ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン(以下、ツヴィリング)は10月20日、本格的なドリップコーヒーが楽しめる「Enfinigy コーヒーメーカー」(19,800円)と、フワフワの泡ミルクが作れる「Enfinigy ミルクフォーマー」(11,000円)の2製品を発売しました。コロナ禍で自宅時間を大切にする人が増えた中、多くのメーカーがコーヒーマシンを発売しています。後発となるツヴィリングの新コーヒーメーカーはどのような特徴があるのか、プレス向け体験会にて試飲を含めて製品をチェックしてきました。

  • ツヴィリング、Enfinigy コーヒーメーカー、Enfinigy ミルクフォーマー

    Enfinigy コーヒーメーカー(写真右)と、Enfinigy ミルクフォーマー(写真左)

コーヒーの個性をしっかり立たせる大容量コーヒーメーカー

日本でも双子マークが刻印された包丁で知られるツヴィリングは、創業290年以上になる世界的有名なドイツの刃物メーカー。そのツヴィリングが、日本において2020年からスタートした家電ブランドが「Enfinigy(エンフィニジー)」シリーズです。今回の2製品もEnfinigyシリーズとなります。

Enfinigyシリーズの特徴は、シリーズで統一されたシルバーを基調としたモダンデザインと高い付加価値。Enfinigy コーヒーメーカーとEnfinigy ミルクフォーマーも、これらの特徴を受け継いでいます。

  • ツヴィリング、アンドリュー・ハンキンソン氏

    Enfinigyについて説明するツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン代表取締役のアンドリュー・ハンキンソン氏

体験会ではコーヒーの専門家であり、JBC(ジャパン バリスタ チャンピオンシップ)認定ジャッジでもある松原大地氏が製品を解説。松原氏によると、Enfinigy コーヒーメーカーで最大の特徴となるのが湯温の安定性とのこと。

コーヒーメーカーは内部のボイラーでは安定した高い温度をキープしますが、本体内をお湯が移動する間に温度が下がり、抽出時に温度がバラつきがち。コーヒーを抽出する湯温が高すぎると渋みや苦味が目立つようになり、湯温が低すぎると甘みや旨味が十分に抽出されません。

  • ツヴィリング、Enfinigy コーヒーメーカー

    Enfinigy コーヒーメーカー。本体サイズは幅32×奥行き15×高さ35cm、重さは2715g。シルバーを基調としたEnfinigyらしいデザインの製品です

  • コーヒー、日本バリスタ協会、JBC、松原大地

    JBC認定ジャッジの松原大地氏

Enfinigy コーヒーメーカーは、ボイラーに高い耐久性と耐腐食性を持つステンレス素材を採用。一般的なコーヒーメーカーで利用される銅素材よりも熱伝導率が低いため、温度が安定したお湯を供給しやすいそうです。抽出時の湯温は92~96℃に保たれます。松原氏によると、カフェなどで利用する業務用製品も、高機能製品はボイラーにステンレス素材を採用していますが、多くの場合は銅素材のボイラーです。

水タンクは最大1.5Lとかなりの大容量。最大10カップのコーヒーを抽出できる量です(1杯125ml換算)。保温は最大120分までとなり、大量にコーヒーを飲む家庭や、仕事中に何杯もコーヒーを飲むユーザーでも安心です。

なお、Enfinigy コーヒーメーカーは1回の抽出に、タンク内の水すべてを使うタイプ。最大では10杯分の抽出ですが、たとえば5杯分を抽出したいときは、水とコーヒー粉の量をそれぞれ半分にしてセットします。また、コーヒー粉の量とタンクに入れる水の量を増減することで、コーヒーの味を調整できます。

  • ツヴィリング、Enfinigy コーヒーメーカー

    Enfinigy コーヒーメーカーの大容量水タンク。水タンク部は取り外せません

このほか、コーヒー粉の広い面に上から均一にお湯を注ぐ「ワイドシャワーヘッド」を搭載。抽出量をあらかじめセットすることで、最適な蒸らし時間や注水スピードをコントロールしてくれます。

