山口県は、日本全国の人を対象に同県の全国旅行支援「旅々やまぐち割プラス」を実施している。山口県は、農業も活発で自然の利を生かした多種多様で個性的な日本酒が豊富。その酒蔵を紹介している。
同県では近年、日本酒の海外輸出量が10年で約15倍に伸びている。日本酒は文化庁が「伝統的な酒造り」の一つとしてユネスコの無形文化遺産に提案、今後世界的にますます注目されていくことが期待されていると言う。
山口県酒造組合 山縣俊郎会長は「他県で廃業や休業が増える中、復活蔵や新規参入も多いことが山口県の特徴だ。小規模な蔵が大半だが、各酒蔵の関係性も良く、先進性があり質実剛健な山口県の特性が、コロナ前までは12年連続で出荷量が増えたという結果にも現れている。独自性があり、多種多様な山口県の酒の味わいとともに、酒を醸す人々の人柄も、おすすめできる特徴の一つだ」と話す。
全国旅行支援もはじまり、年末にかけて旅をするときに訪ねてほしい本州最西端の山口県にある魅力的な酒蔵が3つあると言う。
1つ目は明治20年(1887年)創業された「八千代酒造 八千代」。銘柄「八千代」は「君が代」の一節「千代に八千代に…」からこの酒を飲む人々の家系が永く栄えることを祈って名付けられた。五代目蒲久美子氏が自ら醸した新ブランドを発表し、女性杜氏として新たな価値を生み出す日本酒を発信している。なお、見学(試飲あり)の参加費は無料。
2つ目は「旭酒造」。ここでは、日本酒初心者にも知名度が高いと言われる「獺祭」を造っている。
2015年に建て替えられた12階建ての本蔵と、築100年超の古民家を隈研吾氏がリニューアルした「獺祭ストア本社蔵」がある。また西日本豪雨で崩壊した久杉橋が2022年7月に同氏のデザインで再建された。175人と日本最大の蔵人が、最新技術で細部が見えるからこそ、より一層の手間をかけて日々酒造りの進化を追求している。同蔵では見学を土日のみ1日2回、参加費は白衣代300円、有料試飲代300円にて実施している。
3つ目は「大嶺酒造」。農業と地域資源を軸に地域の未来へつながる産業を目指し2010年に50年以上休眠状態だった酒蔵を復活させた酒造である。古典レシピを尊敬しつつ、現代の技術をもって先人の成し得なかった日本酒を創造するという方針を掲げたOhmineの日本酒は、幅広い世代に支持されている。また、カフェから窓越しに蔵を見学することができる。なお、予約は不要とのこと。