大塚製薬の「女性の健康推進プロジェクト」はこのほど、「更年期症状のある女性の現状に関する調査」を実施し、結果を公表した。
同調査は2022年4月、全国の日本人女性 45〜59歳1,612人のうち、更年期症状(障害)があると回答した366人を対象に、インターネット調査にて実施したもの。
女性ホルモンの急激な減少により、年齢とともに身体に現れる、ほてりやめまい、頭痛、気分の落ち込みといった更年期症状。昨今は、女性の社会進出が進む中、厚生労働省でもその実態調査を行うほど、更年期症状が女性の活躍へ与える影響に注目が集まっている。
同社では、そういった更年期症状のある女性たちの自身の身体への知識と対処の現状について調査を実施。周囲の理解も含め、自身の身体を見直すきっかけとなるよう、更年期についての正しい情報を広く発信し、女性の健康増進に貢献する期間である「メノポーズ週間」に同調査の結果を発表した。
更年期症状は、年齢と共に女性ホルモンが急激に減少することによって起こるが、その根幹とも言える女性ホルモンについて「知識がない」と回答した女性は全体の63%だった。
更年期症状の根幹とも言える「女性ホルモンのための対処・対応として行っていることは?」という質問に対し、女性ホルモンの知識がある人のほうが、知識がない人よりも食生活をはじめとする生活習慣において積極的に行動に移し、健康食品や医薬品・漢方薬なども上手く活用していることが判明した。
更年期症状(障害)がある人のうち、家庭や職場など女性を取り巻く環境が「女性の健康に知識・理解がない」と答えた人の割合は70%。特に職場環境において、女性の健康に対して、「企業は取り組んでいない」と79%が回答した。
※「女性の健康」とは、月経や妊娠・出産、更年期症状等、女性特有の健康状態を指す。
※「周囲環境」とは、家庭や職場等、生活環境全般を指す。
更年期症状(障害)に悩む女性が安心して働ける環境づくりとして、様々な制度・設備を整えて欲しいという声が多いものの、実際の取り組み状況とは大きな差があることがわかる。
更年期症状はあるものの、女性ホルモンの変化によって起こる女性特有の不調に対し、「自分で対処(セルフケア)も、医療機関などの利用もしていない」と回答したのは全体の25%。また、「主に自分で対処(セルフケア)し、医療機関などは利用していない」と回答した女性は29%という結果に。
更年期症状(障害)がある人の実に半数以上が、医療機関を有効に利用できていないことがわかった。
更年期症状(障害)がある人で婦人科検診を受けていない人は約4割という結果に。また、かかりつけ婦人科医がいない人は半数以上となった。
受診しない理由としては、「女性特有の検診(内診等)に抵抗があるから」「どこも悪いところがなく、必要性を感じないから」「費用が高そう・費用が高いから」といった回答が約3割近くみられた。
一方、受診している人は、「自分の健康に不安を感じるようになったから」「受診すべきだと思う年齢になったから」「自分の健康について知っておくべきだと思ったから」など、健康意識の高さがうかがえる。
また、更年期症状(障害)があるものの、かかりつけ婦人科医がいない人は55%と半数以上だった。
かかりつけ婦人科医がいない理由としては、「かかりつけ婦人科医をどう探したらいいか分からないから」が35%、「婦人科が通いやすい場所にないから」という人が28%だった。
一方、かかりつけ婦人科医がいる人の理由は、「更年期症状に関連する婦人科系の不調の相談・検診・治療のため」が54%と半数以上だった。
「食生活や運動、サプリメントの利用等を含む一般的なセルフケア」と「婦人科をはじめとする医療機関の利用」をしている人は、していない人と比較し、「人に対して思いやりが持てる」「自然体で過ごせる」「心に余裕が持って相手に接することができる」と回答する割合が多い結果となった。
セルフケアと医療機関の利用による健康管理と生活の満足度との間には密接な関わりがあることがうかがえる。
調査からは、更年期症状のある女性たちの現状が見えてきた。
女性ホルモンに起因する更年期症状とうまく付きあっていくには、正しい「知識」の習得に加え、周囲の理解、一般的なセルフケアに加えて、医療機関を利用し、自身の健康状態を把握して対処するといった「行動」を起こすことが大切となる。同社は、これらを合わせた対処を「新・セルフケア」として提案している。
今回の調査結果からも「新・セルフケア」を行っている人は、現在の生活に対する満足度が高いことがわかっているという。同社では「メノポーズ週間」をきっかけに今回の調査結果を踏まえ、大塚製薬の女性の健康推進プロジェクトは、改めて「新・セルフケア」の重要性を発信していく、としている。