パナソニック コネクトから10月20日、モバイルノートPC「Let's note」(レッツノート)の2022年秋冬モデルが登場しました。コロナ禍において大きく変わった、働き方の多様性を重視する同社は、新設計の筐体を採用した12.4型モバイルPC「レッツノート SR」を発表しています。

  • レッツノートSR

  • パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 レッツノートカテゴリー カテゴリーオーナーの相原太陽氏

レッツノートSRってどんなPC?

レッツノートの新シリーズ・SRは、12.4型のフルHD液晶(アスペクト比3:2)を搭載したモバイルノートPC。コロナ禍を背景にテレワークが広がるなか、駅にWeb会議用ボックスが設置されたり、新幹線にテレワーク用車両ができたりと、世界で“オンラインを前提とした働き方”が進む中、あらゆる場所が仕事場になる状況に適したモバイルPCとうたいます。

  • レッツノートSR。従来からデザインを刷新した

SRの主な特徴は以下の通り。

  • 12.4型でアスペクト比3:2
  • A4用紙より小さい(幅273.2mm×奥行208.9mm)
  • 凹凸がほとんどない天板
  • 第12世代Intel Core搭載
  • 約859g~の重さ
  • 豊富なインタフェース
  • 100kgf加圧/76cm落下クリア
  • 約16時間のバッテリー駆動

注目ポイントのひとつはそのサイズ。12.4型ディスプレイを搭載しながらA4用紙より小さいサイズで、厚みを19.9mmに抑え、カバンなどに入れやすくなっています。小型ながらインタフェースは豊富に備え、HDMI×1、D-Sub×1、USB 3.0 Type-A×3、USB 3.1 Type-C×2(Thunderbolt4、USB PD対応)、有線LAN、SDカードスロットなどを装備。USB Type-Aポートは左右に備えるほか、USB Type-Cポート間は余裕を持って配置され、「指で挿し込むスペースも想定した」といいます。

  • A4用紙以下のサイズでサコッシュや小さなバッグに入る

  • 飛行機や新幹線のテーブルに置いても余裕があるため、マウスや飲み物を置きやすい

  • 左右のインタフェース。HDMI×1、D-Sub×1、USB 3.0 Type-A×3、USB 3.1 Type-C×2(Thunderbolt4、USB PD対応)、有線LAN、SDカードスロットなどを装備

重さは軽量バッテリー(Web直販では同梱、店頭モデルでは別売)装着時で859gと軽量。しかし本体の剛性は従来同等を確保しました。このほか、外出先で仕事をしている際に、画面を覗き込まれるとアラートを出すAIセンサーも載せています。

搭載プロセッサは第12世代Coreシリーズで、CPU性能を細かく制御し高いパフォーマンスを維持する独自技術Maxperformerも搭載しています。第12世代Coreでは高効率の放熱設計が求められる一方、筐体サイズは小型化しているため、冷却システムの最適化は難しい点の1つだったとのこと。

SRでは大型の冷却ファンを新開発し、レッツノートSV1比で10%の風量増を実現。大型のヒートパイプであぶられる筐体も冷やすため、ファン風の一部を(CPU熱の排気だけでなく)ヒートパイプ上にも流し、効率的な放熱を図っています。

  • レッツノートSRのメイン基板。小型かつ両面実装されている

  • 新開発の大型冷却ファン

  • バッテリーはユーザーが換装可能。標準バッテリーの場合は、構成にもよるが概ね約1kg弱となる

  • モバイル性や高い処理能力など、レッツノートSRの特徴

デザイン刷新、「新しい働き方」に沿う機能美を追求

SRシリーズでもうひとつ注目したい点が新しいデザイン。色は新色「カームグレイ」を基調とし、ギラギラと光らない落ち着いたシルバーとなっています。今年で26年目を迎えるレッツノートは「頑丈さ」を演出するため長らく反射の強いシルバーを採用してきましたが、「新しい働き方」を想定した新たな色に変更しました。

これまでブランドイメージを形作ってきたシルバーカラーの変更に、当初社内では「本当に色を変える必要があるのか?」という声も上がったとのこと。今回採用した新しいカームグレイが完成するまでは、20回ほど調色が繰り返されたといいます。

  • 落ち着いたシルバー色のカームグレイ。これまでのギラついたシルバーから一転、反射粒の細かいシックなカラーになった

  • レッツノートW4(2005年4月発売)。反射の強いシルバーを採用し、ボンネットの彫りも深い

  • 熱設計の関係でバッテリーカバー部分も樹脂となり、底面のマグネシウム部分と色を合わせているという

また、天板はレッツノートの特徴であるボンネット構造を採用していますが、その特徴的な凹凸は見当たらず、全体がとてもスリムな印象です。実は凹凸は付けられているものの最小限に抑えられ、かつ表面にはあまり出ない設計となっています。裏の凹凸部分に補強リブを備え、薄くても耐久性を維持しました。

また、天板はマグネシウムですが、上部のみアンテナの通信に影響する関係で樹脂を採用しています。これまではその継ぎ目がわかるデザインでしたが、一体成型を採用することで、これまで天板上部に入っていたアンテナカバーの線も表面からは見えなくなり、よりすっきりした見た目になっています。

  • レッツノートSRの天板。凹凸の線は入っているものの、凹凸感はほとんどない

  • 天板の裏側。こちらは表面より深く凹凸が入っているほか、上部の樹脂との違いもわかる

  • 歴代レッツノートのボンネット構造

キーボード面では、指の引っ掛かりなどを低減するリーフ型キーボードのキートップを微調整。SVシリーズから横に1.2mm/縦に0.6mm拡大し、キートップが広くなりました。画面は、気が散るような要素を極力排除し、どのモデルでもベゼルを黒に統一したほか、ベゼル部に付けられるゴム足も黒色に改善。

SRのデザイン担当者によると、これらデザイン上のこだわりは「利用者に気づかれないことも嬉しい」といいます。「気づかれないということは、使っているなかで違和感を与えないデザインということ。デザイナーとしては嬉しい限り」と話していました。

  • キートップはSVシリーズからミリ単位で調整し大型化。ゴム足も目立たないデザインに変わった

  • ディスプレイは狭額縁を採用したほか、気が散る要素を排除しゴム足を含め黒で統一

  • ディスプレイは180度開く

  • コワーキングスペースやテレワーク用の個室などの利用を想定

  • カラーバリエーション。ブラック&カームグレイ(左)と、カームグレイ(右)

  • ヒンジを筐体のエッジと合わせ角ばらせたこともデザイナーのこだわりの1つだ