江崎グリコは10月13日、「ヨーグルトの喫食実態調査」の結果を発表した。同調査は2022年8月31日と9月1日、首都圏・関西圏の20代から60代の男女3,000人を対象にインターネットで実施した。
普段摂取しているヨーグルトの銘柄について尋ねたところ、78.1%が「乳酸菌のみのヨーグルト」、49.4%が「ビフィズス菌入りヨーグルト」と答えた。「ビフィズス菌入りヨーグルト」を食べている人は、男性42.3%・女性56.5%と女性が多く、特に首都圏女性30~60代では6割を超えている。
乳酸菌とビフィズス菌の働きに違いがあることを知っているか尋ねると、「知っている」は23.8%にとどまった。
ヨーグルトを摂取する際にどのように食べることが多いか聞くと、「そのまま」(61.0%)が最も多かった。「砂糖やはちみつなどの甘味」は31.8%、「フルーツと合わせて」は33.9%、「シリアルと合わせて」は16.3%だった。
近年の研究で、ビフィズス菌などの腸内細菌が、水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作る腸内細菌代謝物「タンサ(短鎖)脂肪酸」が、体脂肪の低減と基礎代謝の向上など抗肥満作用をはじめ、免疫やストレス反応にも関与することが明らかになっている。
そこで、ヨーグルトを摂取する際、フルーツや野菜など他の食べ物と合わせて食べていると回答した人に具体的な食べ物を質問し、水溶性食物繊維やオリゴ糖を多く含む食べ物(アボカド、たまねぎ、ごぼう、オートミール、きな粉、ワカメ、寒天、バナナなど)と、ビフィズス菌入りヨーグルトを合わせて食べている人を、タンサ脂肪酸を生み出すための活動=「タンサ活」実践者として割合を算出した。
その結果、「タンサ活」実践者は、日常的にヨーグルトを食べている人の19.1%だった。女性の実践者は25.1%で、特に首都圏女性60代は32.7%と最も高くなっている。
「ビフィズス菌が食物繊維などをエサにすることで短鎖脂肪酸が産生されること」「腸内で産生される短鎖脂肪 酸が肥満を抑制するうえで大切なはたらきをすること」「短鎖脂肪酸は、肥満抑制(内臓脂肪を減らすことと代謝を高めること)に有効であること」といったタンサ脂肪酸の情報をひとつでも知っていると回答した人は、全体で22.0%、「タンサ活」実践者も31.6%だった。
ヨーグルトの喫食目的について聞くと、「便通改善・維持」(53.5%)が最も多く、「免疫力向上」(44.4%)、「全体的な健康のため」(39.2%)と続いた。全項目で「タンサ活」実践者は全体に比べ高くなっている。
20代・30代男性は、ヨーグルトの喫食目的で「ダイエット」「内臓脂肪を減らす」「代謝をよくする」が全体より高い。さらに「タンサ活」を実践する20代・30代男性では、この3項目が全体に比べ14.9~34ポイント高かった。コロナ禍以前に比べ「ダイエットのためにヨーグルトを意識して摂取するようになった」人は全体の6.0%に対し、「タンサ活」実践者の20代男性では29.2%、30代男性では27.3%だった。
ヨーグルトを購入する際に重視していることを尋ねると、「味」(61.9%)、「価格」(61.3%)が圧倒的に多かった。「タンサ活」をしている人は、「含まれる菌の効果」(31.9%)「ビフィズス菌入り」(26.2%)、「無糖」(27.9%)、「低脂肪もしくは脂肪ゼロ」(23.2%)を重視する人が全体に比べて10ポイント以上高くなっている。