MMD研究所は10月19日、8月に実施した日本・アメリカ・中国のスマートフォンユーザーの比較調査のレポート第2弾として、主にお金に関する調査の結果を発表した。
この調査は、2022年8月23日から8月28日までの期間に、日本・アメリカ・中国に在住の15歳~69歳のスマートフォンユーザーを対象として実施したもの。日本での調査地は東京/大阪で、対象は557人。アメリカでの調査はニューヨーク/ロサンゼルス/サンフラシスコで行い、対象は562人。中国は北京/上海の在住者552人を対象としている。
店頭での買い物時に利用する支払方法
店頭で買い物をする際にもっともよく利用する支払方法を聞いた設問の結果が次のグラフ。日本ではクレジットカード、アメリカではデビットカード、中国ではスマホ決済(QRコード決済)がもっともよく利用される支払方法となった。
現金/クレジットカードの利用は日本とアメリカで比較的多い。デビットカードはアメリカで多く使われ、日本と中国ではあまり利用されていない。中国ではスマホのQRコード決済が圧倒的で、現金・クレジットカードなどの支払方法はあまり使われていない。QRコード決済は日本でもあるていど利用されているものの、アメリカではプリペイドカードやカードタイプの電子マネー、QRコード決済以外のスマホ決済よりも少ない利用度合いだった。
月々の通信料金、アメリカは「10,000円~20,000円未満」が最多
対象者のうち、自身で携帯電話料金を支払っており、支払額を把握している人にその金額を聞いた結果が次のグラフ。アメリカ・中国での調査については、調査設計時の為替レートである1ドル=133.3円/1元=20円で換算している。
アメリカでは最多が「10,000円~20,000円未満」と、高い料金を支払っている人が多いことがわかる。日本では「2,000円~3,000円未満」、中国は「1,000~2,000円未満」にピークがあり、アメリカと比較するとだいぶ安い料金だ。円ドルの為替市場は10月19日現在で調査設計時よりも円高になっているので、現時点の為替レートで比較するとさらに米国が突出するはずだ。
日中を比較すると、日本では「1,000円未満」から「10,000~20,000円未満」までにあるていどなだらかに分布しているのに対し、中国では「1,000~2,000円未満」と「2,000円~3,000円未満」で全体の半分以上を占めるなど、低額帯に集中しているという印象だ。
調査対象の世帯年収と投資の有無、その手段は?
今回対象とした世帯の世帯年収は次のグラフのとおり。アメリカでは「2,000万円以上」が最多である一方、「200万円未満」が2位で貧富の差が大きいことがうかがえる。日本と中国は似た傾向で、ともにピークは「400~500万円未満」にある。
また、どういった金融商品に投資しているかををまとめたのが次のグラフ。いずれの国でも、投資している金融商品のトップは株式だが、日本では投資を行っていないという人がもっとも多い。アメリカでは仮想通貨への投資が株式に続き、NFTへの投資も比較的多くリスク志向といえる。中国は投資信託、金・プラチナ、公共債と続き、比較的低リスクの投資を好む傾向が見られた。
調査概要
- 調査期間:2022年8月23日~8月28日
- 有効回答:日本557人/アメリカ562人/中国552人(人口構成比に合わせて回収)
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:日本(東京、大阪)/アメリカ(ニューヨーク州、カリフォルニア州ロサンゼルス、カリフォルニア州サンフランシスコ)/中国(北京、上海)に住む15歳~69歳のスマートフォンを所有する男女
- 設問数 :19問