄は「アフターコロナの沿線を、より便利に、より快適に」という目標を掲げ、1999年7月以来、23年ぶりという大幅なダイヤの見直しを実施する。利用者数の減少、電気料金の高騰に伴う動力費の増加などを受け、朝の通勤時間帯や日中時間帯に運転される一部列車において、需要に合わせた適正化を図り、運転取りやめと時刻・編成両数の変更も行う。
ダイヤ改正で日中時間帯の列車パターンを変更し、三崎口駅発着で都営浅草線方面へ直通する快特を特急に変更。快特と特急を交互に10分間隔で運転することで、青物横丁駅、平和島駅、神奈川新町駅、追浜駅、汐入駅といった快特通過・特急停車駅での乗車機会を増やす。空港線から品川駅経由で都営浅草線方面へ直通する快特も、一部列車を特急に変更。空港線内各駅から乗換えなしで都心方面へ向かえるようにする。
快特・特急と普通の接続を改善し、目的駅への到達時間の短縮も図る。一例として、梅屋敷駅から品川駅へ向かう場合、現行ダイヤの普通は途中の平和島駅と鮫洲駅で快特の通過待ちを行うため、梅屋敷駅から品川駅まで約17分かかっていた。ダイヤ改正後、2回あった快特の通過待ちを解消するとともに、平和島駅で普通と特急の緩急接続を行う。これを利用し、普通から特急へ乗り継ぐことで、品川駅までの所要時間が最速6分短縮され、約11~15分になるとのこと。
一方で、空港線から横浜駅経由で逗子・葉山駅まで運転されるエアポート急行は、運転間隔を現行の10分間隔から20分間隔に変更。途中駅での接続を改善し、利便性を維持するとしている。
平日の朝・夜間のダイヤも変更される。平日朝の通勤時間帯、快特5本を特急に変更するほか、京急久里浜駅および逗子・葉山駅始発の特急(羽田空港行)2本を運転取りやめに。同時間帯に金沢文庫駅から神奈川新町駅・品川駅までの区間で実施している12両編成での運転についても、ダイヤ改正に合わせて上り6本・下り2本を取りやめとする。平日の21時以降、品川発三崎口行で運転される特急は2本を品川発浦賀行とする。
土休日の19時以降、利用の少ない京急久里浜~三崎口間は20分間隔の運転に。同時間帯に泉岳寺~三崎口間で運転される快特について、上下6本を特急に変更する。同じく土休日19時以降、都営浅草線から空港線へ直通するエアポート急行は7本を快特に変更。京急電鉄のダイヤ改正では、他に始発列車・終列車の一部変更なども予定している。
■ダイヤ改正で各種ウィングサービスの改善も
アフターコロナにおける快適な乗車サービスを提供するため、各種ウィングサービスもダイヤ改正に合わせて変更となる。平日朝の通勤時間帯、「モーニング・ウィング5号」の運転時刻を約30分繰り上げ、三浦海岸駅7時28分発・品川駅8時53分着・泉岳寺駅8時56分着に。品川駅へのオフィス通勤等で利用しやすい時刻の運転とする。
平日夕方以降の「イブニング・ウィング号」では、1カ月間全8列車を制限なく利用できる「Wing Pass(イブニング・ウィング号)」を期間限定で2023年1月から開始予定(2022年12月1日から品川駅で販売開始)。土休日の日中時間帯に設定される「ウィング・シート」は、上りの乗車可能駅を追加する。11月26日以降、三崎口駅から金沢文庫駅までの快特停車駅13駅すべてから「ウィング・シート」を利用できるようになる。