本日21日より放送がスタートするTBS系金曜ドラマ『クロサギ』(毎週金曜22:00~)。このタイトルは過去、2006年にドラマ化、そして2008年には映画化されているが、どちらも原作となる黒丸・夏原武が手掛けた漫画はまだ連載中だった。今回、2013年に全42巻で完結した作品を、令和の時代にいわば“完全版”として新たにドラマ化。主演にはKing & Princeの平野紫耀が抜擢された。現代を舞台に繰り広げられるシビアな世界の物語。平野をはじめとする出演者にはどんなことを期待しているのだろうか――。プロデューサーの武田梓氏、那須田淳氏に話を聞いた。

  • 『クロサギ』で主人公・黒崎高志郎を演じる平野紫耀

『週刊ヤングサンデー』『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載され人気を博した黒丸・夏原武による漫画『クロサギ』シリーズ。単行本は累計発行部数850万部を超える大ヒットを記録。15歳のとき、詐欺被害にあった父が起こしてしまった事件によって家族を失った主人公・黒崎高志郎が、詐欺師への復讐のため、自身も詐欺師になり暗躍する姿を描く。

武田氏は、いまの時代に再度『クロサギ』という物語を映像化する意味について「2006年に弊社でドラマ化させていただいた作品なのですが、当時は今や当たり前となった特殊詐欺もあまり認知されていなかった時代。いまは詐欺事件が年々悪質化し巧妙な手口も増えて、誰の身にも起こり得るほど身近なものになっています。しかも実際犯人は捕まらず、泣き寝入りしている人も多いと聞きます。その意味で、主人公の黒崎が詐欺師に立ち向かい、退治していく物語は、多くの人に共感を持ってもらえると思ったんです」と企画意図を説明する。

さらに那須田氏は「ある意味で社会問題になっていることを、多くの人に知ってもらうのに大きな役割を持つのが、エンターテインメント性だと思うんです」と語ると「特に若い人にとって、エンタメを入り口にすることで、より関心を持ってもらえたら」と付け加える。

こうしたなか大きな役割を果たすのが主人公だ。本作では、黒崎を通して視聴者は物語に感情移入する。那須田氏は「俳優としての力はもちろん、エンタメ力がある人……と考えたとき、平野くんというのは適任だと思ったんです。とても明るく華やかである一方、重い部分も表現できる。作品の持つテーマをしっかり表現しつつ、エンターテインメントに昇華できる人。僕たちが求めているのは彼しかいないと思ったんです」と平野の起用理由を語る。

制作陣の大きな期待のなか現場に入った平野。武田氏は「過去いろいろな映画やドラマに出演されていますが、台本を作っている段階で、これまであまり見たことがない平野さんになるのではないかというワクワクがありました」と語ると「実際現場に入られると、本当に素晴らしいんです」と目を細める。

続けて武田氏は「黒崎は過去にいろいろあって、復讐という生きる目的はあるのですが、そのときどきでさまざまな顔を見せるキャラクター。平野さんも普段からいろいろな活動をされているだけあって、本当に多面的に黒崎を演じてくださっています。しかもそれがとても自然。早く視聴者の方に観ていただきたいです」と絶賛。那須田氏も「バラエティで見せる愛らしい顔、歌やダンスで見せる迫力など、そして、俳優として見せてくれる深みのある演技力。本当に彼のいろいろな面が楽しんでいただけると思います」と追随する。