  • ツヴィリング、Enfinigy コーヒーメーカー

    広い範囲に上から均一にお湯を注げるワイドシャワーヘッド。ヘッドの素材もステンレス製にすることで、一度温まると温度が下がりにくいようになっています

  • ツヴィリング、Enfinigy コーヒーメーカー

    抽出前に抽出杯数をセットすることで蒸らし時間や抽出スピードなどをコントロール。写真は5杯抽出時の設定

こうしたこだわりによって、Enfinigy コーヒーメーカーは世界でもっとも権威のあるコーヒー協会といわれるSCA(Specialty Coffee Association)から、家庭用ドリップタイプコーヒーメーカーのSCA認証を受けています。松原氏によると、このSCA認証をクリアした製品は世界でも多くなく、日本に正式輸入されている製品は現在Enfinigy コーヒーメーカー以外ほとんどないということです。

ちなみに、安定してコーヒーを美味しく抽出できるため、Enfinigy コーヒーメーカーで使用するコーヒー豆でおすすめなのは高品質なスペシャルティコーヒー。安いコーヒーメーカーは「苦味」を全面に出した抽出をしがちですが、Enfinigy コーヒーメーカーはコーヒーの持つフルーティーな酸味や甘みをしっかり抽出。繊細な個性を持つコーヒー豆の特性をきちんと引き出してくれるといいます。

  • 会場ではスペシャルティコーヒーであるエチオピア シャキソ地方の豆を抽出し、マイナビニュース・デジタルの林編集長も試飲。「コーヒーなのに苦味がほとんどなく、柑橘系のような爽やかな味わいでした」(林)

冷たいミルクでも泡ミルクが作れるミルクフォーマー

もうひとつの新製品、Enfinigy ミルクフォーマーは、牛乳で泡ミルクを作れるミルクフォーマーです。本体、サーバー、フタと一体化した撹拌(かくはん)パーツで構成されています。

使い方はとてもシンプルで、サーバーにミルクを入れて「ホット/アイス」を選ぶだけ。ミルクが泡立って一定の固さになると本体が自動でストップし、泡ミルクの完成です。牛乳を使った泡ミルクのほか、豆乳やアーモンドミルクも利用可能です。

  • ツヴィリング、Enfinigy ミルクフォーマー

    Enfinigy ミルクフォーマー。本体サイズは幅16×奥行き10×高さ20cm、重さは1.57kg。ミルクの容量は泡立て時が200ml、撹拌時は400ml

  • ツヴィリング、Enfinigy ミルクフォーマー

    本体のダイヤル操作で「アイス」か「ホット」を選ぶだけ。泡の固さは選択できません

  • ツヴィリング、Enfinigy ミルクフォーマー

    Enfinigy ミルクフォーマーのパーツ。写真左から、本体、サーバー、フタ

  • ツヴィリング、Enfinigy ミルクフォーマー

    サーバーは単体で使用しても違和感のないデザイン

選択項目に「アイス」があることでわかるように、Enfinigy ミルクフォーマーは冷たいミルクを冷たいままフォームドミルクにできるのが特徴。また、ホットメニューでは撹拌しながら温められるため、抹茶ラテやココア、インスタントスープといった顆粒の素を使ったドリンクやスープづくりもできます。

会場では、カフェ「私立珈琲小学校」オーナーである吉田恒氏によるアレンジメニューも披露。マスカルポーネチーズを使ったドリンクメニューなど、Enfinigy ミルクフォーマーならではのドリンクが提供されました。ミルクフォーマーがあるだけで、コーヒー以外にもアレンジドリンクのバリエーションが広がりますね。

  • ツヴィリング、Enfinigy ミルクフォーマー

    牛乳で作ったホットモードもフォームドミルク。とにかくキメ細かで滑らか

  • ツヴィリング、Enfinigy ミルクフォーマー

    こちらは冷たいフォームドミルクで作ったラテ。コーヒーと泡の層がしっかりと分かれています。ホットよりも少し泡が荒いですが、弾力があり、時間がたってもなかなか泡がヘタりませんでした

  • カフェ「私立珈琲小学校」オーナーの吉田恒氏による、今回の新製品を使ったアレンジドリンク。左はホワイトチョコを溶かした泡ミルクを使った「ホワイト抹茶モカ」、左はなんとマスカルポーネチーズを入れて撹拌した「ティラミスラテ」

最近はスペシャリティーコーヒー豆が手軽に購入できるようになり、家庭で「こだわりの一杯」を楽しむ人も増えています。ただ、どれだけ良いコーヒー豆を使っても、抽出方法を間違えるとせっかくの美味しさを引き出せません。今回のEnfinigy コーヒーメーカーは、SCA認証といういわばコーヒーのプロからお墨付きを得た製品。コーヒーの味で失敗したくない人にとっては、購入しやすい製品ではないでしょうか。