東京商工リサーチは、10月19日、2022年度の「業績見通しアンケート」調査の結果を公開した。2022年10月3日~12日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答5,505社を集計・分析した。
2022年度の売上高について、「増収見通し」36.3%(2,003社)で、4割に届かなかった。一方、「前年度並み」は38.0%(2,094社)、「減収見通し」は25.5%(1,408社)と、売上回復の遅れから足並みが揃わず三分割された。
「増収見通し」と回答した企業に「増収」見込みの理由を尋ねたところ、最多は、「既存の製品・サービスの販売数量の増加」の68.5%(1,336社)だった。「販売単価の引き上げ(値上げ)」の45.6%(889社)、「新しい製品・サービスの販売開始」の25.0%(489社)と続く。
一方、全企業で「新事業の開始」は7.9%(154社)、「事業拠点の増加」は5.0%(99社)、他社事業の承継やM&Aは1.2%(24社)と、積極的な投資による増収見通しは限定的だった。
経常利益の見通しは、「増益」が26.7%(5,495社中、1,468社)と3割に届かなかった。「前年度並み」は38.8%(2,134社)、「減益」は34.4%(1,893社)と、売上高見通しと比べ、厳しい数字を見込む企業が多かった。
「減益」と回答した企業に「減益」見込みの理由を聞いたところ、最多は、「原材料価格の高騰」で77.3%(1,815社中、1,404社)と約8割に達した。次いで、「原油(ガソリン等製品含む)価格の高騰」が51.5%(936社)、「電気料金の高騰」が49.3%(896社)と仕入や事業コストの増大を減益理由にあげた企業が多かった。
一方、「設備や事業への先行投資」は14.9%(272社)にとどまった。売上高予想と同様に長引くコロナ禍で先行投資を行っている企業が少ないとみられる。