就職活動や転職活動につきものの面接試験。最近では、オンラインで実施する企業も増えています。今回は『人は聞き方が9割』の著者の永松茂久さんに、オンライン面接で面接官から好かれたり、気に入られたり、評価されるためのコツをお話しいただきます。

リアルでの面接と同じように、オンライン面接においても、まず大切なのが第一印象です。

前回の記事でもお伝えしたように、オンラインのコミュニケーションでは、画面へ入室する時の印象=あなたの印象です。

ですので、Webカメラを通じて面接官の目にあなたがどう映っているのか、リアルの面接以上に気をつけることです。

ここでは、オンライン面接で、第一印象を良くするためのポイントをお伝えしましょう。

秘訣1. 目線とカメラの位置を合わせる

オンライン面接でまず気をつけたいのが、カメラの位置です。

せっかく笑顔で入室しても、カメラの位置が適切でないと、面接官に映るあなたの印象が悪くなってしまうからです。

例えば、ノートパソコンにカメラが内蔵されている場合、ノートパソコンを机の上にそのまま置くと、カメラを上から見下ろすことになり、面接官からは「上から目線」に見えてしまいます。

いくら画面の中とはいえ「上から目線」だと、スタート時から面接官に悪い印象を与えてしまいます。

そうならないためにも、ノートパソコンの下に台を置くなど、高さの調節をして、カメラの位置をご自身の目線の高さとしっかり合わせてください。

そうすることで、相手とも目線の高さが合い、「上から目線」になりません。

オンラインのコミュニケーションではいまだによく見かける光景なので、くれぐれも注意してください。

秘訣2. バストアップできれいに見せる

次に姿勢は、バストアップ(胸から上を映すこと)が基本です。

バストアップは、人が1番きれいに映りやすい角度です。

胸筋の下のラインをパソコン画面の下の線に合わせるぐらい、と考えてください。

秘訣3. 腰を立て、背筋をピンと伸ばす

また、前傾姿勢にならないように気をつけましょう。

お腹をグッと前に出して背筋を伸ばし、腰を椅子の座面に対して垂直に立てるイメージです。そうすると気持ちもシャーンとして、姿勢も真っすぐになります。

また、腰を立て背筋を伸ばせば、肩の力も抜けて、自然と胸が開きます。

これはオンライン、リアル問わず大事なことですので、自分の見せ方として、ぜひ身につけてください。

オンラインでの面接官とのやりとり、4つのポイント

オンラインに入室後、面接官とやりとりをする際は、以下の4つのポイントに気をつけましょう。

ポイント1. 自己紹介をダラダラ話すのはNG。面接官が一番聞きたい「なぜ?」を話す

面接で必ず聞かれる自己紹介と志望動機。大原則は、結論から話すことです。

オンライン面接は、画面上だけでのコミュニケーション。ダラダラ話すと、面接官にストレスを与えてしまいます。より短くハッキリと話しましょう。

とくに自己紹介は短く端的に話すことです。

自己紹介だからといって、思いつく限りに「自分の生い立ち」や「学生時代、何をしてきたか」などを延々と話す人がいますがNGです。

まずは「自分はなぜここに来たのか」「なぜ御社を志望しているのか」の志望動機を話しましょう。

これを最初に話せば、後の話が自然と流れます。面接官に与えるインパクトも強くなります。

面接官が聞きたいのは「なぜ?」の部分です。

「なぜ、あなたはここに来たんですか?」
「なぜ、うちの会社なんですか?」

この「なぜ?」を聞きたいのです。

とにかく、面接官が聞きたい「なぜ」の部分を強くプッシュしていきましょう。

ポイント2. 志望動機には「理念」を入れ込む

そして、志望動機を話す時は、あなたの「理念」をまず頭に持ってきます。

理念といっても、なかなか思い浮かばない人もいるかもしれません。

その場合は、

「○○の力で日本を元気にする」
「○○の力でお客様を幸せにする」

と言ってみてください。

この○○にあなたの志望する会社に合わせたキーワードを当てはめることで、立派な理念になります。

例えば、出版社の面接で、

「本の力で日本を元気にする。そのために御社を志望しました。というのも……」

と言われたら、本好きさんの代表格である出版社の面接官は、間違いなく心を動かされるはずです。

ぜひ、あなたが志望する会社に合わせて、あなただけの理念を作ってみてください。

ポイント3. 面接官からの質問には「はい、ありがとうございます」

面接官から質問されたら、すぐに質問に答えるのではなく、まずは「はい、ありがとうございます」と一言感謝の言葉を入れることです。

そうするだけで、面接官に与える印象はアップします。

面接官: 「○○さんは、うちで何をやりたいのですか?」
あなた: 「はい、ありがとうございます。私が御社でやりたいことは……」

「はい、ありがとうございます」の一言で、あなたの心は落ち着き、その後の話にもリズムがつきます。いい空気づくりにもつながっていきます。

そして、面接官があなたに好印象を抱く決定打になるはずです。

ポイント4. 逆質問をする

オンライン面接では、あなたの印象をしっかり面接官に残すことが大事です。そのためにも、あなたからも積極的に逆質問をしましょう。

面接ではほとんどの場合、最後に「何か質問はありませんか?」と聞かれます。その時「特に何もありません」と答える人が意外と多いですが、これはやめましょう。面接官から聞かれる前に、あなたから逆質問をしてください。

そもそも、面接官に促されてから、あわてて質問を考えても遅いのです。そうならないためにも、前回の記事でもお伝えしたように、相手の会社のことを事前に調べておき、質問を考えておくことが重要です。

以上、オンライン面接のポイントをお伝えしてきました。今回紹介した内容が、あなたの就職活動や転職活動のお役に立てましたら幸いです。